筆記体フローシャイム(前編)

こんにちは、ばしです。

 

思えば、ネットで購入を決め「ぽちっ」としたのが昨年末のこと。
その後、6週間がかり、海を渡り2月にようやく届いたフローシャイム。
その後、4カ月放置、酷いことしてしまいました。

ですが、貴方くらい高齢になると、半年くらい今更どうってことないよね。
今回はそんな年季の入ったやつ。
ようやく手入れしてみました。

こいつ。

 

筆記体フローシャイム

手持の靴の中でもっとも古いペアとなったのは、米国ビンテージ界の雄。
流石のフローシャイムです。
一度は手にしたい思いつつも写真でしか見たことのなかった筆記体のロゴ。

手にするだけでなく、できれば実際に足を入れたい。

サイズは8C。
私には「何とか入るかも、入らんかも」という微妙なサイズです。

ですが、この年代のフローシャイムにしては状態も良さそうで値段もお買い得だったこともあり、白という登板機会の少ない色目にも関わらず、誘惑に負けてしまいました。

 

 

フローシャイムの年代判定

インペリアルの年代判別法(1960~80s頃)は様々な方がブログで詳細を紹介されます。拙ブログでもそのくらいの年代に関しては何度か紹介し、扱ってきましたが、が、ここまで古い年代のペアをうのは初めてです。
滅多にお目にかからないものですが、こんな感じらしい。

 

【1920-30s】

まるすけさんの青タグのビンテージブーツ。
ブログ「シフクノ」より写真拝借しました(記事はこちら)。

【筆記体ロゴ】+【青い布タグ】だそうです。
青窓の原型、ですね。創業の地である”CHICAGO”が記載されています。

 

 

【1930-40s前半】

europeanblendさんの記事(こちら)によりますと、この年代の特徴は、
【筆記体ロゴ】+【青窓】+【ハウス型ユニオンスタンプ】
だそう。ちなみに、その後1940sのいずれかの時点で、ハウスマークから「UNION MADE」の文字表記に変更になるらしい。

今回のペア。

筆記体ロゴに青小窓です。

見えづらいですがインソック中央にはハウスマーク。
1930-40s前半頃のペアということのようです。
ざっくり、私の親父と同世代ということになります。
後期高齢者です。

あ、いや、後期高齢靴、です笑。

 

約80年ほど前の靴ですが、靴は履いてなんぼです。
“なんとか履けそうなサイズ感”ということで購入を決めましたので、できれば、履きたい。

ということで、いよいよメンテです。とはいえ、白だし、スムーズレザーではないし、何より古い。無茶はできません。こわごわ、触ってみました。

いつも通り、まずは左から。

 

消しゴムがけ

白い靴はできれば白いほうがいい。
目立った汚れの箇所を中心に、消しゴムをかけてみました。

写真だと分かりづらいですが、消しゴムはかなりおススメです。以前も汚い白い靴を消しゴムで綺麗にしました。
(参考記事:白いロングウイングのメンテナンス

シミ部分だけでなく、全体に満遍なく。お尻回りも。

わーおぉ、なんとグラマラスなヒールカップ。
年寄りのお尻とは思えません。

右の履き口にはキレあり。まあ、そりゃなんかありますわな。
ご愛敬です。

土踏まずあたり。ステッチも細かいです。
ぼろいけど、美しいです。

 

右も同様に。

おお、良い感じです。まあ、古い革ですし、傷みの程度も分からないので、軽めに切り上げましょう。

 

 

保湿(1)100均のアロエローション

古い靴ですので、乾きが心配です。先日買った100均をアロエローションを霧吹きで満遍なく吹きかけてみました。

結構しっかりと。ただ、履き口のステッチ周りは軽めにしときましょう。

まんべんなく湿ったら、風通しの良い日陰で陰干しです。

で、数時間後。

写真では分かりづらいですが、当初とあまり状態変化ありません。

あまり綺麗にもなっていません。
ということで、再度。

 

保湿(2)グリセリン水をスプレー

濃度30%のグリセリン水。かなりたっぷと。

水が滴るくらい、まで吹きかけ、再度日陰で陰干しです。

 

で、翌日なんですが、写真ありませんが、なんか、元通り。表面はパサパサしているうえに、柔軟性も感じられませんでした。

うーん、困りました。何か追加の手立てを考えましょう。

ということでタイムアップ。
続きはこの週末、もう少し手を入れてみます。

 

 

8Cを幅出し

で、このペア、アッパーの状態以外にも気になることが。
そう、サイズ感、です。

左は先日メンテした青タグのアレン(過去記事こちら)。
この2足、どちらも8Cです。

全長はフローシャイムの方が若干長いでしょうか。まあ、似たり寄ったりです。

ウイズは・・・。似たような感じですね。ソックシートの土踏まず当たりのクビレが気になります。

アレンは外羽根にも関わらず、足を入れたらパツパツではちきれそうでした。

似たようなことにならなきゃいいけど。

 

で、フローシャイムは横に置いといて、このアレンも問題児です。
いくら古くても、履けなきゃしょうがない。ということで、伸ばすことにしました。

ピュアホースホイル。まあ、マスタングペーストみたいなもんでしょうか。
IRONさんがマスタングペーストでサイズ調整をちょこちょこされておられるようです(最近のIRONさんのブログ記事「Dack’sのストレッチ」)。

私もマスタングペースト買おうと思ったのですが、結構お値段高いのと、使い切れそうになくて、代替品として量も少なく価格もお手頃なこいつを使ってみました。

馬の油を浸透させて、柔らかくしたうえで伸ばす。
どの程度入れてよいモノか全くわかりませんが、内&外の両面にたっぷり塗り込んでみました。

内側。

油ですが硬さはなく、ほぼ液体です。なので、筆にとって塗り込んでみました。外側からも。

タイト目サイズのツリーにさらに靴下を被せて突っ込んでみました。
うーん、これでいいのでしょうか?

試しに足を入れてみました。

でもって、歩きながらストレッチ。伸びる、のでしょうか?
あ、結構ガニマタですね。
恥ずかしい・・・。

再度、オイルを塗って、ツリーを突っ込んで、こいつも1週間ほど放置です。

 

個体差はあるものの、昔は8Cでもなんとか履けたんですよね。
このところ、コロナ太りのせいか、足も少し太ったような気がします。

まあ、このアレンの8Cは少し小さめ8Cのような気もしますが、意地でも履いてやる。伸ばして、私自身もダイエットして・・・。

ですが、フローシャイムは・・・、あんまり負荷はかけられないですね。

今の状態のままだと、足を入れたらバリっと裂けかねない雰囲気です。
履けるかどうかは別にして、ひとまずは足を入れれる程度にはしなやかになってもらわないと困ります。

ということで、中途半端ですが、今回はこの辺で。

続きはまた来週。

 

良い週末をお過ごしください。

ばいなら。

2件のコメント

  1. ばしさん
    お疲れ様です。おっ、筆記体のs-74、ついに出てきましたね。
    まだ、公開してないんですが、手元の1930カタログですと、s-67と68は、まだアンクルブーツです。さらに、v-cleatさんの1938カタログの9ページ目で同タイプがs-765。
    ということは、s-74は1920年代にはあったということになると思います。この靴は、1930年代の製造かもしれませんが、デザインは1920年代。短靴としては、もっとも古いタイプ。
    僕のなかでは、「フローシャイムの始祖」だと思います。凄いお宝だと思います。
    ではでは、失礼します。

    1. しんのすけさん
      お疲れ様です。
      v-cleatさんの1938のカタログのとは品番もディテールも違うし、
      しんのすけさんが公開されてる1928年のカタログにもないし、
      そもそも二桁のS番て何なのかと思案していたところです。
      いつもナイスな情報提供いつもありがとうございます!

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