Freek2Freek

MATSUBAのスプリットトゥ

こんにちは、ばしです。

 

予感がする。

このところなんだか引きが強いみたい。当たりを引く予感がします。月初からそんな気がする11月。おおっ、何気に五七五。いや、そうではなく、おおっ、期待大です。なんだけれども、ワクワクしてばかりもいられない。これまでの経験から申しますと、こんな時こそ注意が必要です。

 

注意その一:出会いを逃すな
運気が良い時というものはそうそう有ることではないです。折角の好運気ですから自ら積極的に動いて出会いを掴むべし。

注意その二:買い過ぎるな
調子に乗って買いまくったら、またスペースがなくなって溢れ出してしまう。家内の雷警報発令、の手前で留めるべし。

注意その三:散財するな
その二と似てますがこちらは金銭面の話。特に、ここ最近は売りの調子がイマイチですので、支出額には敏感であるべし。

 

加えて、タイミングにも留意が必要です。例えば、月初に値の張る靴に手を出してしまいますと、月後半に運命的な出会いがあっても予算超過で見送らざるを得ない、なんてことにもなりかねません。なので、こういう時はまずは安い価格帯から攻めるに限ります。

メルカリをこんな感じで漁ってみました。

 

□ カテゴリー:「メンズ&靴&ドレス/ビジネス」
□ 靴のサイズ:「25.5」「26.0」「26.5」
□ 価格レンジ:「0円~3000円まで」
□ 商品の状態:「すべて」

 

上記で絞り込んだ上で「(出品が)新しい順」でソートをかけ、上から順にひとつひとつ潰していく。「万が一」があってはいけないので、ぱっと見イケてなさそうなやつもモレなく丹念に目を通す。

古靴フリークの目線ではそのほとんどが「ハズレ」なわけですが、3、4ページ分くらい読み進めますとひとつやふたつくらい良さげなのが出てくる。それを何日か継続すると偶に「当たり🎯」に出くわす。

ほんとに?

 

ほんとに!

 

 

MATSUBAのスプリットトゥ

「MATSUBA(マツバ製靴)」のペアです。

何をもって「当たり」と呼ぶかは人それぞれなわけですが、今回の作業結果としての私の「当たり」はこいつ。出品された直後にヒットしたみたいで、「いいね」もゼロ。送料込み1400円ということもあり、他の人にとられる前にとソッコーでぽちった次第です。

MATSUBAのペアはこれで2足目です。1足目は大変晴らしかったのですが小さくて履けず、観賞用になってます。マイサイズのが欲しい、履きたいと探しておりましたが、こんなに早く出会いえるとは。月初からそんな気がした11月。

で、サイズもさることながら、形がサイコーにカッコいいんです。

ど、どうでしょう!?

オッサンが履いてる「おじ靴」みたい、という勿れ。これは、「1950-60s頃の米国ビン靴を彷彿とさせるデザイン」、というべきである。

 

この手のデザインのペアを稀にネットで見かけては、「えぐいなー」「渋いなー」と思ってたんですよね。どんな奴かと言いますと、

1950-60sのNUNNMUSHだそうです。こちらから拝借しました。ずっといいなあと思いながらも私にはデカすぎる10D。

旧いNUNNBUSHにこの手のスタイルのが多いんですかね。SUPER8SHOESさんでも扱いがあったみたいなんですよね。

こちらも1950-60s頃のペアとのこと。

どちらも独特のスタイルで、唯一無二のデザインではないかな。上のナンブッシュ2足はどちらも4穴の内羽根ですが、今回のは3穴。

で、羽根に切れ込みあり。
お、サイドエラスティックか。えらい凝ってます。えらいこっちゃ。と思ったら、

単なる意匠で、実際にはゴムは仕込まれておりませんでした。はは、なんでそんなかな、結構な手間暇だと思うのですが、あらためて、えらい凝ってます。

ディテールをもう少しご紹介しますと、

お尻。釣り込まれた穴あり。
で、大変グラマラスです。

オールレザーライナー。
縫い目発見。マッケイです。

「1314」とあります。意味不明。
ビスポークぽい印字スタイルだな。

ヒール側面にサイズ表記あり。
既成靴?注文靴?なんとも分かりませんが、このデザインから推察するに、誂え・注文靴ではないかと思うのですがどうなんでしょうね。

で、こいつ、ラバーソールです。
初めて見る形状のラバーソール。

「NISSIN・AME」とあります。

岡山県に「日進ゴム株式会社」という企業があるらしい。ゴム製品のメイカーですが、なんでも元は地下足袋なんかを製造されていたそうで、今も靴のソールなどを供給されているらしい(同社ホームページ)。

どうやらこのソールは日進ゴム製のラバーソールと思われますが、年代等詳細は不明。いずれにせよ、アッパーもソールも日本人によるメイドインジャパンのペア、ということのようです。

アッパーは古ぼけてはいるのですが、トップリフトの削れは僅か。数度履き程度のコンディションかと思われます。26.5センチは私にはやや大きめですが、中敷きINすれば問題ない範囲のサイズ感なはず。

何より、適度なカジュアルさ加減が今年の私の仕事の足元にばっちりフィットしそうです。おお、これは楽しみ。てなことで、早速メンテいたしました。

いつも通りまずは左足から。

 

 

ステインリムーバー

薄いチョコレート色でしたが、水分を吸ってすっかり濃くなりました。

ワックス等はなさそうですが、爪先の水分の染み方にムラが。気になるところですが、このまま前へ。

 

LEXOL

歯ブラシで全体的にがしがしと。

コバの溝が白くなってましたが、まずまずすっきりしたかな。

爪先はまだ色ムラのまま。

 

デリケートクリームもどき

いつものDAISOのヒト用クリーム。

全体的にいい感じの色目と艶感なのですが、トゥのムラはまだ残ったまま。

しっかり塗り込むのですが、

なかなか解消しません。
徐々に改善することを願いつつ次のステップへ。

 

リッチモイスチャー

もちもちになるやつ投入。

お、

少しだけムラ感ましになったような。

 

TAPIR レダーオイル

油分補給&保革。

すっかり色濃くなりましたが、

ムラはまだ少しだけ残ってます。

 

クリストフポーニー・レザークリーム

クリームという名のオイルで追いオイル。

だいぶ、

まし、かと。
よし、仕上げましょう。

 

コロニル1909(濃茶)

さらなるムラ感軽減のため補色を兼ねて、ダークブラウンのクリームなど入れてみた。

おお、良い感じ、か。

うーむ、まだ少し。
だけど、まあこんなもんで。

右足も同じ手順で進めました。

ありゃ。

何故だか右足の方が濃いな。
左足に再度追いコロニル。
紐を通したらメンテ完了です。

 

どうだっ。

うん、色の濃さは揃ったかな。
で、やっぱカッコいいです。
大当たり🎯です。

 

【BEFORE】

【AFTER】

おお、つやつや。

 

【BEFORE】

【AFTER】

なんだか別の靴みたいです。

ユーズドの靴は、良くも悪くも新品時の雰囲気とは異なる状態になっていることがあります。アッパーの張りと形状、色目、質感。長らく放置されてたり手入れが行き届いてなかったり乾燥していたりすると顕著です。古靴は手入れしてなんぼです。その時点での見た目だけで判断すること勿れ。

で、左右ともにトゥだけ濃茶のクリームの入りが悪いです。ニュートラルのワックスなどが思った以上に塗り込まれていた、かも。ま、問題ない程度ですし、次回のメンテ時への申し送り事項としておこう。

トゥから踵まで連なる切り返しのライン。これが特長でありチャームポイントです。長すぎた元の紐を交換しましたがしっくりきません。近々、短めジャストサイズの平紐を買って交換してみようかと画策中。

アッパーの革質は大変柔らかですが、踵はとてもかっちりした造作です。ホールド感凄そうな。確認してみよう。

サイドの切り返し、上から見てもいい感じです。
あらためて、米国ビン靴ぽくもあり、見ようによってはベルルッティぽくもあったり。いずれにせよ、唯一無二であることは間違いないな。

サイズ感は表記通りの「26.5」。
US8.5Dくらいです。ラバーのソールは思ったより厚くなく、また結構硬めです。百均のスニーカーインソールをINして履いたらちょうど良さそう。と、その前に、

 

記念撮影。

マツバ1号&2号、見参。
2足とも素晴らしいですが、
2足とも茶色です。
黒も欲しいぞ。

3号は黒に決定な。

まあ、柳の下のドジョウはそんな沢山はいないでしょうけどね。
ですが、それを引き当てるのが古靴ハンターのスキルってもんです。
スキルをもっともっと磨いて、ゲットした古靴をもっともっと磨きたい。

 

どっちもまだまだ磨き足りない。

 

(おしまい)

 

モバイルバージョンを終了