POULSEN SKONE by EDWARD GREEN

こんにちは、ばしです。

 

8月最初の更新は、
前回ご紹介したポールセンスコーンのペアで。

リユースショップで税別五千円。
かなりお買い得といってよいかと思います。
ええ、だから拾ってきたんですけどね。

安い理由はこれ。

5 1/2E。小さめです。
残念ながら私の足には逆立ちしても入りません。ですが、この表記、「32LAST」のエドワードグリーン製かと思われます。小さめサイズとはいえ、グリーン製のポールセンスコーンなら1.5~2.0万円あたりでなら確実に転がってくれるでしょう。ということで、お持ち帰りした次第です。

前回の記事にあります通り、

このロゴを見て「1960s-70s初頭」と思ったのですがまあ、結果的にはその20年ほどあと、「1980s末~1990s初頭」のペアであると判定された次第です。決め手は先ほどの手書き文字の「(職人の)クセ」と、この筆記体文字。

“Made in England”

エドワードグリーンの旧工場製のペアにあるこの表記は、ブロック体と筆記体の2種類があるらしい。で、この筆記体バージョンの方が年代が新しいとのこと。

1980-90s初頭と言いますと、米国靴では品質の劣化が顕著な年代となるわけですが、英国靴の場合は必ずしもそうではない。理由は単純明快。米国のそれは製造が海外移転したのに対し、英国靴は英国内で、ノーザンプトンで作り続けられていたから。

「頭隠して尻隠さず」

ではないですが、このお尻のシェイプが品質の高さを物語っているね。T字型のバックステイがそう申しております。

メルカリさんのお世話になることなく行き先が決まったこいつ。そうと決まれば早く発送して、「ゆくくる」の7月扱いにせねば笑。ま、発送は今日このあと8月1日なのですが、価格等昨日に最終の了解を頂きましたので7月扱いということで笑。

さて、いつもの米国ビン靴のように傷みや乾きがあるわけではないのですが、ルールですので儀式です。日曜午後にメンテしました。

いつもどおり、まずは左足から。

 

 

ステインリムーバー

キズやクラックはなし。
軽くワックス入ってました。

 

LEXOL

あとで強力リムーバー入れますので、出し縫い糸のあたりをしっかりと歯ブラシで掻き出す。

 

RenoMatt

布にとって優しく拭く感じで。
それでも布は黒くなり、アッパーはマット調になりました。

 

デリケートクリーム

ノーザンプトンに敬意を表し、いつもの百均の「もどき」ではなく、アボカドオイル入りの高い方で。

 

リッチモイスチャー

もちもちになるやつも投入。

 

TAPIR レダーオイル

油分補給&保革。

 

オイルの浸透を気持ちばかり待ちましょう。
その間にソールも綺麗にします。

キレイになりました。

ソールもキス出来るほどにまで磨くのが好みです。
旅立つやつなんで、今回はキスはやめときました。

爪先は少し削れて出し縫い糸が顔を出してます。ヒドゥンチャネルはやはり恰好いいねと誰にともなく同意を求めてしまう私です。

さて、仕上げ。

 

 

コロニル1909(ムショク)

ムショクで仕上げ。

状態がいいんでメンテし甲斐はないですが、こうしてみますと黒さが増してます。

右も同じ手順で仕上げてメンテ完了です。

 

【BEFORE】

【AFTER】

ツリーがアレンなだけで、靴はポールセンスコーンのままです。

 

【BEFORE】

【AFTER】

ツートンではなく1色、というところが英国製のサドルシューズらしくてグッドです。

アッパー。

肌理細かくてグッドです。

 

さて、EG製のポールセンスコーンは今回が初めてなわけですが、クロケット製と何がどう違うのだろう。

左の黒がEG製。
右の茶がC&J製。

正直、逆に言われたとしても「へえそうなんだ」といった感じ。そう、私は少しだけ違いの分かる男です。少しだけわかる。ワカラナイことの方が多い。この2足を眺めても、見た目にクオリティの違いはあまり感じられません。というか、どっちも素敵です。

アッパーの違いが分からないなら、ソールはどうか。

あ、すみません、クロケット製も元はヒドゥンチャネルだったようですが、手に入れた時点でソールはハーフラバーされてました。そうでなければ違いを感じたのでしょうか?

なぜそんなことをいうかといいますと、

1989年11月号の雑誌BRUTUSのエドワードグリーンのページには「ソールに自信あり」との文言が。で、赤線で囲った部分には、

「非常に大きな特徴がある。8代にわたりソールを作り続けている家族から仕入れている」

のだそう。す、すごいですね、8代にわたってソールを作り続けているって。日本風に言えば「下駄の鼻緒だけで8代」って感じでしょうか。EGの靴の特長としては「ラスト」について語られることがほとんどのように思えるのですが、確かに、実際にこの頃のEG製のペアはソールが素晴らしい。これは一目見ただけで多くの人がそう感じるのではないかな。

旧工場製でなくなった今もソールは当時と変わらぬ特長なのでしょうか?機会があれば最近のEGの靴を手に入れて触ってみたいものです。

 

さて、別の角度から。

アッパーの肌理細かさも、

どちらも負けず劣らず。
形は結構異なりますね。EGの32ラストの方がより鋭角で絞り込まれている感じ。クロケットは全体的に丸みを帯びて優しい雰囲気です。どちらが優れているとかではなく、特徴的な差異かと思います。

ポールセンスコーンはもう1足持ってます。
3足で記念撮影です。

左のUウイング、これもクロケット製です。一番草臥れてます。まあ、それは使用頻度が一番多いことが原因なのかもしれません。

踵内側もスレてますし、履きこんだ感じもする。

まあね、手に入れた時点でこの状態で、実は、私はまだ一度も履けてないんですけどね。ソールが少しへたり気味なんで、ハーフラバー装着してから履き下す予定です。ええ、こいつもソールの比較には不向きです。残念。ともあれ、ゲットして早や10ヶ月です。8月こそはBONTAに持ち込んで履き下ろさねば。

 

 

しかし、あれですね、EGの靴とはあまり縁がない私です。
今回で3足目のEGですが、過去の2足も旅立たせました。

 

EG製PEAL&CO/BROOKS BROTHERS

WIGMOREというスタイルのスリッポン。

カッケーのですが、9.5Dは中敷き入れても私の足には少し大きかった。

 

SOVEREIGN by Edward Green

ユナイテッドアローズ別注のグリーン。
ソールが素晴らしい。

こいつも「32LAST」。
爪先が細身で、7.5Eの割にはややタイトでした。

 

どちらも素敵なペアだったのですが、サイズが合わないものはしょうがない。そう、サイズが合わないものはしょうがないのです。

なもんで、

 

 

私には小さめな英国靴3足。

まとめて旅立ってもらうことになりました。実はこの3足、全て同じ店で調達してきたんですよね。元は同じ持ち主のモノと思われます。ほかの2足についての詳細とこいつらを拾ってきた経緯は次回。

 

とりあえず今の時点で言えることは、

①最近の私は英国靴づいているようだ
②ポールセンスコーンはやはりいい靴だ
③大阪のリユースショップにまた波が来た

といったところかと思います。

まあ、マイサイズは空振り続きですが、
それも時間の問題でしょう。
そろそろ来る、かな。

 

(おしまい)

 

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