友に古靴をおくる(その4)

こんにちは、ばしです。

 

12月も半ばを過ぎ、何かと気忙しい。

具体的には、先月の振り返りもしなければならないし、今年1年間の振り返りや総括にもそろそろ着手しなければならない時期となりました。やらねばならぬことは判っているのですが、これがなかなかに気が進まない。

理由は単純明快。日々、部屋の片隅に未メンテな靴が積みあがっていく中で、さらに国内外から様々に古靴が届く。そんな様子を見ておりますと、そりゃあ「先月の振り返り」だなんてね、わざわざ振り返らなくとも安易に想像がつくような現実を今さら突きつけられたくはない。

理由は他にもある。

毎年「どの靴を何回履いたか」を数えて年間のランキング形式に取りまとめておりますが、手持ちの靴の数が増えるにつれて各々の靴の登板回数は年々減る一方です。常々「靴は履いてなんぼ」だなんて偉そうなこと言ってるけれど、翻って僕自身はどうなんだ。今のままでは声を大にして言えなくなりそうです。これもまた僕の中のやる気を阻害する大きな要因なのであります。とはいえ、

過去と他人は変えられない。

そう言ったのは確かエリック・バーンだったか。そう、振り返りの作業を先送りしたからといってそれら過去の状況が変化するわけではないわけですが、けどまあ、改善への取り組みは年末ぎりぎりまでできる。いつでもできる振り返りより先に、とりあえず目先の未来を変えるために「今できること」に取り組もう。てなことで、

 

友人に古靴を押し付けることにしてみたわ。

今回のターゲットは早朝テニスで毎週のように顔を合わせている「ふっかん」なる人物。拙ブログにしばしば登場する彼とは中学校時代からなのでかれこれ四十年以上のつきあいとなるあいつであります。

平日はニットにジャケット姿とやや砕けた服装の司法書士で、週末は仲間や取引先とゴルフに明け暮れる彼の足のサイズは幸か不幸か私とほぼ同じ。曰く、「靴減らしに協力してやろう」「オンオフどちらでも履ける靴が良いな」とのこと。お任せ有れ。ばっちしなやつ見繕ってやる。

悩んだ結果、この2足にしてみた。

 

 

FILOGRANA フィログラーナ

ニックネームは「なんちゃってシャンガイ」。チャーチの「SHANGHAI」が欲しいな、と思っていた矢先に似たような感じなやつに遭遇。

1年ほど前にゲットしたイタ靴です。高級なメイカーではないようですが、厚めのアウトソールにブレイクラピッド製法で柔らかくもしっかりとした履き心地です。

ジャケパンスタイルからデニムパンツまで、幅広く活躍できる一足ではなかろうか。とりあえずいっぺん履いてみな。

もう1足はこいつ。

 

 

Salvatore Ferragamo TRAMEZZA

フェラガモの最上級ライン、それがトラメッザ。黒い布タグが目印です。

ハイブランドの革靴の値上がりがすさまじい昨今、トラメッザも同様のようで新品価格は15~20万円くらいにまで値上がりしているらしい。中古でも3~5万円ほどが相場のようです。そんな高級なこいつなら、取引にゴルフ場にと、どんな場面でも恥ずかしくないでしょう。

転がせば儲かるのでしょうが、薄汚い中古の靴をもらっても誰も嬉しくはないでしょう。それに何より、ふっかんにはこれまでもほんとに色々と世話になってるし、これからもあれやこれやと世話になるつもりです。なもんで、まあね、いうなれば「前金」「投資」「賄賂」みたいなもんです。

ぐふふ。

 

以上、今回はイタ靴2足にしてみた。
達者でなぁ。

 

 

☆★☆

 

 

アメリカを中心にカナダ・イギリスなどのビン靴を蒐集している私にとりまして、イタ靴はなんといいますか、「浮気相手」みたいな感じです。たまにその情熱にほだされて手を出してみたくなるのですが、ラテンの血は私には少しばかり熱すぎて笑。

実際、出番もそう多くはない。フィログラーナはこの1年で2回ほど履いたかな。トラメッザなんてこの2年で2回程度ではないかな。やはり仕事では履きやすい黒か濃茶の紐靴に手が伸びがちです。折しも、

「来年は少しばかり靴の数を減らそう」

そのように考え始めたタイミングでもありました。減らすなら、最近のイタ靴からかな、なんて風に思う。そう、そもそもイタ靴は比較的年代の新しい靴ばかりで「ビンテージ」と言えるようなものは少ない。グッドイヤーウエルト製法とは異なり、マッケイは何度も底を貼り替えて履くような構造でないことが旧いモノが残っていない理由かと思われます。

まあ、今回の2足はマッケイ製法ではないわけですが、明らかにビンテージではないわけで、来年はそんな奴から優先的に減らしていくつもりな私です。まあ、あくまでも予定なわけですが。なんて言いながら、今週もすでに2足ニューカマーが届いたりしている次第です。で、靴のほかにこんなやつも届いた。

 

お披露目です。

 

 

【その1】Allen EdmondsのAD

雑誌の切り抜きですが、私の愛するアレンの広告であります。下段のペアは7アイレットですね。Boulevardでしょうか。2足ともにちゃんとシューツリーがセットされたイラストなのが流石です。こいつ、雑誌の広告ですので、ページ右上はページ数、左上に発行年月等が記載されてるっぽいです。

アップにしてみよう。

あ、す、すみません、引いてしまいました💦。実は、昨日か一昨日あたりに届くと思ってたのですが到着が遅れてるみたいで。年末なんでしょうがないですね。記事はもう準備してしまっておりまして、この場はメルカリさんのスクショでご勘弁。届いたらインスタにアップいたしますね。

 

 

【その2】新品のシューツリー

箱入りのシューツリーをamazonで購入。トラメッザをシューツリー付きで旅立たせたので、替わりに新品のツリーを1ペア購入してみたのでした。折角の高級靴もツリーがないとすぐに見すぼらしくなるってもんです。先ほどのアレンの広告の通り、本格靴にシューツリーはマストなのです。

 

余談(その①)ですが、

翻って、日本のシューメイカーの広告はどうなんだろうと気になって画像検索してみましたが、サラッと拝見した限りでは日本が誇るREGAL社の広告ではシューツリーなしのものが大半のようです。悲しい限りです。なんだけれど、ブラウンシューカンパニー時代の米国内での旧い広告ではシューツリーが当たり前のように装着されているようです(しんのすけさんのブログ記事「戦後のアメリカREGAL社広告の語るもの」参照)。技術だけでなく文化も引き継がれていたらなおベターだったのにね。

 

閑話休題。

ここのシューツリーは結構お気に入りで以前からちょこちょこと何個も買ってたのですが、このところ在庫切れ状態になっていた。それが、つい先日、形状と表面加工がリニューアルして再販されていることを発見。

踵がかなり背が高くなった。奥の右足が7,8年前に購入した旧モデルです。トラメッザと一緒に旅立たせたのも同じ旧型なのですが、なるほど、明らかに違いますね。

履き口から顔を出すほどに高い。

以前のは無垢でしたが今回のは薄っすらとニスが塗られている。シューツリーについては随分以前に「木の表面は必要以上に革の水分を吸い過ぎないよう薄くニス引きされたものがベター。」と聞いたか読んだかしたことがある。

なるほど、機能面も向上したのでしょう。ですが、そんなことより何より、木目が見た目にも美しい。まあ、靴に突っ込んだら見えないんですけどね。値の張るものでもないし、もう1ペア追加購入しといた。

 

【広告】amazonで買えます(サイズはSとM)

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余談(その②)ですが、

メルカリで靴が売れた際には必ずプラスチックのシューキーパーを入れて発送するようにしてます。購入頂いた方への御礼・おまけ、というよりは、手入れした上で送り出す「その靴自身の未来のため」であります。購入された方がシューキーパーもしくはシューツリーを持っているとは限りません。万一に備えるという意味では何もなしと言うわけにはいかない。

といいましても靴本体がせいぜい数千円から1万円までのことが多いですから、本格的なシューツリーをおまけ、というわけにはいかない。赤字になっちゃいます。5セット1500円くらいの安物なわけですが、プラスチック製でもあるとないでは靴の寿命は大違いです。使ったことがない人が使えば目から鱗でしょう。誠に微力ですが啓蒙にもなるのではないかな。

ちなみに、シューキーパーはメルカリで買ってまして、もう何度もリピートしてます。あ、念のため、こいつらは新品です。今月もすでに2組旅立たせました。もうね、何度も買ってるんだから、ショップさんも私がリピーターと分るでしょうし、たまには1ペアくらいおまけしてくれてもいいのにね。次回に期待。

てなことで、今回の結論。

 

友よ。革靴にシューツリーはマストなのです。

 

(おしまい)
(関連過去記事)

絶対持つべきもの、シュートゥリー

 

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