紅いエアハラチ

こんにちは、ばしです。

 

お盆とお彼岸には必ず墓参りに行きます。

東京にいた頃は流石に行けなかったけど、大阪に帰ってきてからのこの十数年はよほどのことがない限りできるだけ足を運ぶようにしてます。子供の頃からの習わしです。この墓参り用の籐の籠も実家にいたころから使ってるもう何十年も前のやつです。ビンテージ、だな。

ところで、

ひとくちにご先祖様といいましても、自分に縁(ゆかり)のある人はそりゃもの凄い沢山おられます。1人につき親が二人いて、それぞれの親にまた親が二人、そのまたそれぞれにまた・・・。n代前までの先祖全員の人数は、

「(2のn乗-1)×2」

で計算できるそうです。この数式に当てはめると、両親を一代前として九代遡ると1022人、十代遡ると2046人と相当な人数になります。

仮に過去十代それぞれが25歳の時に子を授かったとして250年前、30歳の時とすれば300年前。江戸時代ですね。ただ、実際には室町時代も鎌倉時代にもご先祖はいて、遺伝子の系譜はさらに過去へとつながってゆく・・・。おお、五百年千年二千年と遡っていったら一体全体何人のご先祖様がおられることやら。

ただまあ、そんなご先祖の血を引く人もあまたいるわけです。1人につき子供が2人とすれば同じように十代で二千人以上、十代目だけで千人以上の子孫がいることになる。ですが、今の時代、皆がみな常日頃からご先祖様に感謝の気持ちを示しているわけではない。しめしめ、抜け駆けしとこう、ここはあらためて名乗りを上げておこう。

おーい、貴方の子孫が此処にいるぞ!

別に、何をどうこうしてくれだなんてお願いする気はさらさらない。むしろ感謝してます。誰かひとり欠けただけで今の自分はなかったわけで。そういう意味では奇跡です。そんな奇跡に頼みごとをするつもりはないけれど、まあ、応援などしてくれたら嬉しいぞ、そんな気持ちです。

声援くらいもらってもいいよね。どうせ自分も先々はあの世から子孫にエールを送る側になるわけですし。それに、ご先祖も今この世で生きてる自分の子孫の状況を知りたいでしょうし、頑張ってる姿を見せるのもまた我々子孫の役目でもあり、まあ、お互い様ではないかな。

で、なんせ世代を九代遡っただけで千人のご先祖様がいるわけです。千人からのエールです。まさに千人力。そんな最強の応援団が自分のうしろにいるのといないのとでは心強さも大違いです。そう、僕の背中にはいつも千人万人の応援団がエールを送ってくれているのです。

まあね、お墓にご先祖が千人おられるわけではないし、そもそもこんなのは先祖供養というものの本質ではないのでしょうけれども、そんな考え方もあるのではないか、ご先祖様とのそんなコミュニケーションの取り方もあってもいいのではないか。

お盆とお彼岸には、そんな風に思いを巡らせながら、声援へのお礼と近況報告方々お墓参りに出掛ける私です。

 

 

☆★☆★☆★☆

 

 

・・・さて、

前置き長くなりました、ここからが本編です。

今年の春のお彼岸は3/17(日)から23(土)までの1週間でした。ちょうど真ん中の3/20(水)が祝日ということでこの日を予定しておりましたが、その前の週末から胃腸炎でダウン。結局、最終日の23(土)に雨の中、お墓のある堺市へと車を走らせたのでした。

往きは高速道路。で、帰りは一般道で自宅のある八尾へと向かいます。墓地から自宅まで、くねくねと寄り道まわり道しながらリユースショップを5軒ほどパトロールするのがルーティンです。これまでを振り返りますと、墓参りの帰り道は結構素敵な出会いが多いんですよね。おお、ご先祖様、今回もよろしくたの・・・、いや、頼みはしないけど、応援しててね。

てなことで、

その甲斐もあってこの日は目出度く3足ゲット。

メンズ1足レディス2足。
ナイキ1足リーガル2足。
早速1足メンテしました。

まずはこいつ。

 

 

 

ナイキ・エアハラチ

ナイキです。
ハラチです。

大人になってから初めて買ったナイキのスニーカーは初代のエア・マックスでした。大学1年の夏だから1988年、ということになりますかね。で、2足目が「エアハラチ」。買ったのは2000年頃、三十歳くらいのことです。

メキシコの伝統的なサンダル「ワラチ」からインスピレーションを受けて開発されたナイキの1990年代を代表するモデル、それがハラチ。リリースは1991年なのだそう。おお、かなりのロングセラーですね。

そりゃね、この見た目です。

カッケーです。で、履いたことある人はご存知でしょうが、足を包み込むようなアッパーとクッション性のあるソールとで非常に履き心地が良いのです。

踵のラバーストラップ。

ハラチの最大の特徴のひとつかと思いますが、初めて見たときはとてもハイテクな感じに思えました。で、なんというか、カラーリングによってはガンダムっぽいなあと。

今回のは紅い。
こいつはガンダムというよりは「シャア」だな。

ただ、少々ぼろい。

いや、ぼろく見えるだけでそんな履きこまれてはいない。ダメージはほぼなし。こいつを拾ってきた最大の理由がこれ。

アッパーのレザー部分。

スムーズレザーにペイズリーの型押しが施されてるんですよね。乾燥して色褪せてはおりますが、保湿して整えたらかなりキレイに復活するのではないか。どんな風に変化するか見てみたい。メンテし甲斐がありそう。

レディスサイズです。

嫁か娘が履くかも。彼女らの好みでないなら欲しい人に履いてもらおう。今回もまた二千円でお釣りです。転がして手数料送料差っ引いても損はしないのではないか。てなことで、

娘が履くか、嫁が履くか。
はたまた転がすことになるのか。
早めに白黒つけよう。

メンテです。
いつも通りまずは左足から。
さくっと行きました。

 

 

LEXOL

いつものステインリムーバーは割愛。

汚れ落としは1種でよいでしょう。液体のステインリムーバーはこのアッパーには染み過ぎそうなんで、少し粘度のあるレクソルにしてみた。

おお、水分を含んだだけで随分色濃くなりました。デフォルトがどんな色目か知りませんが、このくらい濃い方が好みです。

糸がぴょんぴょん。

火あぶりの刑。

 

デリケートクリームもどき

何がどの程度必要かは分かりません。

まあ、いつもの感じで、

行ってみよう。
普段なら次はリッチモイスチャー&TAPIRなわけですが、そこまでは要らんでしょう。紅が色濃くなりましたが、乾いたら元に戻るかも。それはやなんで補色です。

 

コロニル1909 バーガンディ

娘からもらった誕プレ投入。

色目もいい感じなのですが、

ソールとの境目を攻めるとこうなる。

除光液と「激落ちくん消しゴム」投入。

ゴシゴシやればきれいに落ちるのですが、少しばかり手間ではある。次回はマスキングテープで目張りしよう。

さて、このままだとパンツの裾が紅くなりかねないです。
予防しよう。

 

ブラッシング

相当しっかり拭いて磨きましたが、アッパーは型押しの所為で凹凸があります。隙間に入り込んでるやつもいるかも。ということで、入念に入念にブラッシングして余分なクリームを除去です。

さらに、

 

トラディショナルワックス

艶出しの意味もありますが、ニュートラルのワックスをしっかり塗り込むことで、先程の紅の上に透明の膜を張りたい。

しっかり磨いた後、しっかりブラッシングしました。

うん、いい感じではないでしょうか。

右足も同様の手順で仕上げらたメンテ完了です。

おお!私好みです。
で、お気づきでしょうか。

セルがない。

ぼろぼろだったんでカットオフしました。ただ、セルがないと紐が通せないのではないか、とのご質問が飛んできそうです。ええ、そうです。今回はこいつ使いました。

娘か嫁のヘアピン。

少し力が要りましたが、こんな感じでなんとかクリア。

ただ、このままではいずれまたほつれてくる。
応急手当しよう。

裁縫オヤジ見参。

以前何かの目的で買った透明の糸を使い、端を縫い、くるくる巻き、縫い、を繰り返してそれっぽくしてみた。

イマイチと言えばそうかも。ですが、他人のスニーカーのセルがどうなってるかなんて誰も気にしてないでしょう笑。

よし、これにてメンテ完了です。

 

 

【BEFORE】

【AFTER】

うん、すっきりしました。
よろしいのではないか。

 

【BEFORE】

【AFTER】

ほう、素敵ではないか。

ただ、

この色目でこの地模様のスニーカーって、どういった人が好みなんでしょうね?綺麗にしたい一心で買ってきてメンテしてみましたが、そもそも女性の好みや流行りとかって、とんと疎い私です。

歩き心地・履き心地は間違いないでしょうが、さて、好みの五月蠅い娘のスタイルに合うのであろうか。さっそく訊いてみた。

 

 

結果は、、、

「要らんわ」

とのこと。NGでした。涙。
何がいけなかったのでしょう。
色?柄?そもそものスタイル?
訊き方が悪かったかのかも。

「どない?」

が良くなかったか。
「deny」だから「でない」と否定された?

「どう?」

と訊けばよかったかな。
「DO!」で「どぅ!」と前向きな感じ。

けどまあ、そんなことはもうどうでもよろしい。
結果は前向きでなくとも前へ進まねばなりません。

早速売り出し中です。

こいつ、売れるのでしょうか?
靴が「赤」というのが気になる。
赤は「赤字」の「赤」です。
縁起悪いな。てなわけで、
こいつは「紅いハラチ」ということにしました。

現在4500円で出品中。
幾らで売れるのでしょうか。
2800円以上で売れたら損はなし。
そのくらいなら大丈夫ではないか。
まあ、それだとタダ働きですが、
綺麗になって靴も喜んでいることでしょう。

 

 恩返し、あるかも。

 

(おしまい)

 

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