オーツカ・トラディショナル

こんにちは、ばしです。

 

5月の終わり頃のことです。

メルカリに出品中の高めの価格帯のビン靴が旅立っていきました。おお、このところ売りも買いもかなり滞りがちだったけど、世の中的にいよいよ動き出すのかな。いやあ、ようやくですかね。この時を待っていたのさ。

よし、ならば、と、月末に仕事帰りに近所のいつものリユースショップを覗いてみましたところ、やはり居りました。ええ、いつもの雑多な靴コーナーです。この手の予感は外れない、外さない私です。

 

こいつ。

 

 

 

オーツカのコブラヴァンプ

なかなかに存在感のあるペアです。税別1300円と、ビン靴フリークにとっては捨て置けない値札、あ、いや、古靴です。ロゴのデザインを見ますと、実際かなり旧そうなペアに思われます。

“Otsuka SHOES Traditional”

ロゴには富士山のシルエット。
素敵です。この「トラディショナル」なるラインは、1967(昭和42)年に同社の創業95周年を記念して発表された、アメリカのニューイングランド調の高級ラインなのだそうです。そう、大塚製靴の創業は1872年。日本で最も古いシューメイカーです。

 

それだけでなく、

その創業は英国チャーチの1年前で、米国フローシャイムより20年も古い。米英の名だたるシューメイカーと比べてもその歴史において全く引けを取りません。皇室御用達のまさに名実ともに日本を代表する老舗シューメイカー、それが大塚製靴。

このラインが1967年リリース、ということは、私とほぼ同世代です。そういえば、このくらい旧い年代のレディメイドのジャパンビンテージはこいつが初めてかもしれません。

トップリフトは多少すり減っていますがオリジナルのままです。これは私にとって結構貴重な1足となりそうな予感。

サイズ表記は25。履けるかな、ギリギリかな。
折角だから履きたいな。しっかり手入れした上で足を入れてサイズ確認です。

よし、メンテです、儀式です。
今回は両足同時で進めてみました。

 

 

ステインリムーバー

陽射しの加減か、少し写真が青みがかってます。
うまく補正しきれませんで、ご容赦ください。

そうそう、実物はこんな色味です。
ワックスは厚く塗り込まれた様子はありませんでした。

 

Lexol

いつもの手順で。

出し縫い糸のあたりは歯ブラシでしっかりと掻き出す。

 

 

RenoMat リムーバー

このところしばしば活躍中のこいつ。
ルーティンに加えるか否か思案中です。

透明のワックスとか塗られてるかもしれないので、念には念を入れました。見た目の変化はそれほどではありませんが、マット感が増してます。余分な汚れなどは根こそぎ除去できたように思われます。モカ周囲の皺に入り込んだクロズミなども歯ブラシで綺麗にしました。

 

 

デリケートクリームもどき

百均のヒト用のやつをたっぷりと。

盛り上がるくらいたっぷりと。で、5分ほど放置です。

アッパーは顔料系のレザーかと思うのですが、クリームはそれなりに浸透しているようです。何分古いペアですし、程度はさておきそれなりに乾燥しがちではあるでしょう。浸透ムラによる色ムラの防止の意味から前工程でレノマットを投入した次第です。

レノマットにつきましては、今回のペア1足だけで効果のほどを云々とは言えませんが、しばらくはこの工程(レノマット→もどき)をマストにして日常使用の是非を検証してみようと思います。

 

さて、さらに5分待って、
ウエスでしっかりと磨いてみました。

おおっ、かなり良い感じです。
大変艶やかに仕上がりました。
もう、このままでもよくね? 

いやまあ、そうなんだけれども、
折角なんで、いつもの手順最後まで行こう。

 

 

TAPIR レダーオイル

油分補給&保革。

まあ、いつも通り。

で、油分補給しましたのでしばし浸透させます。その間にいつも通り、ソールの手入れです。

 

ソールトニック、ほか

ソールトニックをぬりぬり。液体がすーっと染み込みます。

Mモウブレイ・トラディショナルワックスを塗り込んでしっかりとブラッシング。この後、ぼろ布でしっかり磨きこんだら、アッパーもソールもまるごとコロニルで仕上げです。

 

コロニル1909ムショク

メンテ、完了!

おお、なかなかの迫力です。

 

【BEFORE】

【AFTER】

シューツリーを入れるとしゃきっとしますね。
しばらくこのままにしておこう。

 

【BEFORE】

【AFTER】

アッパーの艶やかさがかなり戻ってきたような。

擦れや傷もなくグッドコンディションなアッパー。

モカ部分の割れもなし。

履き口周辺もダメージ等はありません。

ステッチも均等で全体的に緩み等もなし。
丁寧かつしっかりとした造りです。

大変素晴らしいです。

さて、あとはサイズ感です。
履けるでしょうか。足を入れてみました。

 

おお!青っぽいです!

いや、そうではなく、、、甲の周りはタイトめジャストサイズ。素足で何とか入ります。爪先周りは幅広で足指が中で動かせるくらいです。フットプリントも違和感全くなくて、素足でちょうど良い感じです。

ただ・・・、

シューツリーを入れてテンションがかかりますと、写真のようにソールがやや波打ちます。ソール中央部あたりが若干減っているのかもしれません。履かれた程度やそれによる消耗は見ただけでは分からないことも多いです。

中古靴の状態については、

「何年くらい、何回くらい履いたか」といった使用頻度ばかり強調されますが、「体重何キロの人が履いていたか」の影響が無視できないほどに大きいように思います。使用頻度は僅かでも、ウェイトのある人に履かれることは靴にとっては結構な負荷です。

今回のペアは、アッパーの状態やヒールの消耗の程度の割にはソールがややへたり気味です。それなりにウェイトのある人が履いていたのかもしれません。「履き心地に問題あり」というほどではないのですが、なにがしか今の時点で手を入れておいた方が良さそうです。

大き目サイズなら厚手のクッション性のある中敷きを入れるところですが、素足でジャストにつきその選択肢は今回はありません。そうした場合は外側から、ハーフラバーを施すのが良いのでしょうが、1300円の靴に施すには修理代が高くつき過ぎる。

 

そんな時はこいつでDIY。

百均のリペアグッズ。

以前、Fratelli Borgioli の底の修理に使ってみました。前回はDAISOで購入。今回は近所のDAISOさんのが売り切れだったので、SERIAでゲットしました。この手の商品って人気なんですかね? 次欲しいときにないと困るので3セット買っときました。

 

こいつを「滑り止め」&「今以上の摩耗防止」&「補強」の目的で貼りつけます。

履いたまんまで作業です。
付属のサンドペーパーで貼付箇所を擦る。

貼る。

両足に貼ったら履いたままで足を踏み鳴らす。爪先側にしっかりと体重をかけ、糊を圧着させたら完了です。

素足でしか履けないタイトさ加減ですが、低めの甲に幅広の爪先で、足の形を選ぶサイズ感のように思われます。幸い私の足はこの靴にとってストライクゾーンのようです。

ね、かなり幅広です。フローシャイムなど米国製のコブラヴァンプはも少しシュッとしてますよね。比べるともっさりした印象ですが、まあ、愛嬌があってかわいいな。

 

で、そういえば、

こんなのがありました。

何かの中古靴を買ったときにこいつに入って届いたのでした。

最近のオーツカの箱のようです。スエードではないけど、ウイズも3Eでもないけれど、25センチだし、ちょうどよさげです。

この箱は当面このペア用にしよう。

 

ボルドーのローファーって、
1足も持ってなかったんですよね。

デニムが似合うかと思うのですが、
丸っこいフォルムだからなんでもいけますかね。

短パンに履いても似合いそうです。
今年の夏はこいつに頑張ってもらおう。

 

よろしくな~。

 

(おしまい)

 

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