シータートルころころ

こんにちは、ばしです。

 

今年もあと1ヵ月ちょっと。

残りわずかですね。月が変われば12月。冬のボーナスシーズンです。世の中的には12月10日前後が支給日のケースが多いようです。で、毎月の給料日は25日な会社が多い。給料日前後は私のメルカリの出品物が売れやすいタイミングであります。なおかつ、もうすぐボーナス。そうつまり今から2~3週間ほどは「売り時」と言えます。そんなときは早速出品です。週末に作業いたしました。

 

まずは、のびのびになってたこいつら。

ネクタイです。
ここ1年でばかみたく増えたネクタイ。上段の①~④が私の出品物。

6本まとめ売り。ほかの出品物などを参考に「3500円」に設定したのですが、高かったのかな。まだ売れてません。笑。

だからというわけではないですが、靴も一足出品してみたところ、こちらはソッコーで買い手が付きました。先週拾ってきたペア。土曜日にメンテして土曜日に売りに出したらその日の夜に売れてソッコー旅立っていきました。

こいつ。

 

 

亀革(シータートル)ジャパンビンテージ

青い海、ではなく、

青い風呂敷に漂うエキゾチックなこいつ。亀革です。そう、亀。「ウミガメ = SeaTurtle」の革です。

亀革はワニ革としばしば混同されるようです。両者の最大の違いは、模様の大きさ。写真の爪先のように、とても大きな斑と小さな斑が混在しているのが亀革。ワニ(クロコ、アリゲーター)も大きさに差異はあるものの、これほどではないらしい。

ゴージャスな模様のロゴ。

アルファベットもあしらわれているようですが、擦れて判読できません、で、このロゴ以外は文字の類は一切ありません。こいつ、旧い日本製の誂え靴ではないか。

日本では古くから亀革は「縁起物」として人気だったようです。ウミガメには2種類あって、「アオウミガメ」は長寿や子宝の象徴。「アカウミガメ」は「浦島太郎」を背中に乗せたあいつです。主にメキシコから輸入されていたようですが、ワシントン条約で輸入が禁止され、その後1993年には日本国内においても種の保存の観点より捕獲や加工が禁止されたとのこと。

現在流通しているものは、1993年以前に製造されたモノか、あるいは、当時のデッドストックの革を使用して製造されたモノ、しかないらしい。

こいつが青か赤か知りませんが、あんな硬い甲羅が靴になるんだ。というわけではないようです。亀は亀でも、亀革は甲羅ではなく「前足」や「後ろ足」を鞣して作られるのだそうです。甲羅と違って手足はそれなりに柔らかなんでしょうね。

こいつが前か後ろかしりませんが、「足が靴になる」だなんて、洒落が効いてます。何やら神様な壮大な意思を感じる私です。ただまあ、手も足もないヘビも革だと靴になる時代ですので、この辺はまあ、なんというか。ともあれ、

この手のエキゾチックなヤツってのは、少々大袈裟ですが、使えるものは何でも使うという、人類が根源的に持っている「MOTTAINAI精神」のように思えてならないな。

 

さて、もう少しだけディテールをご紹介。

内側に縫い目が。マッケイ製法です。ライナーは前半分がファブリックで他がレザー。

履き口にも切れ等はなし。

ヒドゥン仕上げのレザーソール。中央にラバー、爪先にレザーが足されています。ただ、

ダメージがあったようには見えない。恐らくこいつ、リペアではなく、事前に摩耗を防止する目的で貼られたように思われます。

なので、観ての通り、何も貼られていない土踏まずあたりの箇所は艶めいています。見た目に硬そうに思えるアッパーも柔らかでしなやかさを維持しています。こいつ、手入れされながら相当大切にされていたようです。

 

手入れの必要はないのかもしれない。

けれども、儀式です。
さくっと弄りましょう。
いつも通りまずは左足から。

 

LEXOL

軽く汚れ落とし。

ワックスもなし、そもそも汚れもなし。

 

 

コロニル1909(無色)

見た目は変わらんけど、栄養補給。

艶やかです。

一応右足も。

美しいです。

 

【BEFORE】

【AFTER】

変化はあまりなし。

亀革やワニ革はこの模様の縁取り部分に割れなどのクラックが入ることが多いのですが、こいつにはそのようなダメージもほとんど見受けられない。

爪先には大きな斑の箇所を、屈曲する箇所には小さい斑の箇所を使用することで使用によるダメージを防いでいるのだと思われますが、そもそも大切に履かれ、適切に保管もなされていた個体であると思われます。そのように大切に、愛情を注がれたやつは人でもモノでも美しく育つ、のであろう。

 

そんなやつ、もう1足持ってます。

亀、1号&2号、参上!

ウイングチップは「HECHO EN MEXICO」、メキシコ製です。詳しいことは分からないのですが、「G.B.H」というメキシコのシューメイカーのもののようです(過去記事「5年目はエキゾチック」)。

同じ茶のペアですが色味は少し違う。斑の模様も、これは一匹ずつ同じものはありませんから当然異なる。

なんだけれども、特に斑が細かい部分同士を見比べてみますと、なるほど、どちらも確かに亀ですな。

ロングローズなスタイルのこいつ。

古い日本の靴にしては今の時代でも古臭くないスタイルでグッドです。ただ、残念ながら、そのロングノーズなせいもあり、私には小さくて履けない。おそらく25センチ相当サイズと思われます。この小さめのサイズ感も、「旧い日本製の誂え靴あるある」ですね。

年がら年中履くペアではなく、特別な日に履く靴、それが亀革のペアではなかろうか。折しも、もうすぐクリスマス、その後、すぐにお正月がやってきます。活躍の機会はすぐやってくる。

そんな思いから、他のメンテナンス待ちのペアを差し置いてメンテ&出品した次第です。歩みのノロい亀ゆえ、なかなか買い手がつかないかも。なんて思っておりましたが杞憂でした。

恐らく、遺品整理か生前整理でセカストに持ち込まれたこいつ。元の持ち主がご存命なのかどうかわかりませんが、いずれにしても、早々に次の持ち主が決まり、お爺さんもきっと喜んでいることでしょう。

 

めでたし、めでたし。

 

(おしまい)

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