ソックシートにアイロンがけ(転がす専用その2)

こんにちは、ばしです。

 

先月8月にマイルールを改定しました。

「マイサイズでないけど確実に転がりそうなペアは拾ってきていい」ことになりました。ただし、お安いやつ限定で、なおかつ、しっかりと吟味した上で、というのが条件です。

安いペアを拾ってきて、綺麗にメンテして、その手間賃とメルカリの送料手数料を乗せた金額で転がす。手間賃部分が儲けとなるわけですが、これをコツコツと貯めて、修理が必要なやつの入院費用に充当する、というねらいです。

旧いビンテージ靴が多いですので、様々に不具合が発生します。自分では手に負えないものはプロにお願いすることになるわけですが、人のように高齢だからといって入院費の負担が軽減されるわけではありません。まあ、急ぐわけではありませんので、コツコツと貯まった都度修理にだせばよい。

なので、一つひとつの儲けの額は小さくて構わない。数を沢山集めて、木が林となり、林が森となる。林や森になるのに時間がかかるのは仕方ないことですし、それはそれで構わない。ただし、一点一点の回転の速さは極めて重要です。週末に出品したら、次の週末までには発送を完了してしまいたい。そのくらいのスピード感は欲しい。そんなやつしか拾わない。

 

そんな「転がす専用」。

「(その1)」はフローシャイムのブーツでした。メンテして出品したまさにその日、目論見通りソッコーで旅立っていきました。今回は「(その2)」。「(その1)」と同じ日に拾ってきたペアです。こいつもすぐに売れるはず、が、なかなか売れない。

おかしいな。ソッコーで転がると思ったのに。私の見立てに狂いはないはずが、結局1ヵ月もかかってしまいました。うーん、なぜだろう。ツメが甘かったかな、食べたことないけど。あ、でもひょっとしたら幼いころに齧ったことくらいはあったかも・・・。

あ、ツメ違い。どうでもいいですね。すみません。

 

 

フェラガモスエードPTB

フェラガモの靴を転がすのは今回で2度目です。

1度目はアッパーラインの「TRAMEZZA(トラメッツァ)」。相場より相当に安く拾ってきたこともあり結構儲かりました。

今回の儲けは、ほんの少しだけ、です。まあ、売り値が売り値です。いくらで拾ってきたかは書きませんが、3500円で旅立ちました。メルカリ手数料350円、送料850円、差し引きの入金額は2300円です。

【2300円】-【購入額】=【今回の儲け】

です。儲けはちょびっとだけでしたが、プラスにはなりました。そりゃあね、

なんてったて、フェラガモの靴です。3500円ならそりゃ売れるでしょう。

ただ、”Ferragamo” の文字が波打ってます。

左足。

右足。

ありゃりゃ、どうしたどうした。

剥がしてみました。

マッケイの縫い目が。で、読みづらいですが「Made in Italy」の文字。

中敷きはヨレヨレだし、アッパーもくすんで白くなってますが、ダメージ等はありません。旧いペアではなさそうですが、スエードの靴はこまめに手入れしませんとみすぼらしく見えがちです。

サイズは6、ウイズは2E。私には小さくて履けませんが、内側もダメージはなし。ただ、糸が出てます。

切るのではなく、焼く。

おー、すっきり。

中敷きが気になるところですが、まずはアッパーから綺麗にしましょう。いつも通り、まずは左から。

 

スエード用のブラシ

スエード用のブラシで埃を落とす。

おお、まだまだ綺麗ではありませんが、左右の差異は感じられる程度には変化しました。

 

クリーナー

「スニーカーの~」とありますが、

起毛の天然皮革にも使えるらしい。

キャップにとって、

全体的になじませつつ掻き出す。

水分を含んだ所為でより黒っぽくなりました。

ラバーの斑なソールも、

同じ泡で綺麗に、

なりました。

 

クリストフポーニーレザークリーム

クリームと言いながらオイルです。ミンクオイルみたいな使用感のこいつをコバ周りの革の部分に塗り込む。

おお、引き締まりました。

 

右も同じ手順で手入れを済ませたら、今回のメインイベント、ソックシートの手入れです。図画工作時間の始まりです。

あらためて、どうすればこうなる。ヨレヨレです。

LEXOLで表面を綺麗にしよう。

裏側に貼り付けてあった薄く汚れた素材も剥がします。さて、皺伸ばしです。

アイロンを裏からかける。

少しは伸びた?

表にはまだ少し皺が。

「あて布」ならぬ「あて紙」。紙の上からアイロインで熱を加える。

左完了。まあ、ましにはなりました。右も同じようにアイロンをかけたら、

今回は裏面に厚紙(310g/㎡のカード紙)を貼り付けることにしました。鉛筆で型を取り、

一回り小さめサイズで切り出す。

サイズと形状を確認したら、ボンドで貼り合わせます。

皺伸ばし完了!

まあ、伸びきってはいませんが、ましにはなりました。裏に厚紙を貼り付けましたので、これまでのように拠れることもないはず。

両面テープを仕込んで、

IN!!

いんではないでしょうか。

最後に防水スプレーをふりかけ、乾燥させたらメンテ完了です。

 

【BEFORE】

【AFTER】

おお、不憫ではない程度には綺麗になりました。

 

【BEFORE】

【AFTER】

ソールもそこそこ綺麗になりました。
ソールだけに底底・・・。

 

さて、別角度から。

中敷きの皺は完璧にはなくなってはいませんが、足を出し入れしても引っかかったりすることはなくなりました。

あらためて傷みもないし、君、まだまだいけますな。

ヒールの削れも僅かです。

総じて履きこまれていない程度の良い中古かと思うのですが・・・。

いやあ、スエードの靴って難しいですね。扱いが、というよりは、写真撮影が。ブラッシングして毛並みを整えても、光の当たり加減でアッパー自体にムラがあるようにみえてしまう。

遠目に見る分には問題ないのですが、やはりスムーズレザーと異なる部分が多くて、慣れない私は戸惑うことが多いです。

ただ、ひょっとしたら、良かれと思って最後に施した防水スプレー、しないままの方が綺麗なようにも思えたりもします。どうしておけばよかったかな。

まあ、どっちでもいんですけどね。
なぜって、この手の靴は当面買いません。
なんと言いますか、手入れしててもあまり面白くない。
過ぎ行く九月にサヨナラ、と同時に、
スエードの中古靴とも暫くはサヨナラどすえーど・・・。

 

京都風に締めてみました。

 

(おしまい)

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