BROOKS ENGLISH の履き口のダメージ(裂け)を自分でリペアしてみた件

こんにちは、ばしです。

 

今回の主役はこいつ。

BROOKS ENGLISH by EDWARD GREEN

ブルックスイングリッシュです。ライニングの印字スタイルより、製造メイカーはエドワードグリーンと推察されます。

EGのシングルモンクである「TROON(トゥルーン)」のBB向けのペアです。1970s頃の製造と思しきこいつをセカストにて激安で拾ってきたのが2年ちょっと前。ずっと放置したままでありました。安かった&放置となってしまった理由はこれ。

踵の履き口が裂けている。

それも相当に。

流石にこのままでは履けない。

右足には左ほどのダメージはありませんが、あちらこちら酷いことになっている。左右とも履き口が白く剥がれていて、このまま使用すればますます酷い状態になってしまいそう。

修理せねば履けない。

2年経過して機は熟した、のかどうかわかりませんが、いい加減そろそろやることやって履き下ろしたい。ということで、先週末に懸案だったこのペアのリペアに取り組んだ次第です。

 

今回の記事では、

【1】大まかなリペア方法の手順 
【2】ステップごと詳細
【3】素人がDIYリペアを実施する際の考え方

との内容・順番でご紹介していこうと思います。

レッツゴー!!

 

 

 

【1】大まかなリペア方法の手順 

やることは至ってシンプルです。

 

STEP①

補強用パーツとして使用する革を購入し、

 

STEP②

パーツに切り出し、

 

STEP③

着色して、

 

STEP④

糊で貼り合わせる。そうしますと、

完成!となる。

うまく行ったこと、改善が必要なこと様々ですが、各工程で自分なりに工夫など凝らしてみました。ステップごとにご紹介です。

 

 

 

【2】ステップごとの詳細

STEP①革の選定・購入

今回は無着色状態の薄手の革をメルカリで購入しました。

伊藤登商店メルカリSHOP」さんにて、4~5枚入りで千円ほどでした。栃木レザーのヌメ革だそうです。当初はすでに持っている革を使うつもりだったのですが、色目も合わないし、何より厚さが分厚いものばかりで。薄手のモノが必須であろうと、メルカリで物色した次第です。

今回は、靴の踵履き口外側に長く走る裂け目を覆ったうえで、同じパーツを靴の内側に巻き込んで腰裏までカバーしてしまおう、というものであります。履き口部分で180度折れ曲がりますので分厚い革は適さない。薄手の革を探しておりましたところ、0.8ミリほどの厚さのこいつを見つけソッコーでぽちった次第です。

 

STEP②パーツに切り出す

薄いクラフト紙でおおよその寸法形状の型紙を作成します。

外側はダメージを覆うように貼り付け、

履き口のダメージもカバーしたうえで内側へ巻き込む。

端がギザギザになってますが、中敷きを一旦剥がして中へ入れ込む算段です。そう、一般的な腰裏修理時によくある形状です。

型紙に沿って一旦は長めに切り出す。この状態で靴に合わせてみて全体の長さを確認した上で、

最終的な形状に切り出します。

これを貼り合わせるわけですが、平面の革を曲面に貼り合わせるのは難しそうです。ということで、ひと工夫をしてみた。それがこれ。

 

補助ツール:電気コテ

造花(アートフラワー)作成の際に使用する電気で熱くなるコテです。先端には様々な形状のパーツを取り付けるのですが、このドーム状のモノは、布を「花びら」や「葉」のように湾曲させる際に使用するものであったかと。

簡単に言うと「曲面アイロン」ですね。私が子供の頃に母が趣味でやっていたのを思い出しまして、中古のこのコテを2年前にメルカリで買っておいたのでした。

先程切り出した革のパーツに湿らせた上で、

ダンボールを下敷きにして、熱を加えながら湾曲させていく。

コロンと立体的に仕上がりました。さて、ここで注意点があります。

履き口の折り返し部分、当初直線との想定でしたが、

フィットするように押し当てると曲線になります。

折り返す部分はこのように弧を描く。

全体を湾曲させると同時に、折り返し部分は直線ではなくカーブさせながら折り癖をしっかりと付けておくことが肝要です。

そうするとうまくフィットする。

内側。

外側。で、思った。幅が広すぎるかな。もう少し幅を狭くしても問題ないように思われる。

ペンで印をつけて、

カットオフ!

うん。

裂け目の根本部分が覆われずはみ出てますが、全て覆うとパッチが大き過ぎて見た目に格好よくない。上部の履き口がしっかりと固定されさえすれば強度としては十分で使用には問題ないでしょう。当初からのそのようなその様な想定でおりました。予定通りです。

仕上りイメージです。

革の色は当初はもう少し明るめでしたが、コテで熱が加わったことで少し濃くなりました。まあ、そもそも履けば見えない箇所ではあるのですが、色が違い過ぎる場合は塗るなどして濃く調整するつもりでしたが、どうやらこのままで問題なさそうです。

外側はそうはいかない。なので、

 

STEP③塗る

塗りました。着色。

上はコロニル。下はサフィールビーズワックス。どちらもうまく浸透しない。で、中央、DAISOでペンを調達して塗ってみたらいい感じ。

「イラストマーカー」。3本セットで百円。右のブラウンを使ってみました。

まずはコバを茶色く塗って、その後外に出る部分を同様に茶色に塗り込む。靴にあててみた。

おお、色がムラムラです。まあ、見えづらい箇所だし問題なし。

このように貼り合わせるわけですが、縁が切りっぱなしのままだとのっぺりしていてなんだか間抜けです。縫えればなお良いのでしょうが、そのような技術も機械も持ち合わせておりません。ということで、

穴だけ開けてみた。

おお、どうでしょう。ガタガタと歪んでますがこんなに近くではだれも観ないし。

せいぜいこの距離でしょう。で、何もないよりもよい。縫い留めてある風に見える。フェイクな縫い目が完成しました。なんちゃってミシン縫いであります。よし、これにて下準備完了です。貼りましょう。

 

STEP④貼る

ゴム糊系のノリで貼り合わせます。で、貼り合わせる両面にノリを塗布しますので、貼りつきやすいようにまずはサンドペーパーでをかけます。

こちらにもサンドペーパー。

ゴミ箱で作業すると良きかな。粗めの#320でさくっと。

貼り合わせる面積の外側まで削れてしまったかも。まあ、見えづらい部分だし、気にしない。

どちらにも糊付け。少し乾燥させてから貼り合わせるとしっかり接着します。まずは外側を貼り、その後内側、とのツーステップで手順を踏んでみた。

貼り合わせてギュッ、ギュッと力を込める。その後同様に内側も糊づけ。

ソックシートも4,5センチ剥がし、補強パーツのジグザクを押し込んだうえで再度糊付けして元に戻す。

おお。

少し当初位置よりずれたか。左右均等に貼れてません。まあよい。で、タイトめなシューツリーを入れて小一時間乾燥させたら最後の仕上げです。

先程のイラストマーカーで色ムラを補正。

サンドペーパーを掛け過ぎた部分もこいつで補色。

2年放置してましたので、最後にTAPIRレダーオイル&コロニル1909(ニュートラル)でアッパー全体を整えたらリペア&メンテ完了です。

 

【BEFORE】

【AFTER】

おお、いい感じではないか。

 

【BEFORE】

【AFTER】

色は若干差異がありますが、履きながらクリームなど入れて馴染ませよう。

履けば見えない箇所だし、

馴染んでいく過程を眺めるのもまた楽し。

さて、最後に、

 

 

【3】素人がDIYリペアを実施する際の考え方

プロならばもっときれいに仕上がるでしょう。素人にはこれが関の山なわけですが、まあ、それでよいかと。私の場合、基本的な考え方は以下の通りです。

 

 

上記表は2年前の記事「リペアグッズとリペア予定」でご紹介したものです。プロと素人の違いを整理したものですが、あらためて自分自身で修理を行うDIYリペアにおいてのポイント・考え方をかいつまみますと、

 

【必要条件】機能的に回復し使用に問題がない
【十分条件】見た目に修繕したとは分からない

とし、

「仕上がりの美しさは求めない」

こととする。実施に当たっては、

①裏&内側などそもそも見えない箇所で補強する
②隠しようもないときあえて修理痕を見&魅せる
③可能な限りノリ貼りによる補強のみで完結する

 

以上を基本項目として、自分でリペアするかプロに任せるかを検討決定する、というのを私の基本スタンスとすることにした次第です。もちろん、プロに頼むこともありますが、自分でできそうなことならやってみたい。コストも少なくて済むし、何より作業自体が、それを楽しむこと自体が目的の「趣味」だからです。ただ、失敗することもありますので、判断に当たっては「割り切り」が必要ですね(参考:「カテゴリー: 1-6)自分でリペア」記事一覧)。

 

今回の自己評価としては、

 

【BEFORE】

【AFTER】

美しくはないけれど、

踵側で履き口付近ということでパンツの裾で目立ちことも一切ないし、

機能面では回復させることができました。

いつでもローテーションの仲間入りができます。

 

【BEFORE】

【AFTER】

 

概ねオーケーではないかな。

フェイクな縫い目の「穴」がもう少しきちんと等間隔でかつ整列していれば尚良かったのですが、初の取り組みゆえ致し方なし。次はもう少しきれいに仕上がるでしょう。

繰り返しとなりますが、そもそも美しさは二の次としてます。機能的な改善が図れれば最低限のミッションはコンプリートできたかと。

 

 

2年の時を経て蘇った英国ビンテージ。

今回のDIYでのリペア作業、費用は「革」が千円、電気コテが千円。ダイアボンドは180mlの大容量は2700円ほどしますが少量の25ml×2本入りだと千円で買えるので、トータルで三千円ほどでオーケー。革もボンドもあと5足分以上は残ってます。時間は日曜の朝8時半から12時前までで、乾燥時間含め合計で3時間強。

お手軽で簡単で、それでいてとても楽しい時間を過ごせました。これはもう「余暇のレジャー」といえるのではなかろうか。これこそ私の求めているモノであります。まだ一度しか履いてませんが、もうね、なんだかとても愛着が湧いてます。これぞまさに「ビン靴を履いて楽しむ喜び」なのであろうと思う。

 

余は満足じゃ。

 

(おしまい)

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