こんにちは、ばしです。
さて、前回の続きです。
なのですが、すみません、一部訂正させて頂きます。
ボリューム的に「前編」「中編」「後編」の全3話、との見立てだったのですが、2話で収まりました笑。なので、「中編」はなし。今回が「前編」に次ぐ「後編」、完結編となります。
さて、そんなことで後編の始まりです。
まずは前編終盤からの振り返りを兼ねて。
今回の主役のひとつ、「クラフト染料」です。
あ、いや、主役は靴です。残念ながら、貴方でも私でもありません。
「いざっ!!」
と、気合入れたところで前編を終えました。
後編は、まあそんな力まず、肩の力抜いていきましょう。
いつも通り、まずは左から。
クラフト染料塗布
水で2倍に薄めたのを筆でぬりぬり。期待ワクワク。
うまく行くのだろうか。
良くも悪くも、いろんな可能性が頭をよぎります。
左足、全体的に塗り上げましたが、薄暗くて良く見えない。
右も塗りました。
「黒」というよりも、「墨」。です。
薄汚れた大型犬の顔、みたいです。白い犬しか飼ったことないけど。
ひび割れの跡。クリームの跡だけでなく、やはりひび割れだったのでしょうか。まあ、今となってはどっちでもいいです。
二度塗りました。
計3度、塗り重ね。
染料はこれで十分でしょう。しっかりと乾燥させよう。
で、ひとつやり忘れたことが。
手袋、するの忘れてました。
この手の染料って、なかなか落ちないんですよね。手だけに。
石鹸で洗いましたが、こんな感じ、綺麗に落ちません。
ですが、ご安心を。僕はビン靴フリークなやつです。
TAPIR レダーオイル投入!
手のひらにとって、両手を擦りながら指先の汚れを油で落とす。
へへんっ。キレイに落ちました。香りも柑橘系でグッドです。そもそもオイルだし、肌にも優しいはず。用途開発です。ああ、また一つ新しい技を編み出してしまった。
☆★☆★☆
翌日曜日朝。
朝日を浴びても輝かないマットなやつ。
すっかり乾燥したようです。
ただ、気になることが・・・。
ブローキング。茶色いままです。筆で染料を流し込んだのですが、黒くなっていません。浸透しないままはじかれてしまったようです。
で、こうなることは織り込み済みです。
「おなまえマッキー」、前日夕方に2本調達済です。
こいつで、
穴を黒く塗りつぶす。
【BEFORE】
【AFTER】
うーむ。まあね、やらないよりはやったほうがいいでしょう。そもそもブローキングの穴をマジックで塗る、なんてことは普通はないです。マジックペンの選択がこれがベストかどうかはなんともかんとも。もう少しインクがどばっと出る奴の方が作業性良かったように思いますが、何事も経験です。
羽根周りもぬりぬり。
爪先の小さい穴は細い方で。
ブローキング以外も。表面を削れ切れていない箇所は染料も染みず茶色いままです。そこもマジックで黒く塗っておきましょう。
結構面倒な作業ですが、根気よく取り組みました。
とりあえず、右足、完了です!
まだ少し茶色が透けて見える箇所もありますが、遠目で見る分にはおそらく分からないでしょう。とりあえずこのまま右足を仕上げていきましょう。
ところで、いつもは「左から」なのに右足から作業を進めておりますが、特に意味や理由はありません。
さて、次のステップへ。
コロニル1909シュプリームクリームデラックス(黒)
墨色を黒に変えていきます。ところで、サイドもクラックがひどいです。まあね、そんなこともあるでしょう。気にしない、気にしない。
黒いクリームをブラシにしっかりととって、
塗ってみました。お、良い感じ、黒くなりそうな予感。
前半分塗ってみました。黒さは問題なさそう。
艶は?ご安心を。
ブラシで何度も塗り重ねることで、艶感も出てきました。
だいぶ黒くなってきました。
このまま15分ほど乾燥させて、
磨きながら拭き取る。
おお!良さげです。
穴飾りの色もそんなに気にならないかな。トゥも、キャップの切り返し部分も、そんなに違和感ないと思うのですがどうでしょう。
さらに黒を塗り重ねよう。
サフィールビーズワックス(黒)
別の黒を塗り込んでみました。
艶が減った、かな?
リンカーンワックス(ニュートラル)
こいつで艶感を足してみよう。と、思ったのですが、
ありゃりゃ、黒さ加減が減じてしまいました。
ニュートラルを塗るのはよろしくないみたいです。黒だけ塗るのが正解のよう。とりあえず、この工程まで、左足も同じ手順で仕上げてみました。
どんっ。
おお、それなりに黒くなりました。
ですが・・・。
サンドペーパーで落としきれなかった茶色が顔を覗かせてます。素人が塗り替えた靴でしばしば見かけるパターンです。素人だし、しょうがない。
折角黒くなったところにニュートラルのワックスを入れた結果がこれです。拭き取るときに黒のクリームも落ちるんでしょうね。あとでもう一回黒を塗ろう。
このあたり、ダメージが酷いですがしょうがない。パーフォレーションを縁取る茶色、外側側面ですし、目立つかもしれないな。
ということで、最後の仕上げのステップ、いってみましょう。
オイルライター
久々のオイルライター登場。どうするかって?
アッパーをこいつで炙ります。おそらく、表面のワックスなどの油分が燃えます。そうすることで、黒いクリームが革により深く浸透するはず。また、燃えたら煤がでます。煤は黒い。より黒くなる、かも。ならないかも。
やってみましょう。
アルコールランプなどあればいいのですが、持ってません。コーヒーはサイフォンでなくドリップ派なもんで。これを機にサイフォン派に鞍替えするかな。で、とりあえず、ライターを火をつけた状態で立ててみました。
炙りました。ワックス?煤?わかりません。
うーん、どうでしょう。少しは焦げたのでしょうか。
再度のサフィールクレム投入。
全体的に黒くはなった。
あ、忘れてたん。
黒いタンカバー作成
いよいよ最後の工程です。ほんとにこれが最終工程。
茶色いままのタン。内羽根ですので、外羽根に比べれば目立たないとは思うものの、やはり色が違い過ぎます。とはいえ、黒くさえあればそんなに目立たない場所であることは間違いない。
そうだ、黒い革を貼って誤魔化そう。シボの革です。今我が家にある黒い革って、これだけなんですよね。しゃあない。
型紙をつくり、
切り出す。
両面テープを仕込んだら、
INです。
羽根周りのライナー、また剥がれかけてきましたが、気にしない気にしない。紐を通したら完全に終了です。
染め替え、完了!!
【BEFORE】
【AFTER】
おお、だいぶ黒くなりました。
【BEFORE】
【AFTER】
コバ周りもそれなりに黒いです。で、
茶の靴には茶の紐を、黒には黒を。紐、交換しました。
近くで見たらひび割れの跡や羽根周りのダメージは隠し切れない。
ですが、遠目で見たらそんな目立たないでしょう。元が茶色の靴だったってこと、分かりますかね。分かりませんかね。まあ、どっちでもいいんですけどね。
☆★☆★☆
てなことで、後編もそろろそ終了です。前編からながながとお付き合い頂きありがとうございました。
サンドペーパー使ったり、炙ったり、タンには黒いの貼っただけ、と、雑な扱いとお思いかもしれません。ですが思いますに、このペアにとっての終着点はおそらく私でしょう。そんな私が思うように料理して、そんな私がしっかりと履き切るつもりです。
数えていないので正確に把握していないのですが、最近また茶靴の割合が増えたように思います。黒の内羽根は貴重です。かつ、黒のセミブローグはこいつ1足だけなはず。当初は茶に塗り直すことも考えたりもしてたのですが、黒にしてよかった。
これで出番も増えるでしょう。きっと機会は少なくないはず。月に1回以上は履こう。そのためにはルールを定めるのが一番です。とりあえず、当面は月初め、第1水曜日に履く、ということにしよう。
一昨日がちょうど11月最初の水曜日でした。
早速履いてみました。サイズは変わらずタイト目ジャストでサイズです。
羽根の隙間から黒いシボが覗いてますが、こんな近くで他人様に見られることなんてないでしょうし、まあ、分からんでしょう。
で、タンの端っこ、元の茶色が覗いてます。タンカバーがずれたのではなく、わざとずらして貼りました。イメージは、「エドマイヤーのレッドタン」、みたいな。剥げた茶色は良くないな、赤茶をいれてみよう。ま、意味はあまりないんですけどね。
甲のひび割れ、改善したもののまだ割れてます。まあ、当初の茶色のときよりは目立たなくなりました。使用にあたっても問題はなさそうなので、定期的にリッチなクリームやらオイルやらを入れながらケアして履いていこう。
黒の色目も、遠目で見れば問題ないでしょう。
英国靴なんで、英国っぽく合わせてみました。
かっちりしたペアなので、スーツの足元向けかと思っていたのですが、ジャケパンでも問題ないですかね。ま、あれこれ気にせず履いていくことにしましょう。
次回の登板は1ヶ月後です。
どうしよう。
12月第一水曜日。
忘れてしまいそうです。
どなたか僕にアラートください。
(おしまい)
こんにちは
上手いこと仕上がるものですね。途中経過の写真を見た時は、カラータイマーが点滅しているウルトラマンのようにどうなるのかとハラハラしました(笑)
実際に手がけてみて得られた成果はとてもためになる情報です。自分も真似するような状況が訪れたら、このページに戻ってきて参考にすると思います。良い子は真似しちゃ駄目ですかね?(笑)
三十郎さん
こんにちは。まあ、仕上がりもプロとは程遠いですが、
素人でもそれなりには仕上がるかなと笑。
ご自身でされる場合は、なんとなく、染料は「ローバスバチック」の
方がお勧めです。ハンズで売ってます。今回、amazonで送料ケチったのですが、
そのくらいケチらなければよかったかなと笑。