イタ靴コロコロ

こんにちは、ばしです。

プロ野球が開幕、県を越えての外出自粛要請の解除、プールにジムの再開、などなど、少しずつ日常が戻りつつある今日この頃、皆さん、いかがお過ごしでしょうか。

私はといえば、古靴漁り。
このところ巣籠りしてのメルカリウォッチがメインでしたが、いつもの馴染みのリユースショップにも、週に１～２回程度は足を運ぶようになりました。

６月初旬の時点では、商品の顔触れは自粛前とほぼ同じで入れ替わりはほとんどなく、空振りばかり。ですが、月半ばあたりからは買わないまでも新しいペアもぼちぼちと見かけるようになりました。

で、先週末、久々にリアル店舗でゲットしました。
転がす用のやつ。

こいつ。

アンノウン・タッセルスリッポン

やはり私にはリユースショップの雑多な靴コーナーが似合います。落ち着きます。安いです笑。今回も激烈にお安い値札を貼られたこいつが不憫で、持ち帰ってきてしまいました。

埃なのか、うっすらとしたカビなのか、どちらにしても薄汚れたアッパーのこいつ。
ハーフラバーの下に“ MADE ITALY”の文字が。

MADE IN ITALYではなく、MADE ITALY。
うーん、なんかどこかで見たことあるなあ。
アンノウンブランド扱いですが、インソックには僅かに残ったロゴが。

はい、ビンゴです。
こいつは、TANINO CRISCIのペアです。

TANINO CRISCI（タニノクリスチー）

拙ブログで初めて扱うブランドです。
あらためて、こんなシューメイカーです。

1876年　イタリア・ミラノで創業。乗馬用のブーツや靴を手掛ける。
1919年　ミラノの南西の町のカステッジオに生産工場を設立。
1960年　ミラノのモンテナポレオーネ通りに初の直営店をオープン。
2011年　経営難により終了。

ざっくりですみません。
日本では東京と大阪に直営店があり、セレクトショップ等でも扱われていたそうです。イタリアを代表するシューメイカーでしたが、原因は労使関係のこじれだそう。で、工場が閉鎖され、在庫が全てなくなった時点でブランドも完全終了、となった模様。

職人と木型の一部はF.LLI GIACOMETTIに引き継がれ、TANINO時代の代表的なブーツはジャコメッティで復刻されているらしい。まあ、詳しいことは分かりませんが、「経営難」というよりも、職人気質な会社ゆえなのでしょうかね、外部の経営環境が原因ではなく、内部の問題をきっかけに廃業への道に至った、との経緯のようです。
ああ、勿体ない。

そんなイタリアを代表するシューメイカーのタニノ・クリスチー。
ですが、そもそもイタ靴にあまり興味がなかったうえに、今はすでに亡きメイカーということで、現物をみる機会もそうそうはありません。
なのですが、実は、ちょうど１年ほど前にレディースの靴を拾ってきたことがありました。