Ventilated Shoes を漁ってみた

こんにちは、ばしです。

 

前回の続きです。

1940s頃の米国靴を代表するスタイルのひとつである「ベンチレイテッド・シューズ」。1足買ってみたい。で、一旦欲しいとなると意地でも欲しい私です。どこに行けば手に入る?

どうしても好みの色とスタイルでジャストサイズのものが欲しい、という場合は、「オーダーメイド」という方法もあるようです。

 

 

例えば、

うげっ。

う、美しすぎる。

S-1611 Ventilated U-Wing Tip Oxford

これはArch Kerry さんが大阪のビン靴好きな方からのオーダーで製作されたものだそうです。画像拝借いたしました。ご容赦ください。

それにしても素晴らしいですね。赤茶の、ワントーンの、Uウイング。うーむ、よくもまあこんな無茶なオーダーを受けられたものですね。私も欲しいな。

今の時代、レディメイドでこんなのはお店では売ってませんので、どうしても好みのモノを新品で手に入れたいのならオーダー以外にはないのでしょうね。

私もいつかアーチケリーでオーダーしてみたい。

いつか、ね。オーダーしてから出来上がるまで4〜5ヶ月かかるみたいで、せっかちな私はそんな待てない。ならばと、持ちうるスキルを発揮いたしまして、とりあえずは国内外、ユーズドでそんなやつが転がっていないかと色々と漁ってみました。状況をレポートいたします。

 

 

 

【海外】

 

前回の記事でも書きました通り、海外サイトのはサイズがデカいし値段も高い、との印象です。まあ、海外だとビン靴は全般的にでかいし円安のせいで値も張るわけですが、ベンチレーテッド系の靴は特にそうで、US8前後のサイズのものなんて皆無、とんとお目にかからない。どんな具合かといいますと、私がしばしばお世話になってる海外サイトのebayでない方、「Etsy」の場合で見てみましょう。

(商品画像をクリックするとサイトへ飛びます)

 

①FLORSHEIM

サイズUS11
16,949円+送料11,619円=28,568円
フローシャイムでこの値段はお買い得かも。ですが、送料がほんと高いね。

 

②アンノウン1930s

サイズUS11.5
38,136円+送料5,593円=43,729円
1930sだからか、かなりお高い。ところで、送料は先ほどのフローシャイムの半額です。同じ米国なのになんでこんなに違うんですかね。

 

③ GUIDE STEP 1940s

サイズUS10
44,068円+送料5,593円=49,661円
ワントーンのスリッポン、サイズさえ合えば履けるかも。それにしても円安を差し引いてもかなりお高いです。

 

3足ともUS10以上。

ざっとこんなもんです。その他検索してヒットするのは「メッシュタイプ」のものばかり。やはり年代が旧い分だけ球数も少ない、ということなのでしょうか。まあ、そもそも普通のビン靴でも1930sや1940sなんて滅多にヒットしません。3足だけでも十分、と言えるのかもしれない。

で、アメリカ本国でこのありさまです。
日本国内では、といいますと、こんな感じ。

 

 

 

【日本国内】

 

ビンテージショップが最有力なのでしょうが調べるのが大変そう。なので、いつも通りメルカリの出品物を漁ってみた(こちらも商品画像をクリックするとメルカリの当該商品のページに飛びます)。

 

 

①Florsheim 54601

サイズUS7.5D
送料込み19,600円

サイズが合えば検討したいところですが、欲しい人はそれほど多くないでしょう。転がしやすさを考慮するとギャンブルはしづらいな。というか、私には残念ながら明らかに小さい。とはいえ、フローシャイムのこれが送料込みで2万円弱。海外で買うよりも国内を丹念に漁った方が安く買えそうですね。

 

②RAND(1960s)

サイズUS7.5C
送料込み16,600円【SOLD】

半年以上前に売れちゃってるみたいですが、めちゃかっこええですねこれ。左右ともに踵履き口に裂けがあるとのことですが、修理代を考慮しても2万円ちょっと。海外ではこの値段では買えませんね。私にはサイズ小さいんでSOLDでなくともスルーなわけですが、もうね、売れたやつを引き合いに出さねばならぬほどに流通量が少ない。

 

で、あるならば、
ジャパンビンテージではどうだろう?

 

③MONSIEUR NICOLE

サイズ25センチ
送料込み4,800円

先日の「メルカリ☆パトロール(その1)」で紹介したムッシュニコルのベンチレイテッド。恐らく1980後半~90s前半あたり、バブル経済期の日本製と思われます。

「バブル経済期の日本製のプロダクツは買いだ」と常々申しております私としましては、25.5センチなら最悪素足でなら履けそうなんで買うところなのですが、25は、ねえ、ギャンブルしづらい。悩み中。

で、何を隠そう、このスタイルの靴を真剣に検討し始めたのは実はこのペアを見かけたことがきっかけなのであります。

で、

このニコルのペアを見て思った。

1940s頃の本格米国ビン靴ではないけれど、それへの「オマージュ」でもよいのであれば、日本国内で1980s当時に日本で企画されたものを探した方が種類もサイズも状態も、沢山の中から選んで買えるのではないか。それも海外より格安で。

早速メルカリで旧い「ニコル」の革靴を片っ端からチェックしてみたところ、ビンゴ!! やはりありました。

 

④MONSIEUR NICOLE(その2)

サイズ25
送料込み14,300円

ベリーミントコンディションのこいつも「25」。で、このペアはアウトソールの実寸の説明があります。曰く、「縦長28.4センチ、横幅10.4センチ」とのこと。このシリーズの「25」サイズはどれもほぼ似たようなサイズ感と思われます。うーん、やはり微妙に小さいように思える・・・。

 

⑤MONSIEUR NICOLE(その3)

サイズ25センチ
送料込み13000円

いやあ、もうこれはまさにアメリカンビンテージそのものではないか。サイズは先ほどと同じく25センチ。25.5はないのか、もしくは26とか。で、新たな情報を入手。

「30数年前の商品」で、
「小林由紀夫時代のコレクション」なのだそう。

 

年代は予想通り1990年前後で間違いない模様です。で、「小林由紀夫」氏とは、1983年よりムッシュニコルのチーフデザイナーをつとめた、ニコル社の歴史の中でも創業者である松田氏の次に有名で実績のある世界的デザイナーだそうです。

松田氏は1934年生まれで小林氏が1951年。1990年の時点でお二人はそれぞれ56歳と39歳。約半世紀前の旧き良きアメリカのビンテージ靴(当時の時点でビンテージと言ったかどうか定かではありませんが)へのオマージュともいえる靴を多数リリースしていたようです。

 

あと3足ほど。

 

⑥NICOLE CLUB

黒と白のシックなペア。こいつ、レディスです!
娘に買いたいところですが、23センチはやや小さいかな。いやその前に当面は買うなと言われています。

 

⑦MONSIEUR NICOLE(その4)

変わったトゥの切り返し。これも「1980年後期から90年前期頃のものです。デザイナーは小林由紀夫の時代。」とのこと。当時のニコルはコレクション毎にデザインにこだわった靴を発表していたのだそう。

 

⑧MONSIEUR NICOLE(その5)

おお、これは25.5センチらしい。
のですが、このデザインは・・・。よくぞ売れたね。で、よくぞ買ったね。ええまあ、おっしゃるご意見もごもっともです。ですが、一見すると凝ったデザインなのですが、色目をツートンではなくあえてワントーンにしたことで、いろんなスタイルに合わせ易くしてあるんですよ。

いや、それでも結構勇気がいるぞ。そもそもベンチレイテッドではないし。こいつはこいつで素敵だけれど、買うかどうかはしばし検討が必要です。で、もっとなんかないのか? もっとシンプルでワントーンで、もう少しお値段安めで、それでいて、「ずばり・ベンチレイテッド」なやつはないのか?

 

ありました。

おおっ、これは良いかも。

3200円と値段もお手ごろだし、色も真っ黒だし、私のようなベンチレイテッド初心者向きですね。25.5センチとのことですが写真で見る限り幅も広そう。サイズもなんとかなりそう。なんだけれども、「SOLD」になっているではないか。

 

 

買っちゃった。

 

(次回へ続く)

2件のコメント

  1.    ばしさん

    お疲れ様です。記事、興味深く読みました。
    うーん、ベンチレイテッドですか、これカッコいいんですが、洋服に合わせづらいですよね笑
    70s風ののパンタロンとか。なので、高額は厳しい。
    日本製で正解だと思います

    つづき、楽しみにしてます。

    1. しんのすけさん
      お疲れ様です。おっしゃる通り服は悩みますよね。
      出番は少ないは値段は高いはで、大変コスパが悪い。
      まあ、そもそもコスパなど考えて履くような靴ではないでしょうが。
      その点、こういったときに日本の先達の品は大変ありがたいです。
      日本のバブル期って、ほんと沢山良いものを遺しましたよね。
      急ぎはしないのですが、あと何足か欲しいかな、と(笑)

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