こんにちは、ばしです。
なかなかに明けない梅雨。
連休の大阪は雨の日が多く天候が不順でした。4日もあったのに、特にどこに出かけるでもなく、主に自宅で過ごしました。
前々から家内に頼まれていた物置の整理や、居間にある私の小さなPCコーナーの整理、そして、お決まりの靴メンテ。
今回は、こいつ。
THE Slater SHOE Imperial
いつものカナダのセラーさんから、5月に買って、6週間かけて届きました。このセラーさんから購入した7足目のペアです。
彼の説明によりますと、こんな靴、こんな会社らしい。
Here is an amazing and rare pair of black cap-toe Imperials made by the Slater Company. Slater was a venerable Canadian manufacturer located in Montreal from the 1860’s through to the 1970’s……….They were manufactured in the late 1950’s or early 1960’s.
1860s創業、1970sに幕を閉じたモントリオールにあったカナダのシューメイカー・Slater Company。初めて聞く名前のシューメイカーです。で、1960年前後の古いペアとのことですが、まあ、確かに古そうです。
初見のメイカーのこのペアを買った理由は3つ。
一つ目は、布タグ。
手持ちの布タグ付きの靴は4足。青タグアレン、マイファーストSTETSON、布タグREGAL、白タグSTACY。アレンは足が太った所為できつくて履けないのですが、「布タグウイーク」実践に向け、目下、布タグ付きのペアを蒐集中です。
二つ目は、その独特なスタイル。
ぱっと見、キャップトゥぽいですが、フェイクです。そして、曲線と直線で構成されたサイドのステッチも独特です。ホールカットに施したこのデザイン。好きか嫌いかは別にして、唯一無二かと。
三つ目は、セラーさんへの信頼。
これまでに彼から6足買いましたが、どれもリーズナブルかつ状態も良く、概ねいつも満足してます。カナダ靴はそのほとんどが彼からです。今回も恐らく間違いないだろうと。と思っていたら、サプライズが。
”The shoe trees are not included in the sale.”との説明文だったのに、おまけでついてきました。アルミっぽいシューツリー。甲部分に刻印が。
W.BARRATT & Co.LTD / Foot Shape Works / NORTHAMPTON
英国のBARRATTのツリーです。SLATERのオリジナルではありませんが、嬉しいです。こんなアルミのシューツリーは初めてです。これも同じくらいの年代なのでしょうか?
このペア、サイズ表記は485。8.5D、です。
ですが、時代が古いせいかやや小さめな作りのようなのか、たはまたコロナ太りに大きくなった私の足のせいか、幸いなことに概ねジャストサイズです。
現在、靴棚に空きスペースを作るべく、ジャストマイサイズでないものは順次売りに出してます。なので、新たに手に入れる靴のサイズ感は重要です。マイサイズでないのを2~3足売って、マイサイズを1足手に入れて足を入れる。そのうち空きもできるでしょう。
そんなこんなで、さっそく儀式です。
メンテです。いつも通り、まずは左から。
ステインリムーバー
いつも通りで。汚れは僅かで、ワックスも塗られてましたが、軽く、といった感じ。右足、とても綺麗にメンテされてます。化粧落とさないほうが良かったかも笑。
生憎の雨模様で、写真がいつもより少し暗めです。ご容赦ください。
LEXOL
これもいつも通り。コバ周りを丁寧に。
リッチデリケートクリーム
保湿&栄養補給。
化粧落とし前の右足の状態に近づいてきました。
デリケートクリームだけですが、なかなかのトゥの艶感です。
TAPIR レダーオイル
油分補給&保革。
コロニル1909
いつも通り、仕上げ。
化粧落とし前の右と近い感じになってきました。
右足も同様にメンテした上で、思い立ちました。
パレードグロス
キャップトゥのキャップはやはり光ってた方がいいかな、と。とりあえず左足に入れてみました。一度磨いただけで綺麗に光ります。右トゥもポリッシュしてメンテ完了です。
どーんっ。
う、美しいです。
ソールも綺麗にしました。ヒドゥン仕上げのグッドイヤー、楔形のトップリフトに釘打ちのヒール。
なんだか、カナダ靴って面白いですよね。
エキゾチックレザーなども多用された武骨で頑丈なイメージのものと、今回のように英国靴っぽい趣のものとが混在している印象です。
で、さらに面白いのがコレ。
インソックには左右で異なるロゴが。向かって左には冒頭の「THE Slater SHOE」の文字。で、向かって右の左足。
FAIT SPECIALEMENT POUR
P.Salon de Enry
3597 ONTARIO EST
フランス語ですね。調べてみましたところ、モントリオールは住民の大半がフランス系カナダ人の町だそうです。かつて、そんなモントリオールのオンタリオ通り東3597にあった「サロン・ド・アンリ(エンリー?)」。
この場所が今どうなっているかというと、こんなでした。
ストリートビューのスクショです。
雰囲気は想像とは異なりますが、当時から洋装店だった、ということなんでしょうね。
ひょっとしたら、お店のオーナーのお爺さんの時代に扱っていた靴だったりして。
まあ、なかなかに面白い笑。
あらためて、スナップショット。
多少傷はありますが、古い時代のビン靴にありがちな、上質なアッパーです。
ステッチはありますが、そもそもがホールカットです。
フェイクなキャップトゥ。
ほんと、無駄に革を贅沢に使ってます。
サイドビュー。どう表現したらよいのでしょう。
クラシカルなようであり、近未来的なようであり、カピバラのようでもあり。
グラマラスなお尻。履き口はダブルステッチ。
幸いなことに、腰裏にも履き口にもダメージはありません。
トップリフトの減りも僅か。補修はなしでこのまま履けそうです。
最後に、オールインワンなショットで。
丁寧な作りです。
布タグが効いてます。
履いたら、見えないんですけどね。
ですが、なんか、癖になりそう。
こいつは一度、きちんとプロに磨いてもらいましょう。
きっと、見違える、予感。