GRENSONのダブルモンク(転がす専用その6)

こんにちは、ばしです。

 

このところの寒さが少し緩んだ先週水曜日。

私用で有給休暇を取得しておりました。朝から夕方までのはずが、スケジュール変更となり14時前には予定終了。冬の陽射しが眩しい平日の午後の時間がぽっかりとフリーになりました。さて、こんなとき、貴方ならどうしますか?

私の場合は・・・、

 

 

おおっ、デジャブです。
いや、デジャヴュ、か。

そう、先週水曜日は2足メンテしていたのでした。1足は旧いJARMANのキャップトゥ。転がすつもりがマイサイズで、結局自分で履くことになりました。

もう1足は逆立ちしても履けない、私には小さめサイズのやつ。今月半ば過ぎにセカストの雑多な靴コーナーから保護しメンテした上で、目論見通りソッコー転がしました。グッジョブ、俺。

今回の転がす専用は、こいつ。

 

 

GRENSON G2 ダブルモンク

紅いソックシートのグレンソン。
めちゃカッコイイ&カワイイです。
インド製で、「G2」というのラインのペアです。

紅いんですぐにそうと分かります。知ってる人は、ね。昔のグレンソンしか知らない人には全く別のメイカーのペアに見えるでしょうね。このG2のラインのペアは今回で3足目です。そこそこ転がるので、今回も転がすことを前提に拾ってきまし。

ちなみに、「転がす専用」といいますのは、確実に転がりそうなやつを安く拾って来て、安く出品して、できれば24時間以内に発送して、メンテ代程度の手間賃の粗利を得て、それらをこつこつ貯めて手持ちのビン靴の修理費用に充当する、という趣旨のものです(参考「転がす専用」記事一覧)。今回も出品後丸1日ほどで新たな持ち主が決まり、目出度く旅立っていったのでした。

まずはこの個体のディテールご紹介。

 

 

ステインリムーバー

爪先が薄茶です。色褪せたのではなく、恐らく元々がこんなムラ感のあるカラーリングのアッパーのようです。

 

LEXOL

ワックス等の類は何も入っていないようでした。

 

リッチデリケートクリーム

ガラスレザーではないのですが、顔料系でしょうか。あまり染み込みません。

 

TAPIR レダーオイル

色目は濃くなりました。染みた?オイルは染みる?
うーん、どうなのでしょう。

 

コロニル1909(コイチャ)

少しだけ茶を入れてみました。

スッキリしたのはTAPIRの所為ですかね。コバ周りにもオイルが入って、いい塩梅になりました。

 

【BEFORE】

【AFTER】

手を掛けた分だけは応えくれた、といった感じでしょうか。
アッパーはすっきりはしましたし、ビブラムの分厚いラバーソールが装着されていて、なかなかカッコイイスタイルです。

ダブルモンクのストラップは爪先側は足首側はゴムです。

若干伸びてます。ストラップを外さずに脱ぎ履きしてたんでしょうね。手間かもしれないけど、都度ストラップを外して履けばここまで酷くはならないのにね。もったいない。まあ、すでに伸びてますし、変に都度外すよりはこのままの状態でおいた方がよいかもしれません。

「4085」がモデルナンバーなのでしょうか。サイズはUK5.5=24.0-24.5cm相当。男性でも女性でも、どちらでも行けそうなサイズ感です。購入いただいた方が男性なのか女性なのかはよく分かりませんが、このスタイルのペアが5000円ちょっとならまずまずお買い得ではないでしょうかね。

今回で3度目の旅立ちとなったG2。

1足目はこいつでした。

 

PERCY

ちょうど4年前ヤフオクで買った1.5万円のG2「PERCY」。

なかなか素敵なペアだったのですが、私には少し大きくて。結局1年くらいしてから買い値と同じくらいの値段で旅立たせました。縫製は少しばかり雑でしたし、アッパーも上等とは言えなかったものの、全体的な仕上がりは結構いい靴だな、と思ってたんですが・・・。

 

2足目のG2

今年の秋に拾ってきた転がす専用なやつ。

見た目にカジュアルなこいつ、買い値も売り値も相当にカジュアルな1足でした。で、アッパーの革質も相当にカジュアルになってました。。。スタイルも悪くないし、ソールも分厚いビブラム、カッコよくはあるのですが、アッパーの革質が、、、。上質でもないし、厚みもかなり薄い。さきほどの1足目と比べますと、かなりコストダウンが図られたかのような印象をぬぐえない。

 

で、今回の3足目。

2足目と同様、アッパーの革質はそんな褒められたものではなかったです。ただ、ガラスレザーだし、見た目の印象は悪くないし、アッパーも2足目よりは分厚い。で、ヒールカップもこの通り適度にグラマラスで、まずまずの出来だなとの印象です。

 

まあ、いずれにせよ、1980-90s頃の「FOOTMASTER」なんかと比べますと、同じグレンソンでも「別モノ」であること間違いない「G2」。別のシューメイカーになったのかと思うくらいです。なんでここまで変わったのかな?

と思ったら、別ラインがちゃんとあるらしいです。G2の上には「G-ONE」というのがあるらしい。G2がインド製なのに対してG-ONEはきちんと英国製とのこと。で、その上に「G-ZERO」なる最上位のアッパーラインが存在するとのこと。

 

 

OTOKOMAE 男前研究所さんのグレンソンの記事に詳しく紹介されてました。いやあ、勉強不足でした。すみません。

G-TWO(と表記するようです)のラインはカジュアルなラインで、他のモデルに比べてコストを飛躍的に抑えており、安いものだと2万円前後でグレンソンの靴を堪能できる、とのこと。とはいえ、グレンソンの「エントリーライン」、というにはモノは別物のような気がしなくもない。G-TWOを履いた若者が次はG-ONEを買いたい、というようにステップアップしていくような気がしないのですがどうなのでしょう。

 

歴史と伝統を誇るとはいえ、英国靴の中でもそのスタイルが変わらな過ぎて、ともすれば「もっさり」した印象だったグレンソンですが、2005年に著名なシューズデザイナーであるティム・リトル(Tim Little)氏をクリエイティブディレクターとして招いたことで、新たな道を開拓することとなったようです。

「これまでのような骨太な職人気質を守りつつも、モダンな要素をプラス。質実剛健なだけでなく、モダンさを加えた新作で再び脚光を浴び、ブランドは復活を遂げた。」らしい。

 

 

確かに、これを見てすぐにグレンソンのペアと分かる人はそうはいなさそうです。古いグレンソンのイメージは皆無で、相当にカッコいいです。オッサン向けではないですが、若い人の足元だとかなり素敵ではあるな。ま、だから拾ってきたんですけどね。

別に、G-TWOからG-ONE、G-ZEROへとステップアップしての購買活動につながらなくとも、G-TWOライン単体で収益が上がるのであれば、営業戦略的にはそれはそれでありなのでしょう。

「復活」ということですが、業績面・財務面では具体的にどんなふうに復活したんでしょうかね。見た目には大きな変化を遂げたように見えますが、実は道のりはまだ途中で、描いたシナリオにはまだ先があるのかもしれない。

ビン靴&ユーズド専門の私ですが、グレンソンは気になる老舗ブランドです。今後どんな展開を見せるのか、今しばらく注目させて頂こうと思います。

 

(おしまい)

 

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