Fratelli Borgioli のメンテ

こんにちは、ばしです。

 

三連休にパソコンを買い替えました。

正月3日の夕方に不調を来たした5年か6年目となる我がPC。修理したらかなり費用がかかるとのこと。いやはや、年始早々手痛い出費となってしまいましたが、今日からようやく通常モードです。

不具合が出た後いったん復活したため、住所録など最低限必要なものはバックアップをとれましたので、被害は最小限で済んだのが不幸中の幸いでした。とはいえ、いやあ、ほんとイタかったです。

だからというわけではないのですが、今回は久々に買ったイタ靴です。11月に購入したのですが、色々と弄(いじく)らないと履けない奴で、のんびりと手入れしてたらなんやかんやで2ヶ月弱かかりました。

こんなやつ。

 

 

Fratelli Borgioli

フラテッリ・ボルジョーリ、

という1946年創業のイタリアのメイカーだそうです。「フラテッリ」といえば「ジャコメッティ」しか知りませんでした。ボルジョーリは「高級素材と巧みなクラフトマンシップの探求が哲学のブランド」なのだそうです。どのくらいメジャーなのでしょう、すみません、イタ靴は詳しくなくて。

ソックシートにある通り「ITAL STYLE」向けのようです。2000年代くらい、クラシコイタリアが流行ったころのペアではないかと推察します。いつものセカストの雑多な靴コーナーに夏過ぎから鎮座しておりました。で、秋になり、予想通り税込み2000円でお釣り、にまで値下がった時点で拾ってまいりました。

冒頭の紹介の通り、手を入れないと履けないのですが、なんでそんなのを拾ってきたかと方と言いますと、

「黒いアッパー ✕ 白のステッチ」

この組み合わせのペアをずっと探していたのでした。相当に以前、学生時代に雑誌で見かけて以来、妙に頭の片隅から離れずにいた白ステッチの黒いペア。ほとんど忘れかけてた三十数年後の今になって、ようやくそんな感じのやつに出会ったのでした。

ボルジョーリでもどこで、ブランドなんてなんでも良かった。ただし、本格的なちゃんとした作りのやつで、お安いやつ所望です。おお、まさに願ったりかなったりです。ただ、ほんとに、このまま履くにはかなりみすぼらしい状態です。

踵内側にスレ。まあ、これはそのままでも問題ないかな。
ただ、紐はかなり薄汚れた上に、先に何かついてます。

これ。革が巻き付けてあります。
こういう仕様は初めてみました。
よくあるものなんですかね?

トップリフト。これはだめですね。手当てが必要です。

ソール中央にはダメージ。薄皮1枚分薄くなって穴が開いた感じです。ただし、ダメージの程度は見た目ほどではなく、塞ぎさえすれば使用には問題なさそうです。

とはいえ、おお、これぞまさにボロジョーリです。サンダルだったらもっとよかったのにね。ボロゾウリ、なんちゃって。ええ、それが言いたかったことも、こいつを拾ってきた理由の一つです。

 

さて、どこから行きましょう。
とりあえずアッパーを手入れしながら考えましょう。

まずは紐をほどく。

先端のやつ、切り落としました。紐そのものが汚いし、交換しよう。こいつは処分です。

内側。縫い目が見えます。マッケイでしょうか。

いえ、コバ部分、内側ギリギリのところにステッチが。ブレイクラピッド製法のようです。見た目に華奢なマッケイはどちらかといえば好みではありません。コバに出し縫い糸がみえると落ち着く私です。

さて、行きましょう。
いつも通り、まずは左足から。

 

ステインリムーバー

汚れもワックスもほとんどなし。

 

LEXOL

なんだけれど、いつも通りの手順で。

 

リッチデリケートクリーム

「もどき」ではなく、ええほうの奴で。

 

リッチモイスチャー

もちもちになるやつ。

 

TAPIR レダーオイル

油分補給&保革。

 

コロニル1909(無色)

ステッチが白ですので、クリームもカラーレスで。

右も同様の手順でアッパーは終了です。

爪先には傷などありますが、あまり気にならない私です。
ま、すっきりしたでしょう。

 

ここまでが昨年のことです。
年始早々続きをやりました。

取り出したるは謎の黒い奴。
こいつ、何かといいますと、

中古の財布です。
セカストで200円。財布が欲しかったわけではありません。真っ黒の、少し薄手の革が欲しかった。ここからDIY三連発です。

 

DIYその①:タッセル自作

デフォルトの紐はちょん切った上に処分しちゃいました。アッパーが黒✕ステッチが白のツートンカラーですので、紐も当初通りツートンにしよう。

先ほどの革の財布を一部切り出して加工作業です。

切り目を入れていきます。

端から端まで、切れ目入れ作業完成です。

4分の1に切って、丸めてたらこんな感じ。糸で縛ってみましたが、穴が小さくなってしまい靴紐が入りません。なもんで、

ボンドでとめることにしました。
セロテープで固定して乾燥です。

靴紐は新調しました。太めのベージュの75センチ。
3穴には少し長めな印象ですが、

装着してみました。なんか締まりがないな。たぶん、作り方を間違えているように思います。フリンジの上部分だけにぐるりと帯が巻かれないといけないんだと思いますが、そうなっていない。まあ、とりあえず今回はこのままで。

内側はこんな感じ。すっぽりと抜けぬよう、内側で結び目を作りますので、その分だけプラスアルファの長さが必要です。

 

さて、乾いたようなのでセロテープ外しました。75センチでちょうど、でしょうかね。まずまずいい感じぽいな。先が少し広がり気味なのが気になります。ちなみに、お手本はこいつなのでした。

ずいぶん以前に転がしたスコッチグレイン。なんか、全然違いますね。ま、そんなこともあるでしょう。見なかったことにしましょう。

よしっ。遠目でなら問題なしです笑。
変に思えてきた時点で外すなりやり直せばいい。まずはこのままでいいや。
タッセル、自作終了~。

お次。

 

DIYその②:ソールの修理

底の穴。左右ともに似たような感じです。

百均の靴底修理材。今回はこいつで行きます。
当初はプロに、踵とハーフラバーの両方をお願いしようかと思ってたのですが、今年からもっと重篤なやつをリペアに出して復活させることにしましたので、こいつは自分で安く仕上げましょう。

穴さえ塞げば使用には問題なさそうですし、仮に登板回数が多くなったとしてもせいぜい月1回程度です。しばらくはこいつで様子見ても全然かまわないでしょう。

2枚&サンドペーパー入りで110円。ソールの接着面をサンドペーパーでならした上で、シールが仕込まれた凸凹ゴムシートを貼り合わせる、というシンプルなものです。

5分ほどで作業完了です。あとで足を入れて体重をかけて圧着させよう。こいつは、滑り止めとソールの摩耗防止という点で結構使えるかもしれないな。履き心地に問題がなければまとめ買いしてもいいかも。

最後。

 

DIYその③:トップリフトの補修

削れたトップリフト。

右。

左。こちらのほうが酷い。
こいつも自分で補修しました。

じゃーん♫

今回のメーンエベントです。サンスターさんの靴底修理材買ってみました。いつもなら「シューグー」なのですが、乾燥に時間がかかる上に肉瘦せするのが難点です。こいつは、熱湯に浸けたら5分で固まるらしく、肉痩せもしづらいらしい。存在は前から知ってたのですが、機会がなくて。こんな感じで進めるらしい。

 

手順①②

手順③④

簡単そうです。

説明書と各種キットが入ってます。作業時にはケースも重要なツールとなりますので、丁寧に開梱しましょう。ケースがどのように使われれるかと言いますと、

こんな感じ。あ、わかり辛いですね。
サイドビュー。

こんな感じ。靴を付属の洗濯ばさみでケースに取り付け、補修面が宙に浮いた状態で熱湯に浸けて固める、との算段のようです。

 

さて、早速やってみましょう。

トップリフトの外側に沿って付属の透明のシートを装着します。左右1ペアずつ入ってますが、使い捨て、かな? 透明のクリアファイルで代用できそうです。

盛ってみました。
付属の手袋は必ず装着しましょう。手につくとなかなか綺麗に除去できません。手袋についた状態で何かに触るとそこが黒く汚れます。屋外で、新聞紙などを敷いて、汚してはいけないものが無い状態で行うのがおススメです。

透明シートの外側のは問題ないでしょう。垂れてきたりはしないようなので、しっかりと形を整えたいところですが、いじくればそれだけ形も乱れます。少々コツが要りそうです。

地面に置いて、装着しました。
ここに熱湯(80度以上)を注ぎます。

今回は湧き立ての熱いやつをINしてみました。

しっかり浸かりました。

この状態で待つことたったの5分。

完了!

どうでしょう?

接地面は凸凹してますが、横から見る限り綺麗に仕上がってます。こんな近くで見られることはないでしょうから十分でしょう。

削れの酷かった左足も。

あ、窪みが・・・。
乾燥して肉痩せしたわけではなく、そもそも盛る量が少し足らなかったようです。黒いから盛り加減が分かりづらいんですよね。追加施術しましょう。

追加で盛って、

ドライヤーの熱風を当てる。
厚く盛る際は熱湯でないと駄目なようですが、薄めに盛る場合はドライヤーでも固まるらしいです。3分ほど熱風に当てました。

おお、見た目は別にして盛れました。底ですし、そのうち削れてフラットになるでしょう。

 

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さて、これにてリペア完了です。

 

【BEFORE】

【AFTER】

写真の色目がかなり違うな。
ビフォーアフターはやめよう。

ソールのラバー、あまり目立ちません。

踵の修理痕もあまり目立たない。いい感じです。

タッセルは・・・。ちゃちい。で、紐は、色目は当初どおりですが、少し太くなってしまった。まあ、これは今後どうするか、課題ですな。折角なんで、当面はこのままで。

 

さて、サイズ確認です。

うん、いい感じです。このままでいいでしょう。
正月休み明けにさっそく履き下ろしてみました。

休日用なんで靴下もやや厚手ですが、ノープロブレム、サイズ感はこれでちょうどいい感じです。ただ折角の「黒アッパー✕白ステッチ」なのに、紐周りが目立ち過ぎかもね。遠目だと白のステッチだと全く分かりません。黒の細い紐でもドレッシーかもしれないし、いっそのこと真っ白な紐でもいいかもね。

家内からは「タッセルも白のほうがいいんでない?」とのコメントも。
うーん、まあ、それもありですな。ただ・・・、

 

 

もうね、なんだかんだと弄っておりますと、良くも悪くもそれに見慣れてくるんですよね。白に変えたほうがいいような気もするし、別にこのままでもいいような気もするし、何もない方がいいような気もしなくもない。何がいいのか、もう、よくワカラナイ。

ですが、きっとそれは私だけでなく、他の人も同様なはず。どんな風でもすぐに見慣れるでしょう。いや、そもそも誰も他人様の足元なんてそんな気にして見てないし。色々と変えたり弄ったり、好きに楽しんでみます。とりあえず、素人感の強すぎるタッセルだけは早めにやり直そう。

 

こう見えて結構「気にしい」な私です。

 

(おしまい)

 

2件のコメント

  1. こんにちは
    復活待ちわびていました。そして久しぶりのがっつりDIY 読み応えありました。

    タッセルの自作、自分も昔やったことがあるような気がするので記憶を思い出してみると‥
    柄の付いた櫛のような形に裁断して、くるくると巻いて最後は櫛の柄の部分にあたる細革を巻き付けた記憶があります。その出来栄えがよかったのかどうか覚えていませんが(笑)

    そして新兵器の底修理剤!作業方法も独特で面白い!シューグーよりきれいに仕上がってますね!これは使ってみたくなりました。自分もすり減った靴がたくさんあるので(笑)
    これで耐久性もあれば是非僕もトライしてみたいです。

    1. 三十郎さん
      ありがとうございます。タッセル、櫛型ですね、なるほど、近々やってみます。
      靴底修理の新兵器はなかなかグッドです。簡単ですし、何より、1本で5~6足以上は軽く行けそうで、
      コストパフォーマンスがかなり良さそうです。どの程度の耐久性か、またレポートしますね。

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