こんにちは、ばしです。
8月の2足目はリーガルでした。
(参考:リーガルの記事一覧)
リーガルはこれまでも沢山買いました。で、沢山転がしました。激しい売り買いの結果、いま手元にあるのはおおよそ10足くらいかな。
写真は1年半ほど前のモノです。
すでに何足か旅立ったし、このあとで新たに加わったモノもある。いずれにせよ、私が好んで履くリーガルは基本的にレザーソールです。かつ最近のものではなく旧いものが多い。
たとえば、イーストコーストコレクションとか。たとえば、布タグリーガルとか。「日本製靴」時代のものや「チヨダ製」「宮城興業製」のものなど、年代としては1980s-90s頃のペアが大半です。最近のモノはたぶん1足も持ってません。
理由は3つ。
ひとつめは、最近のリーガルは中古でも安くないから。まあ、特段高いわけでもないのでしょうが、旧い年代のリーガルと最近のリーガルとだと、旧いというだけでは中古相場は随分と安くなる印象です。旧ロゴで状態の良いレザーソールのインペリアルグレードなどはマイサイズであれば必ず購入を検討します。
ふたつめは、ひとつめと被りますがアッパーグレードの程度の良いのが安く買えるから。レザーソールのインペリアルグレードやイーストコーストコレクションが「本来のリーガルクオリティ」なのだと思うのですが、旧いユーズドだと手軽かつ気軽に楽しめる。
みっつめは、旧い時代のリーガルは品質が良いから。今のリーガルがそうでないということではなく、バブル期の頃のメイドインジャパンの品は名もないブランドのモノも含め総じて品質的に素晴らしいモノが多い。リーガルの場合レギュラーラインでもなかなか素敵なものに出くわすことも。材料などもきっと今とは異なるのでしょう。
今回拾ってきたリーガルは約5千円。
いつもの「二千円でお釣り」なやつが2.5足も買える価格で、私としてはお安くはない値段です。内容も、革底ではないしインペリアルグレードでもない。いつもならスルーです。なのに、今回は捨て置けずに、というか、嬉々として持ち帰ってきました。
その理由は・・・。
REGAL2526
レギュラーラインのリーガル。ロゴからは1990年以降、日本製靴からリーガルコーポレーションに社名が変更となって以降の品のようです。
今回のペア、特徴は大きく2つです。
ひとつは、ソールがビブラム社のウエッジソールであること。このソールのペアはすでに持っておりますが、分厚くて柔らかな履き心地はなかなかにサイコーです。
そうそう、こいつ。
メイソンのアッパーにウエッジソールが装着されたこいつは今は亡き日本の古着屋「go-gtter ゴーゲッター」によるリメイク品です。なんやかんやで今年で6年目となるこいつ、手放さない理由はこのソールの歩きやすさゆえ、であります。
もうひとつの理由、
それはこの深いシボのアッパー。リーガルに限らず、ここまで深いシボ革のペアはあまり持ってません。手持ちの中では、サイズが小さくて売り出し中のフローシャイムくらい深いシボです。
こちらがそのフローシャイム。
The Kenmoor 31131 という1960sのペアです。「Bookbinder Coventry Calf」というごつごつとした凹凸のあるグレインレザーゆえ「ゴジラ」とも評されるこのアッパー、今回のリーガルと雰囲気がかなり似てます。
で、そんな見た目のごつさとは裏腹に、分厚い割にはかなり柔らかでしなやかな革質なのです。リーガルさんのレギュラーラインってもう少し硬い印象なのですが、今回はアッパーもソールもかなりソフトです。
おお、これはかなり良い組み合わせなのではないか。いやあ、リーガルさんの靴は時々私のツボにがっつりと嵌ります。ということで、壺柄の中古の風呂敷と一緒に持ち替えてきたのでした。
お盆休み最終日、暑いんで家の中でメンテいたしました。状態は見ての通りグッドコンディションですのでさくっと弄ってみました。いつも通り、まずは左足から。
ステインリムーバー
ワックスの類はほとんどなし。
LEXOL
コバ周りをハブラシでしっかりと綺麗に。
デリケートクリームもどき
それなりに吸い込みます。
しっかりめに保湿しときましょう。
TAPIR レダーオイル
見た目の変化は僅かです。
さて、オイル入れた後はしばし浸透です。いつもならその間にソール周りの手入れを行うのですが、今回はウエッジソールで特段やることがない。代わりに右足も同じ手順でメンテしました。で、いよいよ左右ともに仕上げです。
コロニル1909(ダークブラウン)
焦げ茶はしっかりと色濃いのが好みです。
全体的にしっかりと塗り込みました。
ほんの少し色ツヤが増したような。
右足にも濃茶。
うん、良い感じではないでしょうか。
最後にもうひと手間。
サフィールミラーグロス
爪先を少しだけ光らせてみた。
というか、ハイシャインのスキルがないので少ししか光りませんが、光り過ぎないのが好みです(←負ケ惜シミ)。
紐は元のままのを使うことにしました。
シングルだったのをパラレルに通してメンテ完了です。
うん、まあこんなもんで。
いいのではないでしょうか。
お尻もなかなかにグラマラスです。
お尻のカタチがステキなやつは全体的に出来がいい、というのが私の持論です。今回もそうではないかな。
ところで、
いつ頃の年代のものでしょうかね。
カタログで調べてみよう。
旧いリーガルのカタログ。1989〜1990年の秋冬の総合カタログです。日本製靴からリーガルへと変わるまさにそのタイミングのこいつで確認してみましょう。
インデックスの左から2行目の一番下に「2526」を発見。
12ページへと飛びましょう。
おお、ありました。「TOWN CASUAL」とのカテゴリーの1足のようです。で、このソールはリソールされたのではなく最初からこの仕様のようです。
アッパーは「シュリンクレザー」。
調べてみましたところ、天然のシボや凹凸が入っている革が「フルグレインレザー」で、表皮の傷やシミを取り除くための加工を施し後に着色した革を「トップグレインレザー」と呼ぶそうな。
で、「トップグレインレザー」はシュリンク加工を行いことが多いそうで、それを総じて「シュリンクレザー」というらしい。耐久性に優れ見た目にも新品状態を長く楽しめるのだそう。
おお、なるほど、確かに、新品ではありませんがそんな旧い靴には見えないな。なかなかいいですね、シュリンクレザー。
ところで、カタログを眺めていて気付いたのですが、
2526の右の黒いローファー。
「2523タッセル」とあるこいつもシュリンクレザーでビブラムソールなんだそう。えーと、ですね、このペア、持ってます。
(過去記事「甦れタッセルローファー」より)
今年4月に500円で拾ってきたこいつ。ぼろいし、品番も擦れて読めないし、踵内側も派手に修理されてましたので、ソールもリソールされたものとばかり思っておりましたが、なんだ、こいつが「2523」のようです。ソールの状態に比べてアッパーのこのダメージ、逆になんでこんなになるのかと今更ながら不思議に思える。
ま、細かいことはさておき、
お仲間2足で記念撮影です。
さて、ここまでがお盆休み最終日の8月15日のことです。翌16日は仕事でして、早速に履き下してみました。
うん、いいですね。
シボの感じがとてもグッドです。サイズ表記は25.5センチ。なのですが、その割に少し大きめです。幅と長さはそれほどでもないのですが、甲の高さが結構高いです。お陰で羽根と羽根がくっつくくらいまで閉じます。羽根は閉じ気味が好みの私としては申し分ない。ただ、ほんの少し中で足が遊びます。薄手の中敷きを1枚いれることにしよう。
1990s頃のペア、でしょうか。
何はともあれ、
大変タイヘン気に入りました。
いい買い物しました。
グッジョブ、俺。
(おしまい)