Ralph Lauren by EDWARD GREEN(友に古靴をおくるその3)

こんにちは、ばしです。

 

三連休の初日のこと。
真夏に入手したペアを秋の終わりに手入れした。
今回はそんなお話。

 

 

Ralph Lauren by EDWARD GREEN

赤いライニングとソックシートが特徴的な黒いサイドゴアスリッポン。こいつは8月初旬にKINDALの棚に陳列されたばかりのやつをまさにその日にピックアップしてきた英国製の渋いやつです。

Ralph Lauren
Made in England

とあります。少しピンボケですね、すみません。で、内側は赤ではなく赤みの強い紫。そう、こいつはラルフローレンの「パープルレーベル」のペアです。当然のことながら、ラフルローレンが自社で靴を製造しているわけではないわけでして、今回のは「Made in England」とあります通り、英国のシューメイカーにOEMでの製造を委託したモノ、ということになります。

パールレーベルは同ブランドのアッパーラインですので、OEM先も名の通ったシューメイカーであろうと推察されますが、この小窓がまさにそのことを物語っていると思われます。手書きの文字は擦れて読めませんが、手掛かりはほかにもある。

半ガラス&ヒドゥン仕上げのアウトソール。

踵には特徴的な化粧釘。

筆記体で「Made in England」の刻印。

察するに、このペアはエドワードグリーン製であろうと思われます。小窓付きということはおそらく新工場製と思われますが、何分EGについてはあまり詳しくありませんで、ラストだとか年代だとか、お気づきな点があましたらコメント欄よりご教示くださいますと幸いです。

そんなEG製のRLのペアを3か月半ぶりに引っ張り出してきてメンテしたのには訳があるのですが、その件は後回しにしましてまずは儀式です。状態も悪くないので両足いっぺんにサクッと行きます。

 

 

LEXOL

汚れ落とし。さほど汚れてもおらず。

 

リッチデリケートクリーム

保湿&栄養補給。

 

TAPIR レダーオイル

油分補給。すこしばかりウエスが黒くなりました。ワックスなど軽く塗り込まれていたのかもしれない。

 

ソールのケア

いろいろ入れてみた。
で、最後にいつものクリームで仕上げ。

 

コロニル1909シュプリームクリームデラックス(ムショク)

ま、こんな感じで良いでしょう。
メンテ完了!

おお。

なかなかに、

素敵ではないかな。

よし、オーケーです。旅立たせる準備はオーケー。ええ、このペアは自分では履きません。サイズ表記が擦れて読めないのですが、私の足には明らかに大きいサイズ感です。おそらく、UK8.5-9.0くらいではなかろうか。

中敷きでサイズ調整しようにも、スリッポンタイプでかつサイドゴアということで紐で締めあげることができない。残念ですが自分で履くのは諦めよう。で、転がすつもりでいたのですが、はた、と、気づいたのであります。こいつ、ビン靴を大量に譲っていただいたzazaさんの足サイズではなかろうか。

 

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実はこの日は午後からzazaさん宅にお邪魔する予定だったのですが、前日に思い至り、朝からメンテ作業となった次第です。

先輩ビン靴フリークであるzazaさんは、ビン靴蒐集卒業後の現在はVASSとショーンハイトのオーダーで普段履きの足元を固めておられるのですが、「この夏にオーダーしたペアが仕上がったので見においで」、とお誘い頂いたのでありました。

今回はショーンハイト。リーガルの靴の製造を請け負っていることで知られる東立製靴さんのオリジナルラインがショーンハイトなわけですが、一般大衆向けのリーガルのOEMメイカーとのイメージとは異なりカスタムオーダーのペアの仕上がりは結構素晴らしいらしい。今回は2足同時にオーダーされたとのことですが、どちらもこだわりの詰まったペアです。

 

写真撮らせて頂きました。

白い「スムーズレザー」のVチップ。シボ革ではなくスムーズレザー。うーむ、カッケーです。経年でどうしても汚れが目立ってしまうことを想定して、出し縫い糸は白ではなく「生成り」をチョイスされたとのことですが、ステッチも細かく丁寧でよくできた1足です。何より、こんなVチップ見たことない。

もう1足はウイングチップ。真っ黒に見えますが、「濃茶&黒」のコンビです。で、そもそもコンビ靴はコンビである時点で派手ということで、爪先のメダリオンはなし。羽根から履き口を通って踵まで続くパーフォレーションもこだわりのこの1足は仕事での普段履き用とのこと。

おお、こいつを仕事で履くなんてカッコよすぎです。仕事でコンビ靴、僕もそのうちやってみよう。で、僕も一度、ショーンハイトさんで作ってみたいな。ちなみに、ショーンハイトの木型は「アメリカントラッド」と「ブリティッシュトラッド」の2種から選べるそうで、zazaさんのは全てブリティッシュトラッドとのこと。

僕も来年あたり、ブリティッシュトラッドでトライしてみるか。どんなのオーダーするか計画開始です。

 

で、

そんなこんなで出来上がって履き下ろす前の2足を拝見したあとのことです。実はね、今日はまたお願いがあってね、、、

「2足増えたから2足持って帰ってくれ」

とのこと。
笑笑。

E.T.WRIGHTの黒いセミブローグと、

ジョンマー・オプティマの茶のウイングチップ。

どちらも普段履きされていた靴だそうですが、どちらも大変手入れが行き届いて状態が良い。普段履きのモノは毎週末、そうでないものも定期的に保湿は欠かさない、zazaさんはそんな風に革靴のメンテを行っておられるとのこと。うーむ、僕ももう少しこまめに手入れせねば。

この2足は私には少しばかり大きめなので、中敷き入れて自分で履くか、息子に履いてもらうか、しばしお時間頂いて考えます。なんせ先月譲り受けた13足のメンテナンスもまだ10足残ってます。あわてず進めさせていただきます。

 

で、

出番です。

zazaさんに履いてもらおうと持参したEG製RL。

足を入れてみて頂いたところ、なんとなんと、いい塩梅でフィットしてくれたようです。おお、やりますなEG、やりますな俺の見立て。グッジョブ。

いや、実はね、、zazaさんこいつエドワードグリーン製なんです足に合えば履いてください。と言ったものの、そもそも、こいつ、EG製と思って拾ってきたわけですが、今回メンテナンスしながら、「ホントにホントにそうなのか」「サージェントなどほかのメイカー製の可能性はないのか」、と少し自信がなくなってきたのでした。

で、遅ればせながら翌日になっていろいろ検索してみたところ、こんなのにヒットした。

CHELSEA #202 EBLACK CALF

エドワードグリーンを代表するモデルのひとつ「チェルシー」。この写真は「靴屋店主のひとり言」さんのブログ記事より写真拝借しました。筆記体のMade in Englandの文字も、真っ黒のアッパーに半ガラスのアウトソールも、踵の釘も半月のトップリフトも、まさに今回のペアと同一の仕様です。どうやら今回のパープルレーベルのペアはエドワードグリーン製ということで間違いないようです。ああ、よかった、恥かくところでした笑。

で、

この顔を見てまた一つ思い出した。
似たような靴で出番のないやつがもう1足あったな。

こいつは昨年秋に娘にと買ってきたものですが(過去記事「娘の門出にマーチンを贈る」)、娘には少し小さかったみたい。

Dr.Martensの「ROSYNAロジーナ」。サイズはUK4。そういえばマーチン好きのzazaさんの奥様も確かUK4だったような。一口にUK4といってもサイズは人それぞれで様々です。娘には細かったけれど、zazaさんの奥様の足にはひょっとしたらフィットするかも。

そして何よりも重要なことは、

「旦那ばっかり靴増えてずるい」

なんて状況は避けねばならない、ということです。古靴だけでなく奥様方のケアも怠らないのが真の古靴フリークであろうと思う。なもんで、奥様にはこいつを。EGと同じく黒いサイドゴアなのもちょうど良い。なんて話していたところ、奥様が外出から帰ってこられた。

初めましてお邪魔してますご主人から貴重なビン靴大量に譲っていただいた「ばし」と申します。で、早速に足を入れて頂いたところ、ややタイトだけど薄手の靴下なら行けそう、とのこと。おお、よかった。やりますなマーチン、やりますな俺の見立て。グッジョブ。

 

 

「友に古靴をおくる(その3)」。

実際は友というよりは先輩なわけですが、まあ記事のシリーズ名につきお許しを。ご存知の通り、友人知人に履かない靴を送り付けて手持ちの靴の数を減らそうとの魂胆なわけであります(参考:「友に古靴をおくる」記事一覧)。

の、はずが、いやはや、今回は2足減らすつもりだったのにね。予想に反して2足増えてプラマイゼロになってしまったわ。まあね、それを言うならzazaさんにしても同様なわけで。痛み分けですな。

目出度し、目出度し。

 



 

【おまけ・ご挨拶】

目出度いといえば、2018年11月26日にスタートした拙ブログもお陰様で本記事にて9年目に突入いたしました。これまで8年間お付き合い頂きありがとうございます。感謝感激雨霰です。9年目も引き続きよろしくお願いいたします。

 

(おしまい)

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