こんにちは、ばしです。
1年ちょっと前に買ったStacy Adams Madison。白タグ・USメイドの1970-80sのペア。一年目にして「よく履いた靴・年間ランキング(2020年)」で、堂々の3位に食い込んだヘビーローテーションです。
理由はこれ。
US8.5の2Eウイズです。普段はサイズ8Dの私。以前8Dのマディソンを試着したことがあったのですが、ベリータイトな上に羽根が開いてみっともない。サイズ表記よりもかなり細身な印象のステイシーアダムス。ネットで珍しく2E ウィズ(←かなり珍しい笑)を見つけて、ここぞとばかりにソッコーでゲットしたのでした。
外羽根は、左右の羽根がくっつくくらい閉じ気味なのが好みです。こいつは、ぽてっと丸いフォルムのトゥとのバランスが絶妙です。8.5は少しだけ大きめで、薄手の中敷き1枚追加。私にとっては見た目も履き心地もサイコーな1足となりました。
ただ、ずっと気になっていることが。
か、かっけー。いや、そうではなく、爪先。
少しボコボコしてます。「銀浮き」、ってやつでしょうか?
銀浮きとは、革の銀面が浮いてしまって、凸凹した状態になっていることを言うそうです。爪先が吹き出物みたいにぶつぶつした状態だったり、ミミズ腫れみたいなのを見たことがありますかね。要はあれを銀浮きと呼ぶらしい。
ワックス等が均等でなく、通気性に偏りがあるような状態で水に濡れたりすると、その水分が蒸発する際にこのような現象が起こるのだそう。
このペア、、買った時からこの状態です。これが銀浮き、ってやつでしょうか? そうではない? 手持ちの靴がこんな風になったことないんで、確証は持てませんが、それに類するものではないかと。
いずれにしても、対処すべき状態であることは間違いない。そんなひどい状態ではないですので、別にこのままでも問題ないのでしょうが、つるんと綺麗になるのなら、それに越したことはない。
ということで、メンテしてみることにしました。
銀浮きへの対処法としては、
「ワックスを塗らない」
「雨の日に履かない」
「いっそのこと、履かない」
・・・いや、それは違うな笑。
先週、銀浮きだらけのTrading Postをメンテしたのですが、その際、銀浮きに関する対処法などをさくっと調べておりました。それによりますと、
「水で丸洗いする」
「水で濡らしたキッチンペーパーを貼り付ける」
「アビィレザースティックなどで押し付ける」
といったことが一般的なようです。
Trading Postには、①サンドペーパーでやすって、②ワックス塗って、③かっさ棒で擦って、④ライターで炙りました。
(参考記事「ワックスでTRADING POSTを磨きその後炙ってみた」)
③かっさ棒で擦る、というのは的を射た対処法だったようです。①と④はどこにも書いてないのでやはりおススメではない笑。
キッドスキンのアッパーの状態は、爪先以外は改めて丸洗いするほどで悪くもないので、今回はこんなステップでやってみることにしました。
「爪先だけグリセリン保湿」
↓
「カッサ棒で擦る」
↓
「軽くハイシャイン」
こんな感じです。やってみました。
ステインリムーバー
ちょうど手入れしないといけないタイミングでしたので、通常の手順からスタートです。左右ともに同時に進めます。
出し縫いは白。黒いワックスは避けた方が良いのかな。悩みどころです。
Reno Mat リムーバー
いつもならLEXOLなんですが、ちょうど切らしてます。今日届くようにamazonで注文したのですが、まだ届きません。なもんで、強力リムーバーで優しく。
先ほどからの変化はあまりなし。
デリケートクリームもどき
100均のやつです。
なんか、これだけで凄い光ります。キッドスキン。革質が素晴らしいのは間違いないのかな、と。
爪先だけグリセリン保湿
調べた際は、「濡らしたキッチンペーパー」だったのですが、今回はグリセリン水で。ちょうどほかのペアをグリセリン保湿するついで、です笑。
革の中の水分の偏りが銀浮きの原因、とすれば、全体に水分を与えて偏りを是正する、との理屈なんだと思います。
グリセリン保湿をする際、以前は、タッパーなどに入れたグリセリン水にコットンパフを浸してました。最近は、コットンパフにスプレーで適度に噴霧して湿らし、アッパーに塗布した上でさらにスプレー、との手順です。でないと、必要以上にパフが水分を吸ってしまい、そこらじゅうボトボトになるので。
この状態で丸1日放置します。
TAPIR LEDER OIL
オイルアップする際も1日放置したほうが浸透するらしい。いつもは待つことなく手順を進めるのですが、今回はどうせ待つなら、ということで、爪先以外にタピール。寝る前に思いついてやってみました。
そんなこんなで翌朝。
うーん、どうなんでしょうね。
うーん、あんまり変化ないような。あばたも笑窪といいますが、靴に限ってはあばたはあばた、ですね。
しょうがない、次のステップに進みましょう。
LEXOL
前日夕方に届いたドデカLEXOL。
コバ周りをしっかりときれいにします。
コロニル1909
とりあえずいつもの手順で。
まあ、いつも感じです。
さて、ここから新たな手順です。
かっさ棒
そのままだと傷むといやなので、潤滑油代わりにコロニルを塗って、かっさ棒でこすります。
あまり力を入れ過ぎないよう気を付けながら、水膨れを潰すようなイメージで小刻みに。
うーん、どうでしょう。ましになったような、変わらないような。
よし、次はワックスを潤滑油代わりにやってみます。
ビーズワックス投入です。
ビフォー。
アフター。
うーん、少しだけ、まし・・・?もう1回やってみよう。
小刻みに。力を入れ過ぎないで潰すようなイメージで。
うーん、どうなのでしょう?
もう1度。
ワックスを塗って、かっさ棒を布に包んで、ごしごしとやってみました。
アップで、左。
右。
写真だと分かりづらいですかね。
間近で見ると、それなりに改善した感はあります。ミラーグロスを2度ほど塗って、メンテ完了です。
【BEFORE】
【AFTER】
こうして比較してみると、少しましになったように思います。
コバ周りもすっきりして気持ち良し。
【BEFORE(保湿後)】
【AFTER(かっさ棒後)】
ああ、やはり、「あばた」みたいになっていた凹凸がそれなりに改善されました。光り方も変わりました。変化があった、ということでしょう。
いろいろやりましたけど、かっさ棒で物理的になだらかにするのが一番手っ取り早くて効果的なんだと思われます。別に水牛の角でなくても、それこそ歯ブラシの柄の部分とかでも問題ないような気がします。
潤滑油代わりのものは、当初は乳化性のクリームなど、次いでワックス、との順番がなんとなくいいような。いきなりワックスだと、凹凸そのものがなだらかになるのではなく、凹凸部分にワックスが入り込んでなだらかになったようになるだけかもしれない。
まあ、それでも問題ないといえばそれまでなんですけどね。
ただ、1足やってみただけであーだこーだとは言えません。
臨床数が足らない。他にももっと試してみたいな。
劇的に変化するようなやつ。
だけど、銀浮きした靴、持ってません。
買うか。
ボコボコだから、きっと安いのがありそうです。