MATSUBA のスリッポン

こんにちは、ばしです。

 

先週日曜日は旧い友人と飯でした。

あ、いや、飯というか、

大阪のクラフトビールが飲める裏難波の店でたらふくビール飲んできました。丸2年ちょっとソバーキュリアスを気取っておりましたが、最近またちょこちょこ吞んでます。お陰でまた体重が増えてきた。そろそろ節制せねばなりません。

 

で、足元はと言いますと、

旧い日本人の友人に会うということで、旧い日本製の靴にしてみた。4月に拾って来た何足目かなのですが、この日の午後にメンテして、夕方に早速に履き下ろしてみたのでした。詳しくご紹介。

 

 

 

MASTSUBA のスリッポン

昭和の頃のオッサンっぽい佇まいのこいつ。

「MATSUBA」の靴です。マツバ製靴は伝説の靴職人と呼ばれる「関信義」氏が在籍したことのあるマッケイ製法を得意とする日本のメイカーでした。残念ながら2000年初頭に廃業、今はなきシューメイカーとなってしまったらしい。

マツバの靴は今回で3足目です。

1足目が右のスエードスリッポン。私には小さくて手放しました。2足目が左のスプリットトゥ。独特の形状のこいつはマイサイズで、定期的に登板させてます。どちらもとっても出来の良いマッケイ製法のペアです。

今回のもマッケイです。

ソックシートの下に縫い目が隠れています。

ソールには縫い目はなし。こいつ、ヒドゥン仕上げと思われます。薄いシングルのソールでマッケイヒドゥン。マッケイのマツバたる技の施されたペアが税込み990円。セカストの雑多な棚から保護してきました。

昭和の雰囲気を醸しておりますので、昭和生まれの私が履いて進ぜよう。てなことで、儀式です。いつも通りまずは左足から。

 

 

LEXOL

ワックスの類はほぼなし。
傷やクラックの類もなしです。
コンディションは良好です。

ソールもきれいにしておこう。

 

 

RenoMat リムーバー

念のため強力リムーバーも投入。

見た目に変化は感じません。
まあ、こんなもんで。

 

 

デリケートクリーム

スタンダードプロダクツのデリクリ投入。

おお、かなり艶が出ます。もう、これだけで良い?

右足も同じ手順で。ここで完了させようかと思ったのですが、

いつもの手順で。

 

コロニル1909(ムショク)

向かって右、左足に投入。

あまり変わらない?
右足にも投入。

見た目の変化はあまりないみたい。見た目でいえばスタプロのデリクリだけでも十分そうな気もしますね。そんなこんなでメンテはこれにて完了です。

 

【BEFORE】

【AFTER】

すっきり。

 

【BEFORE】

【AFTER】

愛くるしい顔。
ころんとしたフォルム。
こいつは「ムーミン」と名付けよう。

こいつ、センターエラスティック仕様でストラップは単なる飾りです。なもんで、穴は1つのみです。

履き口のみ二重になってますがほかはアンラインド。薄いアッパーの割にはかしっかりした仕立てに仕上がってます。

ご覧の通り薄いアウトソールなのですが、

爪先もきれいに仕上げられています。

ヒールは積み上げ。コバインク入れときました。
さて、サイズ感の確認です。

素足ですが、ややゆとりあり。特に、幅が広く、前の持ち主のフットプリントが私の足にフィットしなくて居心地が悪い。

薄いシングルソールの内側にはくっきりはっきりフットプリント。思いますに、元の持ち主は25.5のEEEくらいのサイズ感のように思える。

元が薄手のシングルソールでフットプリントがフィットしないと履き心地は大変よろしくないです。アンラインドのこいつは素足履きするつもりですので、中敷き等入れて素足でジャストなサイズに調整しましょう。

 

道具だてはこんな感じ。

990円の靴ですので、追加するギヤも百均のやつで、安くあげることにした。とはいえ、値段の安さと品質は必ずしも相関しません。必ずしも安かろう悪かろうではない。物事、そう単純ではない。

まずは中敷き。

おお、なんかいびつな形です。
ハサミで整えないとダメかな、と思ったけれど、

すんなり入りました。で、いい感じです。

アウトソールにへたりはないのですが、折角なんで補強しておいた。ところで、ソールの踵側に「8」と「6」の数字が刻印されてます。どういう意味なのでしょう。よくわかりませんが、まあ、いいか。てなことで、これにて作業はコンプリートです。

 

早速履きおろしてみた。

ぐぬぉー、履き心地は大変グッドです。

サイズ調整しましたのでフィット感は当然によろしいわけですが、アッパーがよい、大変柔らかいです。素足でこの手の靴を履くと親指や小指の付け根あたりを嚙まれることがあるのですが、こいつは全くない。踵のカーブもいい感じにフィットして、申し分ない履き心地です。

 

また、見た目ですが、

大変ミニマルなデザインです。

「これでもか!」というくらい余計なものを取り除いた結果、オッサンぽさまで削ぎ落としたかのようにも思える。そう、当初感じたほどにはオッサンくさくないかもしれない。

「イタリア製のビンテージ靴」だとか、あるいは、「ハイブランドの新作」だとか、そんな風に紹介されたら、「なるほど」と思う人も少なくないのではないか。

例えば、

仮にこいつのソックシートの文字が「MATSUBA」ではなく「GUCCI」だとしたらどうでしょう。「おお、いいね」「程好いレトロ感が素敵だな」「流石グッチね」なんて声も上がるかもしれない。そのくらい、ブランド名や文字情報による影響=先入観というものに我々は毒されているのではないしょうか。

いや、それは言い過ぎか。

やっぱりオッサンぽいかも。
オッサン同士、仲よくしようぜ。

 

(おしまい)

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