こんにちは、ばしです。
年始に買った今年の1足目となるペア。
ようやくメンテしました。
こいつ。
Punched Cap Toe Balmoral 1950’s
昨年秋、鴫野のビンテージショップ・Oddmentstoreにて。
同店谷口オーナー曰く、こいつは前々回の仕入れ=コロナ禍以前のアメリカ仕入れの際のペアとのこと。で、最後に店先に並べたのがこのアメリカンビンテージ。来店する人の多くに関心を持たれつつも、小さめサイズであるがゆえに皆諦めていったらしい。それがなぜだか、US8Dの私の足にすっぽりおさまったのでした。
最近ふと思うのですが、私の足サイズは本当に8Dなのか?ひょっとして7.5E??
まあ、いずれにしてもラッキーでした。で、アンノウンなゆえに安めの値段設定のこと。にしても、安すぎませんかね・・・。ともあれ、アンノウン、という言葉にはついつい惹かれてしまう私です。
12月になってもサイズ合う人が現れなかったら私が頂こう。で、12月下旬。どうせならということで年始まで取り置いて頂いて、2021年1足目のペアとあいなったのでした。
ウエルカム、アンノウン!
さて、君、一体どこの何者なのでしょう。
こんなディテールです。
ぽっこりと丸いトゥ。
ステッチは2+1連の3連。ピッチも結構細かい。
出し縫いは白いステッチ。
タン裏はフエルトでライナー前方は布です。
内側に印字。
コントラスト強めに補正してます。7 E 70・・・。値札通りサイズは7Eですね。もう1枚アップで。
E 70 ●30
TIO COMB
その下は読めません。なんてかいてあるんだろう。
ソックシートにも何ら手掛かりはなし。
ライナーは踵の内側で切り返しが。
これは手掛かりになるかな。
とりあえず、ディテールから推測しますに、オッドメントさんの見立て通り、1950’sあたりとの可能性が高そうです。
買い付けの際、現地では「U.S.ARMYもの」との説明だったらしい。確かに、ミリタリーっぽい面構えです。軍モノ+中敷きの形状などから、ハノーバー製の可能性などを考慮していたのですが、サービスシューズで内羽根って、そもそもあまり見たことありません。なくはないけど、年代が1980~90sといった、比較的新しいものの中に散見される程度のように思います。
実用性を考えれば外羽根です。マンソンラストも、その後に続くサービスシューズもそのほとんどが外羽根です。
こいつ、ハノーバー製云々の前に、ほんとに軍モノなのでしょうか?
アメリカ現地の売主の触れこみは一旦横に置いて、予断なく、こいつのことを調べてみたい。てなことで、購入後2ヶ月ちょっと、放置プレイとなったのでした。で、拙ブログで取り上げる、ということは、遂に・・・!?
いや、それが、、、残念ながら何者か、分からないままなのです。できれば正体を明らかにしたうえで、といきたかったのですが、無念です。ですが、これ以上履き下さずにいるのも嫌だし、記事にアップすれば何か手掛かりが得られるかもしれない。ということで、解禁です。
とりあえずメンテです。
今回は同時にステップ進めます。
ステインリムーバー
店先に並ぶ前に一通りのケアは施されてますが、儀式です。
内側に汚れが少々。除去できるかな。
Reno Mat
いつもならLEXOLなのですが、切らしてます。購入済なのですが、まだ届きませんで、替わりにこいつ。強力すぎますので、決して力をいれることなく、優しくなでるように。
うーん、ほんの少しましになったような、あんまり変わらんような。
グリセリン保湿
乾きやクラックがあるわけではありませんが、何分古いペアです。店頭にもそれなりの期間鎮座してました。履き口が裂けたりするのは避けたい。ということで、しっかりと保湿です。
濃度30%のグリセリン水をコットンパフに含ませます。まずは履き口から。スプレーを吹いたパフを乗せ、さらに外側からもスプレーです。
全面、両足ともに施しました。
こいつをビニール袋に入れて2時間放置。その後、パフを外して、丸一日自然乾燥です。
2時間後。
しっかり吸い込んでます。
爪先以外は。うーん、このトゥはガラスレザー?どういう仕立てなのでしょう? よくわからない・・・。シューツリー入れて、自然乾燥です。
翌日。
こんな感じに。
元の状態が悪くなかったので見た目の変化は大きくはありませんが、まあこれで足入れても大丈夫でしょう。
引き続き、メンテです。
LEXOL(コバ周り)
切らしてしまい注文中だったLEXOL。届きました。で、でかい。4本分の内容量で2本分のお値段。がしかし、扱いづらいです。切らした元のボトル、捨てずに置いとけばよかったな。
歯ブラシにとって、コバ周りだけしっかりと。
TAPIR LEDER OIL
油分補給&保革。
内側の汚れ。若干ましになったような気がししないでもないですが、どうでしょう。
コロニル1909シュプリームクリームデラックス
仕上げです。コロニルはライトブラウンも持っているのですが、白の出し縫い糸に茶がつきそう。ここは無難にムショクで仕上げます。指にとって、塗り込んで、ウエスで拭き取る。とりあえず右だけ入れてみました。
おお、なんかいい感じです。
爪先だけはガラスのようで、パーフォレーションの上と下でニュアンスが異なります。
右にもコロニル。爪先に少しだけミラーグロス。メンテ完了です。
紐を元通りに通して、ビフォーアフター。
【BEFORE】
【AFTER】
うん、良い感じです。ビンテージ感がプンプンします。
【BEFORE】
【AFTER】
内側の汚れもだいぶ目立たなくなりました。
爪先だけ質感が異なります。なんで素材が違うのでしょう。まあ、何か理由があるのでしょうが、さっぱり分かりません。
さて、一体こいつ、どこ製の何者なのでしょう?
内側の印字が読めませんので、ほかには文字情報による手掛かりはなし。
あ、いや、一つだけありました。
ヒールトップ。「CAT’S PAW by FOSTER」の文字が。
猫の図柄はありませんが、キャッツポーヒールがフォスターラバー社のものだということは調べたらぱらぱらと情報出てきました。ですが、残念ながらトップリフトのデザイン等による年代判別にまでは至らず。
で、当初の見立てに立ち返り、古いハノーバー製のペアを片端から当たってみるも手掛かりなし。というか、この丸っこいトゥのフォルムが、むしろハノーバー製で無いようにも思えて来ます。
古いサービスシューズを当たってみても、手掛かりはほぼゼロ。ていうか、内羽根の古いサービスシューズがほぼ見当たらない。
おお、とりあえず、一旦のところ、万事休す、か。
と思ったら、いやあ、ほぼ同様のペアを見つけたのでした。
1950’s【VINTAGE】 Punched Cap Toe Balmoral
古着屋ガレージセール さんのブログにアップされていたペアです。古靴初心者の頃、青山店長のブログには大変お世話になりました。同店は昨年移転されましたが、今も継続されておられます。
(参考「古着屋ガレージセール ブログ」)
写真は2年半前の記事のものなのですが、特に、踵内側、特徴的なライナーの切り返しが、ほぼ同じスタイルのペアと考えて間違いなさそうです。
ヒールトップが違うようですが、それ以外のディテールはほぼ同一です。いや、アッパーの質感は、私のペアの方が状態良さそう、かな笑。
ともあれ、
ビンゴ!です!
ビンゴ!なのですが!
1950’sということ以外、新たな情報は得られなかったのでした。
50年以上前の靴、なんていうと、「そんな古い靴、どうするんですか?」と、骨董品扱いのようなコメント、リアクションがほとんどです。
まあ、普通に考えたらそうですよね。ですが、今でも履ける高品質、それが、ビンテージシューズ。なので、やめられない笑。
さてさて、こいつ、一体どこの何者なのでしょう?
何か見落とした手掛かりはないか?
最近こんなのばっかし。
ああ、道のりは長そうです。
P.S.
インスタにアップしましたところ、昨夕、いつもお助け頂いてます我が古靴盟友のしんのすけさん(「オールドファッション Old Fashioned Men」のAuthor)から、「オールデンの可能性もありそう」との指摘が。いつもありがとうございます。確かに、私も古いオールデンでこんな感じのを見たことがあります。現在その線で調査中、なう。他にもお気づきなことがありましたら是非コメントお寄せください。
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ばしさん
お疲れ様です。なかなか難しいですねー。
オールデンは、古いものはなかなか時代とかわからないんですよね。
インソックにメーカー表記なし、ですと現実的には、Ironさんのペアの
ように、官給品の可能性が高いのかもしれません。
https://ameblo.jp/ironmetalium/entry-12596285396.html?frm=theme
いずれにしても、ガレージセールさんがわからないのは、かなり
わからない(^-^*)。たぶん千単位でブツみてますよね。
オールデンなら、その可能性を言ってる気がします。
でも、面白いペア落ちてますね! 今後も期待しています。
ではでは、失礼します。
しんのすけさん
お疲れ様です。いつもありがとうございます。
確かに、ガレージセールさんで分からないのはかなりわからなそうですね。
オールデンに官給品、って、私が不得手な領域だったりして、余計にわかりません。
焦らず、似たようなペアを探しつつ、何者か探り続けてみます笑