ぼろっチーニーをメンテナンス

こんにちは、ばしです。

 

9月上旬にカナダから2足、靴が届きました。
1足はCOLE-HAANのWERNER(過去記事こちら)。
同社の創業当時のモデルの復刻モノで、大変すばらしいペアです。
で、時を同じくして届いた今回のペア。
週末にようやくメンテしました。

こいつ。

 

CHEANEY CAPTOE

何の変哲もないキャップトゥです。

状態もいまいち。甲の履き皺がすごいです。クラックもあり。
酷そうとは思ってましたが、予想以上です。プチプチに巻かれて、紙袋に突っ込まれた状態で6週間がかりで海を渡ってきました。

チャーチの靴、として売りに出てましたが、この印字はチーニーなはず。
同じ種類の刻印で、インソックに「CHEANYEY」のロゴ入りのペアを持ってます。
まあ、チーニーとわかった上で購入したので問題はありません。
サイズ表記は8.5。英国製ですが、カナダの百貨店向けのOEM品とのことなので、サイズはUKではなくUS8.5。足を入れてもそんなサイズ感です。

で、なんで、そんな靴を買ったのか?
なんで到着後3週間も放置してたのか?
まあ、理由はあるのですが、詳しい話はあとにして、まずはメンテです。
いつも通り、まずは左から。

 

ステインリムーバー

ワックス等の類はあまりありません。
ていうか、単に手入れしてもらってないだけだろ、君。

うーん、履き皺が・・・。
ガラスレザーの履き皺って、どうしようもないですよね。

 

LEXOL

しかしまあ、見れば見るほどよれよれです。

このステップ、必要???
まあ、いつも通り、手順通りでいきましょう。

 

デリケートクリームもどき

保管状況はわかりませんが、真夏の8月を丸々洋上で過ごしてきてますし、多少乾きもあるでしょう。

ガラスなんで、浸透しませんが、全体に、そして、履き皺部分にはたっぷりと塗り込んでみました。

 

TAPIR レダーオイル

ガラスにオイル。まあ、光ることには光ります。

履き皺。酷いはひどいですが、しなやかになったような。
気のせいか。

 

コロニル1909

仕上げ。

うーん。
万能クリームとはいえ、皺はやクラックはどうにもなりません。

で、ここで、はた、と思いつきました。

 

かっさ棒

コードバンの手入れアイテム「アビィレザースティック」の代用品として使ってるこいつ。コードバンの毛羽立ちを抑えるために「がしがし」とやるわけですが、「物理的になだらかにする」、という目的は同じではないかと試してみました。

潤滑油替わりにコロニルを乗せた上からやりましょう。

うーん、どうでしょう?
酷いことに変わりはませんが、気持ち、ましになったような、なってないような。

右も同様の手順で。メンテ完了です!
ビフォーアフター。

 

【BEFORE】

【AFTER】

うーん。うーん。
あ、しょぼい紐は交換しました。茶色のペアについてや古いやつです。

 

【BEFORE】

【AFTER】

おおー!履き皺がすごいです!笑

で、それなりにシャキッとして見えるのは、メンテの成果、というよりは、シューツリーのおかげですね。

ほらね。ツリーを抜いたらこのありさまです。

よし、こいつはリシェイプしましょう。

何度も紹介してますが、アメリカのビン靴の大家、DAVIDさんのvcleat.comさんの記事です。スクリーンショット、拝借です。

この靴、元はへたって餃子靴みたいになっていたのを、丸洗いではなく、塗らしたキッチンペーパーを乗せたシューツリーを押し込んで乾燥させたものだそうです。

すでに売り払った茶色のウエインバーグで試してみて、なかなかに効果がありました(過去記事「マイファーストWEYENBERGのメンテ」)。

ということで、やってみましょう。

濡らしたキッチンペーパーをツリーの上にのせて靴にINします。が、今回、なかなかうまくいきません。ツリーごと奥まで入れる途中でペーパーがめくれあがってしまいます。

ということで、先に履き皺部分に内側からペーパーをセットして、この逆さ向きのままでツリーを差し込んでみました。

もう少しテンション強めにかけたいところですが、これよりもフィットしそうなツリーがないのでこのままで。

まあ、隙間なく入ってますから、大丈夫かと。

お、ちょうどインソックの刻印が見えます。チーニーのペアにはこの位置にこの刻印があります。このまま1日放置して乾燥です。湿った個所が乾く際に縮んで、ハリを取り戻す、との算段です。今回はどうでしょう。

翌日。

おおー!
って、ツリー入れた見た目の状態は変わってません笑。
抜いてみましょう。

おおー!
抜いてもクシャっとはなりません!
まずまず、成功です。
皺は、というと・・・。

うん、まあ、どうしようもないですね。ただまあ、これでも当初よりはましになったでしょうかね。

【BEFORE】

【AFTER】

あ、もとい、皺はあんまり変わりません笑。
どうにかするには、サンドペーパーでやするしかないかもしれません。
ガラスレザーを削ったら、もう後戻りはできませんので今回は見送り。
ただ、この状態のままよりはましかもしれません。
追加施術をどうするか、しばし検討しましょう。

 

で、なんでまた、そんな手のかかるやつをわざわざ買ったのか?

【理由その①】
安かったから、です。
送料込みで64カナダドル。ざっくり5000円です。

【理由その②】
こいつの所為です。
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓

 

Queen’s Awards

出品時の写真です。
ロゴ。そして、”THE QUEEN’S AWARD TO INDUSTRY”の文字。
これが欲しくてぽちっと行ったわけです。

詳しいことは知りませんが、「Queen’s Awards for Enterprise」という、1965年から今に続く、英国企業に対する英国最高の公式の表彰制度があるらしい。まあ、ロイヤルワラントの親戚みたいなもののようです。

おお、凄そうです。ロイヤルワラント入りの靴、持ってません。
替わりにそんなロゴのペア、1足持っておきたい。
とのことで買ったわけですが・・・。

??? 金のロゴは痕跡らしきものが僅かにあるだけで、もとがどんなロゴだったのか、知る由もありません。左だけでなく右も同様です。

「元はこんなだよ」
「“MADE IN ENGLAND EXCLUSIVELY FOR EATON’S”だよ」
との趣旨でアップされた写真なのでしょうが、それならそうと書いてよね。
何の説明もなくアップされた写真を見たら、このペアにそのロゴがついてると思うでしょうがっ。

6週間待って、届いたと思ったら、目当てのロゴがなくてがっくし涙・・・。
そんな経緯から、3週間放置することとなった次第です。

ただ、そのあとの話がありまして、少々長いのですが・・・笑。

ようよう調べてみましたところ、CHEANEY社がこの賞を受賞したのは2016年のことのようなんです。

ファッション系のサイトの記事のようです。

オフィシャルな「PRESS BOOK」にも記載があるのを見つけました。

表紙右上、ロゴは昔とは異なるようです。
中面21ページの一番上に「Cheaney Shoes Ltd」とあります。

2016年って、それって最近ですよね。
今回のペア、そんな新しくないですよね。
掲載されていた写真のロゴも、今とは異なりますし、そもそも見た目にそんな新しいものじゃないですよね。
ということは、写真のロゴは一体全体どの靴のものなのかね。
うーん、さっぱり、訳が分かりません。

で、ここで、はた、と気づきました。
このペア、そもそも「チャーチの靴」として売りに出されてました。
ひょっとして、ロゴの写真はチャーチのものかも。ということで調べてみましたら、なんと!チャーチ社自体が1965年に同賞を受賞しておりました。

同社のホームページからスクショお借りしてきました。
余談ですが、ホームページよくよく見てみたら、HISTORYの最初の年が1617年になってるんですよね。歴史と伝統は重い、ということですね。
で、同社の同賞受賞は1965年。ということは、この賞が創設された最初の年の受賞、ということです。
さすが、チャーチです。

いやいや、ていうか、内側の印字から推察しますに、私の買ったのはどう考えてもチーニーの靴です。チャーチではない。
そのロゴの写真がチャーチだというのでしょうかね、はいはい、分かりましたが、それってこの靴と関係なくなくね笑

 

・・・と、思ったら、な、な、なんということでしょう!!

二転三転してすみません。よくよく調べてみたら、チーニー社は1966年にも受賞してることが発覚しました。そして、その直後にチャーチ傘下となります。
参考記事・同社ホームページ

 

うーん、もう、訳が分かりません。
今回のこいつ、チャーチかチーニー、どっちのペアなのでしょうか?

ただ、ロゴの写真も今回のペアもソックシートはどちらも黒だし、写真のペアはやはりチーニー製、ということでしょうか?

まあ、どっちにしても、僕の手元のペアにはロゴはありません。
ないものはしょうがない。
ちぇっ、です。
履くか転がすか、しばらく考えましょう。

 

で、このペア、2足目のチーニーのペアです。
並べて記念撮影。

セピア色の同じタイプの印字です。
手前のPTBもガラスレザーですが、質感は明らかにPTBが上です(このペアの記事こちら)。あ、厳密にはHARRT名義のCHEANEYがもう1足あるのですが、小さくて売り出し中ということでノーカウント扱いです。

前方ライナーが布なのも同じです。古いタイプのロゴです。1970-80sくらいでしょうか?

インソック中央の刻印も同じ・・・、ではないな。今気づきました。
左のPTBは「MADE IN ENGLAND」「LEATHE INSOLE」。
右の今回のは「MADE IN ENGLAND」「MANMADE INSOLE」。

文字の並びと大きさだけでなく、そもそもの仕様が違います。
「MANMADE(=人工の) INSOLE」。
革じゃないのね。
コストダウンですね。
今回の方が年代が新しい?もしくは、海外向け輸出品仕様?
いずれにせよ、アッパーの革質がPTBより劣るのも合点がいきます。

インソールは人工でも、アウトソールはちゃんとレザーです。
おお、いいアングルです。
右足が適度にぼやけて、いい塩梅です。
アッパーも綺麗に見えて、いい感じです。

いい写真が撮れました。
いいロゴの写真もゲットできました。
写真だけどね・・・。

まあ、チャーチにチーニー、どっちも凄いことはあらためて理解しました。
で、なんやかんやで、思いのほか長くなってしまいました。
前後編に分けてもよかったかも。
最後までお読みいただきありがとうございます。
お疲れではないでしょうか?
かく言う私も、結構疲れました次第です。

 

今回は、ま、そんな感じ。

2件のコメント

  1. ばしさん

    お疲れ様です。チーニーメイドなので、しょうけど、興味深い靴ですね。

    素直に、セラーさんの画像を読むと、eatonに与えられた賞のように読めますがどんなものでしょう? eatonは、カナダのデパートのようです…。

    すこし、ググってみましたが、わかりませんでした(笑)。←意外とすぐわかるかもしれません。ではでは、失礼します。

    1. しんのすけさん
      お疲れ様です。いつもありがとうございます。
      賞はやはり英国内企業が対象のもののようで、今回のペアはご指摘の通り、
      カナダのイートン(1999年倒産)向けのチーニー製ということで間違いなさそうです。
      同じロゴのついたデッドのペアの記事も発見しました。
      ほか、もろもろ探ってみている途中ですが、どうやらイートンのアッパーライン「ROYAL SCEPTRE」
      なるペアの製造をチーニーが請け負っていたようです。
      ロゴの件もそうですが、そもそもチーニーのペアの年代判別の手掛かりを見つけませんと、
      なかなか謎解きは難しそうです。チャーチ買収~PRADA傘下入りまでのいつなのか?期間が長すぎて笑。
      OEMもの、オリジナルもの、ロイヤルツイードと、流通量も思った以上に多そうです。
      まあ、だから輸出分野での2度の受賞となったのでしょうが。。
      今回の件については、継続して気長に追いかけてみます。
      チーニー、ほんと、なかなに奥深そうです。手強そうです。

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