スコッチグレインのダブルモンク(転がす専用その7)

こんにちは、ばしです。

 

4月です。

新年度。桜。新入生。新入社員。フレッシュな季節・ハズカム。今年は4月1日が土曜日なので、入社式は4月3日が多いようです。明日はそこかしこに着なれないスーツ姿の若者を多数見かけることになりそうです。

その昔は「フレッシュマンの足元は黒いプレーントゥ」てのが定番でしたが、今はどうなんでしょう。最近はカジュアルOKな会社も少なくないようですし、企業のドレスコードもカジュアル化の一途です。加えて、ここ数年はコロナ禍のせいで自宅でリモートワーク、なんてこともありました。

とはいえ、やはり、ここぞというときにはスーツにネクタイでビシッと決めて欲しいな。そんな時の足元は当然ドレスシューズです。新入社員とはいえ、最低2足、できれば3足くらいあった方がベターかと思います。

そもそも革靴は、1日履いたら1日は休ますべきものです。黒のPTBを1足。オンオフどちらでも履ける茶を1足。加えて、雨の日なんかもありますので、オールウエザーで気兼ねなく履けるやつを1足。これで計3足です。

で、どうせならできる男を演出してくれるカッコいいのがいいな。できれば安物ばかりでなくちょっと上質なのもあった方が良い。とはいえ、上質な革靴は今の時代なかなかに高価です。初任給もまだなうちにそんなのをいきなり3足なんて厳しそうです。

よし、ならば私がちょっといい感じのを若者にお安く提供しよう、中古だけど。てなことで、若い人にもこんなかっけーやつ履いて欲しいな、と思える1足を拾ってきて、綺麗にメンテして転がした次第です。

こいつ。

 

 

スコッチグレインのダブルモンク

おお、かっけーです。

新入社員の足元には少しカッコよすぎるかな。シックなダブルモンクはそんな風にも思えたりするのですが、どうなんでしょうね。もしもそうであるならば、

新品でなくこの程度に履きこまれてたら嫌味もなくてよいのではないかな。
複数足買う中の1足は「あえてユーズド」という選択もありではないかな。

ソックシートのロゴは随分と擦れてしまってますが、「HIROKAWA SHOES CO.,LTD」、そう、スコッチグレインのペアです。

サイズ表記は26ですが、リーガルさんと同じように表記サイズより大きめです。足を入れてみましたところ、US8.5Eくらいのサイズ感で私には大きい。

で、この「T0297」というモデルは百貨店向けのモデルだそうです。スコッチグレインはあまり詳しくはないのですが、定価が3~4万円くらいのようで、造りも結構しっかりしています。

アッパーには履き皺あり。全体的に使用感はあるとはいえ、目立つ傷やダメージ等はありません。

元はレザーソール。それにハーフラバーが貼られ、爪先にスチールも施されてます。トップリフトもおそらく交換済で、なおかつ減りも僅かです。きちんとケアされて履かれていたペアと思われます。

革靴は履き捨てではなく、こんな風にリペアしながら大切に長く履くものである。ということのお手本にもなりそうですし、総じて今どきの若い人向けといえるでしょう。

近所のリユースショップで安いのがさらに50%オフになってたんで救出してきました。転がすべく、さっそくにメンテです。

いつも通りまずは左足から。

 

 

ステインリムーバー

ワックス等の類はそれほどでもなかったのですが、

ぴかぴかに磨かれていたであろうキャップトゥがどうなるかが気になります。

 

LEXOL

コバ回りを歯ブラシでしっかりと搔き出す。

・・・。

 

デリケートクリームもどき

まあ、いつも通り。

爪先がなんか、ね。

 

TAPIR レダーオイル

油分補給&保革。

黒さは増しました。

 

さて、オイル入れましたので気持ちばかり時間をおいて浸透させましょう。その間にソールメンテ。

といってもそれほどやることないのですが、、。
とりあえずトップリフトの溝の隙間に詰まっていた小石を除去して、レザー部分をサクッと磨いておきました。

さて、アッパーに戻りまして、

 

コロニル1909(ニュートラル)

いつものクリームで仕上げました。

うーむ・・・。

爪先がダメですな。

元々ハイシャインしてあったんですかね。
ワックスが取り切れていない?
そもそも私、ハイシャインどころかワックスすらあまり使わない性質なんで、このあたりのことは経験不足でよくわかりません。

でも、斑な感じが「ワックスが斑に残っている」のであるとするならば、「追いワックス」すれば綺麗になるんじゃね?

やってみましょう。

 

サフィール ビーズワックス

3度ほど塗り重ねてみました。

おっ。

鏡面性は低いですが、斑な感じは是正されたような。
まあまあいいんではないかな。
右にも同じ手順を施してメンテ完了です。

 

どーん。

どうでしょう。
まずまず見れるようになったかな。

 

【BEFORE】

【AFTER】

安物ではないだけあって、アッパーはなかなかに上質です。皺はあるものの、適度に分厚くて肌理の細かさもまずまずかと。

 

【BEFORE】

【AFTER】

うん、いいですね、引き締まりました。

リユースショップの雑多な靴コーナーに並んでるやつらって、手入れが必要な状態なのに手入れされずに持ち込まれ、空調の利いた乾燥した店内で過ごした結果かなり薄汚れた風に見えるんだけど、そう見えるだけで実はメンテすれば相当程度に蘇る、ってやつが結構ありますよね。

今回もそんなやつかな、と。

爪先もまずまずいい感じではないかと。

おお、右の方が上手く磨けてます。

ありゃ、クラック発見。
まあ、使用には問題ないでしょう。
そもそもお安く転がすやつです。
あばたもえくぼです。

ガンガン履いても結構もちそうです。
履いたらシューツリー入れて1日は休ませて、定期的にメンテして。
そんな風に使用すれば2年以上は軽くもつんじゃないかな。

そんなのが5千円で、それでいてこのカッコよさ。

結構お買い得ではないかと思うんですがどうですかね。安く浮いた分で是非ともシューツリー買ってくださいね。なんて思ってるうちに、予想通り予定通り、我が家での滞在期間1週間ほどで旅立っていきました。

ちょうど息子が大学の卒業式だったもんで、転がす前に彼の足元にとも思ってメンテしたのですが、ストラップの調整が面倒だったようで、結局は彼がスーツを着る際の足元の定番・RED WINGのPTBで出かけて行ったようです。

もうすぐ大学院の入学式なのですが、そちらで履くつもり、とかはないよね。もしそうなら、申し訳ない、すでに転がしてしまったさ、すまんね。

まあ、ダブルモンクではないけれど、我が家には彼が履ける本格靴は捨てるほどありますので、今回のスコッチグレインは他所の若者の足元で活躍してもらうことにしたのでした。

ま、

買われた方が若者かどうかは定かではないんですけどね。

 

(おしまい)

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です