蘇れタッセルローファー(中古のリーガルその34【後編】)

こんにちは、ばしです。

 

今回は「後編」です。

前回の「前編」最後の状態がこちらでした。

おんぼろいのを丸洗いして、乾かして、クリストフポーニーのレザーセラムとレザークリームを塗りこんで、丸一日経過した水曜夜の写真です。指でたっぷり塗りこんだ余分なクリームが縫い目のところどころに白く固まってます。

このあと3日ほど放置しまして、土曜の午後から引き続きメンテを行いました。

3日前とは見た目に変化はありません。

これまでのところ色は全く入れてはいないのですが、擦れ傷などはほとんど目立たなくなりました。渇きが癒されるだけでも見た目に変化は起こる。とはいえ、このままで良いわけはない。

色を入れよう。

 

 

コロニル1909(ブラック)

今回はコロニル1909シュプリームクリームデラックスの黒で。サフィールクレムの黒とどちらにしようかと迷ったのですが、今回は黒を入れた後はワックスで仕上げる予定なもんで、油性のクレムではなく栄養成分のより多いコロニルで。

ペネトレイトブラシで隅々までしっかりと。

タッセルは塗りづらいのでやめときましたが、そもそもアッパーほどぼろくもなっておらず、まあこのままで問題ないかと。

 

カラ拭き&ブラッシング

ボロ布で余分なクリームを除去しつつ磨いた後、しっかりしっかりとブラッシングしました。

爪先は鈍いツヤが出てきました。クリームを塗り込む過程であらためて全体の状態を確認できましたが、でかい傷やクラックは幸いにもありませんで一安心。

 

モウブレイトラディショナルワックス

こいつで仕上げてみました。理由はありませんが、柔らかめのワックスがなんとなく浸透しそうな気がして。そうさせる必要があるのかどうか分からないのですが、今回はなんとなくお肌に良さげなイメージ・見た目のやつらで。

普通のニュートラルのワックスのほうが光ったかも。まあ、ギラギラに光らせるのは好みではないし、そもそもそのスキルもなく。これでOK。

右足も同様の手順で仕上げてみました。

向かって右、左足の方が艶やかです。だいたいいつも先に手を入れた左足の仕上がりの方が美しくなります。別に手を抜いてるわけではないのですが、なんででしょうね。

ともあれ、左右ともに綺麗にはなった。

外は、ね。

内側はもともとこんな状態でした。
丸洗いしたとはいえお世辞にも綺麗とはいえない。なもんで、こちらにも手を入れることにしました。

元あったソックシートの下に1枚、フルソックの中敷きを追加することにしました。そうすることで、見た目にも綺麗になるだけでなく、25センチ表記なのに少し伸び気味ででかくなったサイズ感をマイサイズに調整しよう、との目論見です。

厚紙で型紙を作成したら、

革を切り出す。危うく左右同じ向きのを2枚つくっちゃうところでしたが間際で気づきました。セーフ。

切り出しました。今回はいつも中敷き自作する際の革より少し薄手なやつで。

大きさもまあ問題ないでしょう。

別にシボ革にしたかったわけではないのですが、実家にあったのがたまたまこいつだったんでこれでいきます。亡くなった親父が財布などの革製品の製造に携わっていた関係で、リタイヤする際に当時の革材料のごく一部を処分せず残しておりまして、そいつを拝借してます。

で、いつもの自作中敷きは靴に入れるだけですが、今回はしっかりと貼り合わせます。

ゴムのり、買いました。

実は、これは別の靴のリペアに使おうと準備していたやつなのですが、よりシンプルな「塗って貼るだけ」の今回でテストも兼ねて使ってみました。使い方ですが、この手のノリって接着する面の両方に塗布して、半乾きになってから貼り合わせると強く接着できる、と聞いたことがある。

歯ブラシにとって、まずは追加するフルソックの中敷きの裏面全面に塗りたくる。結構染み込みます。なもんで、二度塗りしました。

靴の中にも全体的にしっかりと塗布です。

位置がずれぬよう気を付けながら中に入れたらしっかりと指で押さえる。

よし、履いちゃえ。でもって、片足で全体重をかけてがっちりと接着します。

最後に、元からついていたREGALさんのロゴ入りソックシートを再装着いたします。これも、ソックシートの裏と、靴の中(今回は踵側半分だけ)にゴムのリを塗布して少し乾いたら貼り合わせる。注意して位置を決めたら指で強く押します。

あれれ。

形が、上のリーガルさんの方が少し細いな。フルソックの濃茶の形状、土踏まず付近の絞り込みが弱かったようですが、まあ、履けば見えないし、問題なしとしましょう。

そんな感じで両足ともに2枚の中敷きを貼りこんだら、最後に履いた状態で何度も足踏み、体重をしっかりかけて強く貼り合わせました。

 

完了!

ヴァンプは長め=「足の甲が見える範囲が狭い」方が見た目にも履き心地的にも好みなのですが、こいつはやや浅めです。まあ、ぎりセーフかな。

ただ、気を付けないと踵が抜けやすい。幅広もしくは踵の大きい人に履かれて伸びたように思われます。中敷きが1枚追加されたにも関わらず、丸洗いして若干縮んでるはずなのにそれでもまだ踵がやや緩いです。まあ、爪先側はタイトにしっかり固定されてますから脱げることはなさそうかな。薄手の靴下履いたらちょうどよいのかも。

 

早速試してみた。

薄手の靴下履いて履いてみました。昨日の月曜は午後から雨予報とのことでちょうどよい、ラバソールのこいつを早速履き下ろしてみました。ウエッジソールの履き心地は柔らかくて大変グッドです。で、肝心のサイズ感はといいますと、靴下履いても踵がまだ若干緩いです。薄手でない靴下にするか、あるいは追加施術を行うか、思案中。

スタイルとしましては、どちらかといえば休日カジュアル向けでしょうかね。間違ってもスーツには履けないな。紺ブレのジャケパンスタイルならなんとかぎりぎりセーフではないかと思うのですが、どうでしょう。ていうか、仕事ではこれ以外にどんな履き方をすればよいかイメージが湧きません。君、履き口は広い癖にコーディネートの幅は狭いな。なんて、愚痴のひとつも言ってみたりして。

 

最後に仕上がり状態を確認しときましょう。

 

【BEFORE】

【AFTER】

やはり丸洗いしたおかげで履き口は少しばかりですがタイトに縮んではいるようです。足らんけど。

 

【BEFORE】

【AFTER】

黒を入れましたので、見た目にはすっかり綺麗になりました。ていうか、どんなふうに扱えば「BEFORE」のような状態になるのかが分からない笑。

 

【BEFORE】

【AFTER】

なかなか素敵な尻です。ローファーでこのボリューム感は、アッパーの革が厚手なことと、履き口を巻いてリペアしている所為、でしょうかね。いずれにせよグッドです。

 

【BEFORE】

【AFTER】

サイドビューはそれほど大きな差異はありませんが、ウエッジソールの側面にもしっかりと黒のクリーム入れて磨きました。コバ周りがしっかりと整っていた方が全体が引き締まるかと。

内側はもうしょうがない。腰裏のリペア痕はそのままだし、内側面のシミもそのままではありますが、まあね、履いたら見えないし。

仮に脱ぐことがあっても、新しいフルソックの中敷きのお陰でずいぶんと小綺麗になりました。清潔感に乏しかったせいで買った当初は足を入れる気になれなかったのですが、これならもう安心です。

さて、こいつ、

今後も自分で履くか。はたまた転がすか。今年の方針に則るのであれば、数度履いたら「キャッチアンドリリース」といきたいところなのですが、これだけリペア痕のあるペアですので、流石に買い手はつかないかも。

リユースショップで引き取ってもらう、という手もありますね。なんせ買値はワンコインですから、仮に値段がつかなくとも損は550円だけ、お遊びの代金としては許容範囲ではありますし、数回履いて元をとった後なら痛くも痒くもない。

なのですが、今回かけた手間暇を考えるとせめてプラマイゼロが良いな。リユースショップだと少しくらいは値がつくのでしょう。500円くらいで引き取ってくれたら嬉しいけど、無理かな。そのうち試しに持ち込んでみよう。マーケティング調査です。

ただ、我が家だろうが他所だろうが、兎にも角にも、こいつにはもう少し働いてもらいましょう。折角綺麗にしましたしね。それなりに、履いても恥ずかしくない程度には蘇ったのではないかな。死んでたわけではないけれど。そんなこんなで、2週がかりの取り組みもこれにて無事終了です。大変楽しゅうございました。

 

ミッション☆コンプリート。

 

(おしまい)

 

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