蘇れタッセルローファー(中古のリーガルその34【前編】)

こんにちは、ばしです。

 

皆さんご承知の通り、ここ最近は安い靴ばかり漁っております。なんだか、古靴漁りを始めた初期の頃、十年近く前がこんな感じだったような。そういえばあの頃は「迷ったら二千円以下なら持ち帰る」なんていうマイルールもあったりもしました。結構、懐かしい、楽しい。

当時に比べますとリユースショップの数も飛躍的に増えて品揃えも各段に増えたかな。で、今も、2000円前後でも結構色んなペアが並んでます。まあ、モノは言いますと、最近の安いセメント製法なんかが大半で、本格的なグッドイヤー製法のモノはそれほど多くはない。

そんな中からマイサイズを探すとなると・・・、

まあね、こまめに通えばそれなりに出会いはあります。ただ、安いには訳がある。大体がぼろいです。実際にダメージがあるかといいますとそうではない。ユーズドとはいえ売り物ですからね、酷いダメージのモノは流石に滅多にありません。

そう、ダメージはないんだけれども手入れ不足で見た目にはかなりぼろいものが多い。で、そんなやつを綺麗にするのが楽しいんですよね。ビンテージ靴や最近のユーズドなど色んな靴を蒐集しておるわけですが、実は、一番の楽しみはメンテナンス。ぼろいのをメンテして本来の姿を取り戻させることが、実は一番の楽しみなのかもしれないな。

 

今回もそんなやつです。

 

 

 

REGAL タッセルローファー

このスタイル、「タッセルローファー」というべきか、「タッセルスリッポン」というべきか。いつも迷います。こいつはリーガルさんのよく見かけるローファーに後付けでタッセルをくっつけたみたいなスタイルなので「タッセルローファー」でよろしいかと。

で、見ての通り、大変ぼろいです。

お値段はワンコイン。安い。ぼろい。ですが、安いから、メンテし甲斐がありそうだから拾ってきた、というわけでもない。実はこのペア、かなりの修理痕が見受けられるんです。

 

腰裏。

擦り切れて穴が開いたとかでしょうね。
よくまあそこまで履きこんだね。

履き口。

巻かれてます。
靴ベラ使おうね。

ソール。

このペアはもともとはレザーか硬化ビニールのいつものリーガルさんのソールが装着されていたのだと思うのですが、

なんと、ビブラムのウエッジソールにリソールされています。で、そんなウエッジソールの減りは僅かです。

リソールされてからそんな履かれてはいないみたい。履き口、腰裏、リソールと、結構費用がかかってます。折角ここまで手を入れたのに、なんで手放したのでしょう。まあ、何か理由はあったのでしょう。

これだけ履けばもう十分、ということかも。

たしかに、その判断は正しい、うなずける状態ではある。なのですが、ごめんね、大変申し訳ないことに、君はそんなやつを綺麗にするのが趣味なやつに拾われてしまったわけです。幸いにもリーガルさんのローファーは25センチがマイサイズです。よし、ここはもうひと花咲かせてもらうことにしました。

 

2週にわたりメンテしました。

前週末からの作業工程が【前編】。
昨日の作業内容が【後編】です。

今回は前編。この記事がアップされる頃にはメンテ完了してるわけですが、そもそもこの前編記事を書きあげたのは一昨日金曜の夜です。後編の作業が上手く行くのかどうかは神のみぞ知る。まあ、アップしてるってことは多分問題ないんでしょうけどね。

てなことで、いつも通りまずは左足から。

 

 

LEXOL

ステインリムーバー、まだ買えてなくてレクソルから。

なんともかんとも。

 

RenoMat リムーバー

強力リムーバー投入。

ワックスの類はなし。

右も同じくツーステップ。

内側もあまりきれいではない。

ベージュのビニール(?)のソックシートの下、爪先から踵まで1枚ものと思われる革敷が硬化して中ほどで割れて剥がれてます。

剥がして手入れした方がよさそうです。

 

 

丸洗い

風呂場へ移動。ぬるま湯に浸けましょう。

ソールが軽いからひっくり返ります。
このまま1時間ほど放置しました。

うげっ。
まあ、大体いつもこうなる。

糊が緩んでます。剥がそう。

簡単にとれました。

石鹸で丸洗い。

いつもなら脱水機でぐるぐる回すのですが、手荒く扱ってタッセルがちぎれでもしたら一大事です。バスタオルでしっかりと拭きます。

ヒト用クリームで栄養補給。
全体が濡れてますので浸透しやすい。

左の踵内側だけ、腰裏のリペア痕の上からさらに何か装着されてます。サイズ調整か、あるいは、アキレス腱に履き口が当たって痛いんでその対処だとか、いずれかと思われます。

削り取る。

内側にタオルの両端をつっこみ、自転車のかごで陰干しです。

 



 

3日後の夜。

だいぶ乾きました。
追加施術です。

 

クリストフポーニーレザーセラム

こんなぼろいやつに勿体ないような気もしますが、高級オイル投入。

ベタベタと塗りたくる。

しっかりとオイルが浮いているように見えるのですが、

右足を塗り終えた頃には先に縫った左はもうしっかり浸透してます。

 

 

クリストポーニーレザークリーム

メンタムみたいな香りのやつ。ペーストっぽさもメンタムのようなのですが、こいつでたっぷり塗り込んでじっくり浸透させよう。

ギトギト。

これならそう簡単には乾かないでしょう。

 

24時間後、水曜日の夜。

すっかり浸透しました。
で、まずまず、しなやかになったかな。

 

さて、
どんな風に仕上げましょう。
どんな風に蘇るかな。

 

後編に続く

 

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2件のコメント

  1. こんにちは!
    こう言うカジュアル系に変身した靴、大好きです。
    とてもライトな感じで、ジーンズに合わせて履きたいですね!
    ワンコ(ワンワン)ならばこれ私も間違いなくお持ち帰りです。
    裏山C〜!!!

    1. としさん
      こんばんは。この手のソールを全く異なるモノに交換するのって、雰囲気も含めまさに別の靴に生まれ変わった感じなのがいいですよね。私もシャークソールにリソールしてみたいと思いつつ、それなりに費用がかかるんでそれならそんなユーズド買った方が早いやなんて思ってしまうのですが、悪い癖ですね(笑)。

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