ばしです。
前編からのつづき、後編です。ちなみに、後編は前編の約2倍の長さとなっておりますのでコーヒーなど片手にお付き合いください。
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【1】ショーンハイトとは
【2】オーダー会当日の様子
【3】オーダーの手順
前編はここまででした。
後編は以下の【4】【5】なります。
【4】今回のオーダー内容
【5】初めてのオーダーにあたって思ったこと
では早速私の今回のオーダー内容についてご紹介です。
【4】今回のオーダー内容
上記がオーダー会の1ヶ月前に取りまとめたイメージです。読みづらくてすみません、この後拡大図で個別にご説明いたします。参考となる写真はビン靴ブロガーさんがお持ちの様々なペアを参考に拝借させて頂いております。
で、今回どんな靴を作ろうかといいますと、大きなテーマは、
黒いシボ革の
ダイヤモンドキャップトゥ
多重ステッチバージョン
というものです。要は、
既製靴では入手しづらいスタイルをオーダーしよう
ということであります。この上で今回最優先したいメインテーマが2行目の「ダイヤモンドキャップトゥ」。英国製の高級靴でたまに見かける程度のトゥのスタイル。折角オーダーするならそれで行こう。ということで、まずは東立製靴さんのホームページから可能かどうか問い合わせてみました。
もしそれが出来ないなら一から考え直さねばなるまい。と思いながら待つこと1週間ほど。「出来ますよ」との返事が。よし、肉付けしよう、とのことで検討・取りまとめたのが上の資料、というわけです。ちなみに、問い合わせフォームからは文字しか送れないので、返信もらったあとでにこの資料を「こんなこと検討中です」と伊藤社長あてで送付。ざっと見て頂いた上で当日に臨みました。
具体的には、まずは①と②。左の①から。
①基本形状は内羽根のダイヤモンドキャップトゥ
としてます。このトゥのスタイルは、ダイヤモンドの角度が大きく緩やかなものから尖ったものまで様々あるようです。今回は「ダイヤモンドキャップ」であることを主張しつつも尖り過ぎない角度が良いな。
ということで、MTO(Made-To-Order)のペアを2点、「NATORIYAさんのジョーワークス」と「もでぃふぁいどさんのガジアーノガーリング」のトゥキャップの角度をターゲットとしつつ、今回チョイスする「ブリティッシュラスト」に似合う角度に調整をお任せすることとしました。
前後しますが、ショーンハイトで準備されている木型は大きく3種類あります。
左から、アメリカントラディショナル、ブリティッシュトラディショナル、ロングノーズ、の3種。見た目に相当異なるシルエットです。今回はドレス寄りのスタイルで多く見かけるダイヤモンドキャップということでアメリカン~は除外。で、そもそもロングノーズなスタイルは好みでないということで、真ん中のブリティッシュトラッドにすることとしました。
ちなみに、真ん中の黒と茶のコンビのこのペアは昨年zazaさんがオーダーされたものです。オーダー会のこの日はこのペアを履いてこられてましたが、濃いめのツートンの内羽根はかなり格好良いです。
次に右の②について。
②アッパーの素材は「黒のシボ革」もしくは
「黒のシボと黒のスムーズレザー」のコンビ
とすることにしました。どちらにするかは前日まで悩んだのですが、参考としたペアが2つ。上は先輩ビン靴ブロガーの「TOMOJIN」さんがショーンハイトでオーダーされたシボ革の多重ステッチ。ブログ記事を拝見した当時からカッコいいなと気になっていた奴です。
当初は同様にオール・シボ革を考えていたのですが、全てシボ革だとダイヤモンドキャップのドレス感が目立たないのではないか、とも思う。で、思い出したのが私の持ってるジャパンビンテージ「塩野」。こいつは全体が茶色なのですがトゥと踵がスムーズレザーで他がシボ革とのコンビネーションです。
ダイヤモンドキャップは鈍く光らせたほうが良いかもであるならばここだけスムーズというのありだな。ただ、トゥだけが目立ち過ぎるようならダイヤモンドの角度を調整した方がよいだろうか。そんなことを前日まで悩んでおりました。
さて、引き続きまして③と④。
まずは左半分、③から。
③ステッチは四連(もしくは五連)で幅を広め
としたい。要は、今回は多重ステッチをチャームポイントとし、パーフォレーションは施さないつもりでおります。なので、通常パーフォレーションがある場合程度に幅広でもいいかも。特に、ダイヤモンドキャップトゥの場合切り返し部分にパーフォレーションがあるものがほとんどです。今回はない。代わりに多重ステッチ。とのこと。
なので、私が所有するアポロ(旧ディンケラッカー)のような幅広、もしくは、「シフクノのまるすけさんがお持ちの旧いフローシャイム」のような2連✕間隔開けての3重、なんてのもかっこいいかも。なんて風に考えておりました。まあ、幅の広さはじっくり考えよう。同じ幅でもダイヤモンドキャップがシボなのかスムーズなのかによっても印象は異なる。馴染む方が良い。要検討。
次いで、④その他ですが、
④その他(A)踵周りは外月型
がよいのでは。TOMOJINさんのペアの真似になっちゃいますが、学ぶとは真似ぶということなのです。最後に、
④その他(B)羽根のステッチ
これについては、ステッチのラインをたまに見かけるビン靴みたいに少し個性的にした上で多重にするというのはどうだろうか。とも考えました。
まあね、実績のあることはオーダー可能なわけですが、そうでないものはそもそも出来るかどうかわからない。仮にできたとしても、頭の中でイメージするものと実際にそれを形にした時のギャップは当然発生しうる。この点を踏まえどこまでチャレンジするか。何にチャレンジして何を無難にまとめるか。
悩んだ結果、オーダー会前日に決定した内容がこちら。
tomojinさんのショーンハイトが下敷きです。
ただし、写真のペアの木型はおそらくアメリカントラディショナル、に対して今回の私のオーダーはやや細身のブリティッシュトラディショナルです。加えて、私の足はやや細身ですので、それだけで見た目のシルエットと印象は写真とは大きく変わるはず。
かつ、トゥと踵はスムーズレザーで、トゥはダイヤモンドキャップですのてま、仕上がりはおそらく別物かな。四連ステッチの幅については無理に幅広に広げることはやめました。羽根のステッチはtomojinさんのまんま2連でアウトソールも同様に革底でやや厚手。このあたりはtomojinさんのペアのまんまです。
ということで、
ご注文承り票(私の控え)です。
オプションは上記の3点11,500円。ベースの30,000円と合わせ税別41,500円。税込みで4~5万円、との予算を想定しておりましたが、そのど真ん中に収まりました。ダイヤモンドキャップはオプション費用なし。これは予想外で嬉しいな。さて、後は待つのみです。待つのも楽しみです。
ということで、最後に。
【5】初めてのオーダーにあたって思ったこと
今回はあくまでもパターンオーダーです。きめ細かなデザインをフリーハンドで依頼できるようなものではありません。ということを踏まえれば、大事なことは「欲張らないこと」ではないかな。今回初めてのオーダー内容を検討決定するにあたっては、
「実現したいこと」「外せないこと」と
「希望すること」「なくてもいいこと」
の優先順位をつけた上で無理しないことを心掛けました。なので、おかしな組み合わせにはならない予定なのですが、こればかりは仕上がってみないことにはなんともかんとも。
ドレス感と押し出し感の強い「ダイヤモンドキャップ」で「シボとスムーズのツートン」との仕様が「外せないこと」だったわけですが、これはジャケパンにネクタイスタイルが多い私の足元向きではないかとの考えです。
なのですが、このキモともいえるオーダー内容も実物を見れば「思ってたのと違う」「大外れ」、なんてこともあり得ます。とはいえ、無難に過ぎるのであればオーダーする意味も半減です。適度にチャレンジ。かつ、欲張らない。このバランスが大切ではなかろうか。
これらを踏まえ、オプションなし税別3万円、オプションあり税込4万円は高いのか安いのか。まあ、それは人それぞれかと思うのですが、どんな人がオーダーに向いているか、だとか、折角オーダーするならやったらいいのではと思うこと、について、現時点での考え・私見をランダムですが書き留めておきます。
◎左右で足サイズが異なる人はオーダー向き
まずはこれが一番の値打ちではなかろうか。幸いにも私は左右のサイズ差がほとんどありません。
ZOZOMATで計測した私の足サイズ。6年前のモノですが大きく変化はないでしょう。で、ご覧の通り、足長・足囲・足幅ともに左右の差異は1~3ミリと僅かです。ですが、左右でサイズ感が違う方も少なからずおられる様子。
長さが5ミリ以上違えば1サイズ異なる。で、そんな場合は既製靴ですと大きい方の足に合わせて小さい方は中敷き等で調整するのが一般的なようですが、これって結構足に負担がかかりそうです。中敷きの厚さは数ミリ程度ですが、左右で高さが異なれば足の付け根に負担もかかる。その点、オーダーであれば
「右足は25.5EEで左足は26.0EE」
「右足は26.0Eで左足は26.0EEE」
てな具合に左右で異なるサイズで作れる。また、同じサイズ&ウイズでも木型によって合う・合わないがあると思いますので、サンプルで試着の上どれが自分に合うかじっくり確認ができます。フルオーダーでは当然のことなのでしょうが値段が高い。その点、オプションなしなら3万円+TAXでオーダーが可能です。本格靴は今では既製品でも3万円以上はざらですので、凝ったものなしにシンプルにパターンオーダーで左右ともにジャストサイズ、というのは賢い選択でもあるかなと。
ちなみに、
今回の私は左右ともに「25.5の1E」としました。「普段US8D履きます」とお伝えしたら25.5センチの1Eのサンプルを履かされましてこれがドンピシャ。伊藤社長はシューフィッターの資格もお持ちみたいで、サイズの悩みはそんな方に相談するのが一番かと思った次第です。
ついで、
◎折角なんでコンビ靴
パターンオーダーとはいえオーダーです。選択肢がそれなりにありますので、どうせであれば既製靴であまり売ってないものをオーダーするのも楽しいかと。その上で、個人的におススメしたいの「同色異素材のコンビ」です。
白と黒や白と茶などコントラストの効いたコンビ靴は服装やTPOを選ぶので出番も少なくなりがちです。その点、同色であれば派手さも控えめで登板機会も多い。
「スムーズレザーとシボ」
「スムーズレザーとスエード」
など、素材を変えつつも色がワントーンであれば、仕事で履いても問題ないこともあるでしょう。写真はMAXVERRE。オーストリッチとスムーズのコンビ靴なのですが、どちらも赤茶と同色ゆえ、遠目には間近で見るほど派手な靴とは分かりません。なもんで、私は仕事でギリ履ける感じです。
オフィスでのカジュアル化著しい昨今、ノータイ・ジャケパンにスニーカーライクな足元がオーケーなくらいですので、ワントーンなら、それも黒や濃いめの茶色ならネクタイ締めての足元でも問題なく納まるのではないか。まあ、これはまずは私が今回オーダーしましたので、出来上がった現物を見て実際どうなのか判断材料にしていただければと思います。
◎欲しいけれど売ってないスタイルのコピー
これもオーダーゆえ可能なことと思います。今回過去にオーダーのあった靴の写真を拝見したのですが、「フローシャイムのU-WING」まんまのモノがありました。具体的にはこんなやつ。
画像拝借いたします。
写真はヨーロピアンブレンドさん所有のFlorsheim U-wing Tip (20318) です。ダブル✕ダブルのステッチで白の出し縫い糸のUウイング。ほぼこのまんまのショーンハイトの写真を拝見したのですが、ビン靴好きな方が「これと同じものを」と写真を持ち込んでオーダーされたのだそうです。なんでもかんでも100%コピーできるわけではないでしょうが、オーソドックスなスタイルにひと工夫程度であれば様々に対応いただけるのみたいです。
ずっと探しているけどなかなかマイサイズに出会えないあのビンテージ靴。そんなのがあるのならオーダーで、というのは堅い選択であろうとも思う。貴重なビン靴は気を遣いながら履くことになるけれど、オーダーで作った現代の靴なら気にせずガンガン履けます。
ちなみに、私はその写真を見て、「真っ黒でスムーズとスエードのU-WING」なんてのをいつかオーダーしてみたいと思った次第です。以前持ってたフローシャイムのU-WINGはでかすぎて転がしましたので特に気持ちが動く。全部スムーズも欲しいのですが、様々にバリエーションを作ってみたいとも思ったりもします。何足作るねんという話なわけですが。
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長文お付き合い頂きありがとうございます。
アウトソールの色目をどうしたとか、ウエルトをどうしたとか、細かなオーダー内容もあるわけですが、あげつらったらきりがないのでそれらはモノが上がってきた時点で改めてご紹介いたします。
今回、私は新品の革靴を購入するのが十数年ぶりで、かつオーダーというのも初めて経験でしたので、当日まで相当にワクワクしました。で、出来上がるまでの期間も相当に楽しみです。ただ、本記事で書きました通り、頭の中のイメージと現物とはギャップもあるでしょうから、期待しつつとし過ぎずに出来上がりを待つことといたします。続きはまた2ヶ月後に。
今回はこれにて。
(おしまい)










