オールドグッチのタッセルローファー

こんにちは、ばしです。

 

ウイークデーはできるだけ、その週のテーマを決めて仕事に臨むようにしております。テーマを決めることで沢山ある靴やネクタイにできるだけ均等に登板機会を与えよう、という趣旨であります。あ、なので、仕事は関係ないですね。

ちなみに、今週は「英国靴WEEK」中で、先週は「ローファー WEEK」でありました。仕事で靴下を履いてウイークデーの5日間をローファーで過ごす。なんてことは今回が初めてのことだったかも。ローファーと言えば大体いつも休日に素足な私ですが、春の陽気に背中を押されてのことなのかもしれません。

(参考)タイクツにジャケパン2024-2025(14)

 

ええ、そうなんです、実際暖かいです。

4月も半ばとなりGWもすぐそこまで来てますが、ここ最近の大阪は春の陽気。それどころか、春を一瞬で通り越して、ときに暑いくらいの日もあって、そろそろ素足にローファーな季節が近づいてきたと実感する次第です。

春をもう少し味わいたかったですが、季節の流れに抗ってもしょうがない。春を惜しむのではなく、身も心も靴も、夏に備えよう。

素足で履き下ろすやつ、メンテしました。

 

 

 

vtg GUCCI Tussel Loaferes

緑のライニングに緑の布タグ。

長らく探し求めていたオールドグッチのペアです。オールドグッチのペアのタグには大きく2種類あるらしい。一つが「白い布タグ+筆記体ロゴ」で、1970sとのこと。もうひとつが今回の緑のタグ。1980sだそうです。

白でも緑でも、どちらでも構わないから1足欲しいな。と思ってはいたものの、目にすること自体あまりなかったオールドグッチのペア。今回は緑のタグで、これまたあまりお目にかかったことのないタッセルローファーのペアに遭遇してしまいました。

アッパーにはブツブツと模様が。これ、ペッカリーと思われます。イノシシや豚の仲間のペッカリー。ブツブツは毛穴の跡です。

で、注目すべきは踵の意匠。

フォクシングステッチです!

オールデンのタッセルローファーで、Brooks Brothers 向けのものにだけに施される特別な仕様、それがフォクシングステッチ。機能面でどのような意味があるのか分かりませんが、そんなアメリカンな仕様を1980s年代にイタリアのハイブランドが取り入れていた、というのは大変興味深いですね。

サイズ表記は【40D】
ギリギリ履けるサイズ感です。

ハーフラバー装着済。見たところキズやダメージの類はありません。

お値段税別5900円。

多少の使用感はあるもののダメージはない。そんなビンテージのグッチがこの値段であればお買い得と言えるのではないか。まあ、もう少し高くても持ち帰ってましたので、そういう意味では、これはもうラッキーというかしかないな。

そんなことを考えながら、一人ほくそえみながら持ち帰ってきたのが2月の半ばのこと。あれからちょうど2か月。いよいよ出番が近い。ということで、週末にメンテいたしました。

いつも通りまずは左足から。

 

 

LEXOL

汚れもワックスもない。
渇きもさほどない。

 

 

デリケートクリーム

スタプロのやつを投入。
つやつやしてます。

 

 

コロニル1909(ニュートラル)

あれこれ入れずシンプルに仕上げ。

甲のうねりはどうしようもないですね。
シューツリーは履いたあと2日ほどで外すのですが、こいつには当面入れっぱなしにして皺を伸ばそう。ツリーももう少し大きめのテンションかかる方がよいかも。まあ、それはまたそのうちに。

 

コバインク

アウトソールの側面、革の地の色が見えてます。コバインク(黒)をしっかり縫って整えたら左足のメンテナンス完了です。

ついで、右足も同じ手順で、なのですが、

内側を確認。爪先まで緑のライニングです。

余談ですが、

靴の内側って履いたら見えないわけですが、日本って国は海外の他国と比べて「靴を脱ぐ機会が多い」お国柄です。仕事でも脱ぐことがある。個人宅に訪問した際とか。オフィスでもスリッパに履き替えて、なんてこともあるし、接待や会食でも和食だったりすると座敷なことも少なくない。

そんなとき、紐靴だと脱ぎ剥ぎに手間取って玄関が渋滞に、なんてこともあります。その点、シューレースのないスリッポンだと、脱ぎ剥ぎも容易で時間もかからない。「日本向けの便利なスタイル」と言えそうです。

ついでに、あくまでもついでにですが、脱いだ際に靴の中も見えたり(見せたり)しますので、今回のようなブランドロゴのタグがあれば見栄もはれるし、内側全体が緑だったりするとインパクトあって良いかもしれない笑。

 

ただ、海外では、基本的にスーツにローファーはやっぱりNGみたいですね。唯一の例外がタッセルローファー。ビジネスで履けるローファーがあればよいな、そんな期待に応えるために登場したのがオールデンのタッセルローファーらしい。とはいってもそれはアメリカの話。他の国ではやはりカジュアルに分類されるローファーはビジネスではNGのようです。

けどまあ、ここは日本だし、カジュアルダウンしたジャケパンスタイルでならオーケーではないかな。そういうことにして、私は仕事でもローファー、ガンガン履いちゃおうと思う。

 

などと考えてるうちに右足も終了。
この日のメンテ作業は完了です!

 

おお。いい感じではないかな。

アッパーがペッカーリー、それだけでなんとも趣のある印象であります。

そんなペッカリーも磨けばそれなりにいい艶感で光ります。もう1足、グッチのペッカリーのペアを持ってます。久々に磨いて、2足並べて記念撮影しました。

右の茶のビットローファー。

これもアッパーはペッカリーです。1997年にシドニーで新品を購入したもので今年で29年目となります。こいつは布タグではなくソックシートに金の箔でGUCCIと印字されてました。グッチが経営に携わっていた時代の所謂「オールドグッチ」ではありませんが、あと何年かすればこいつもビンテージの仲間入りかもしれない。

サイズですが、緑が40Dに対して茶は40.5Eです。

見た目にはサイズはそんな変わりませんが、やはり黒のほうが若干細身に見えなくもない。足を入れて確認してみる。

素足でジャスト。
やはりやや細身です。靴下履いて登板させるのは若干厳しそうです。

ローファーは紐靴と比べて靴下が顔をのぞかせる割合が大きい。なので、仕事履きするときはどんな靴下を履けばよいかいつも悩みます。その点、素足は良いです。悩みようがない。カジュアル履きするにはちょうど良い。なのですが、休日のカジュアルな足元で「黒」ってのはどうも、ね。どちらかと言えば茶のほうが軽やかで良いような気がする。

 

こいつ、

素足で仕事履きしてみようかな。

仕事でローファー、それも素足、だなんて、ビジネスマンの風上にも置けないようにも思えますが、そうだとして周囲の何人が気づくでしょうか。他人の足元なんて、普通はみな興味なんてないのです。

 

私は普通ではない。で、
たぶんこの記事を読んでる貴方も。

 

(おしまい)

5件のコメント

  1. こんにちは

    布タグのGUCCI、趣があって素敵です。ハイブランドには強気の値段設定が見られがちなセカストさんにしては良心的な価格でうらやましいです(笑)
    フォクシングステッチ、初めて見聞きしました。手が込んでますね。勉強になります。

    1. 三十郎さん
      こんばんは。ホースビットなどのメジャーなものは高値で、今回みたいにやや変わり種のものは意外と売れずに安いのかもしれません。
      レアもの狙いな身ににはありがたい限りですね笑

  2.   ばしさん

    こんにちは。グッチのローファーでタッセル、レアなんですかね! ペッカリーというのも面白いと思いました。
    下請けをエンツォボナフェがしていた…なんていう話も聞いたことありますが、どこで生産せれてたんですかね? シリアル見てますと、黒と茶は同じメーカーに見えます。いろいろ謎が多いですね。ではでは失礼します。

    1. しんのすけさん
      お疲れ様です。確かに、シリアル、同じに見えますね。ホースビットローファーの製造がどこかなんて考えたことなかったですが、言われてみますと確かに、どこかが請け負ってるんですね。イタリアのシューメイカーなのでしょうが、それがボナフェとかだとなんだか夢があっていいですね。これまではグッチはグッチ、としか見てなかったので新しい視点が新鮮です。ありがとうございます。

  3. ばしさん
    グリーンのライニングめちゃくちゃ可愛いですね。履いた感じもカントリーなイメージのはずのペッカリーの素材感が都会的に効いててグッチ凄いなって感じました^ ^

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です