こんにちは、ばしです。
最近は、買って・売ってに忙しい、背取りライクな私ですが、転がすのは副次的なものであり、あくまでも主たる目的は自分自身で、古靴とそのメンテを楽しむこと、であります。
売り買いにばかり忙しいように見えるかもしれませんが、実はこのところの自分用の靴は「当たり」の多い私。まあ、そう思うのは買ってる靴が多いからで、割合としては従来どおりなのかもしれませんが笑。
今回は、前回の記事でちらりと登場したマイサイズのヴィンテージです。
こいつ。
U.S.NAVY サービスシューズ1960s
・SIZE:8W
・黒6穴のPTB
・フエルトのタン裏
・1960s
・Made in USA
最近しばしば出くわすミリタリー。すでに旅立ったウルヴァリンは2001年製でした。古い6穴のが欲しいな、と思っていた矢先、早速に出くわしまして持ち帰ってきました。
サービスシューズの年代特定
サービスシューズの場合、アッパー内側の印字に製造年月日が書いてあるものがあります。写真は件(くだん)のウルヴァリンです。「SEPTEMBER,24,2001」とあります。一目瞭然です。
しかし、古いペアは擦りきれて読めないものも多いです。判別のポイントはこのあたりらしい。
①70年代まではレザーソール、以降はゴムソール
②60年代までは6穴、以降は5穴
③60年代まではアイレット下ステッチあり、以降はなし
余談ですが、
40年代のものは「ヒール部分がT字のあて革」だそうです。まあ、心配しなくてもそんなのお目にかかることはまずないですわね。
50年代のものは、③のアイレット下のステッチがダブルステッチだそう。で、
60年代後半からダブルステッチがシングルに変更となっているでそうです。
ウルヴァリンと今回のこいつ、比較してみました。
まずはウルヴァリン。ラバーソールに5穴ステッチなしです。
ついで今回のペア。レザーソール。6穴にステッチあり。
なるほど、比べてみたら一目瞭然ですね。良く見ると、今回のアイレット下のステッチはダブルです。1950sの可能性もあり、ということでしょうか?まあ、私よりもオッサンであることに間違いはありません。
そんなことよりも重要なことは、1960年代の方が革質が良いと言われていることです。
今回もいつも通りの手順(ステインリムーバー→デリケートクリーム→コロニル)で手入れしました。
ビフォーアフター。
【BEFORE】
【AFTER】
【BEFORE】
【AFTER】
目立った傷もなく、この年代のペアにしてはグッドコンディションかと。
で、特筆すべきはこのグラマラスなヒールカップ。
うん、素晴らしい。素晴らしい。素晴らしい。
素晴らしいです。
革質の良さもうかがえます。
50年以上前のものとは思えません。
サービスシューズのウィズは「N(ナロー)」「R(レギュラー)」「W(ワイド)」表記が多いようですね。今回のペアは「W」ですが、土踏まずあたりは適度に絞り込まれていてそんなに幅広い感じではありません。
サイズ感としては、私にはやや大きめ。息子でジャストくらい。売りに出したらすぐにでも儲けが出る60sですが、今回は売りません。
で、問題はこれ。
削れはそれほどでもないものの、劣化の激しいヒールトップ。どうやら、B.F.GOODRICHのもののようです。このまま履いたら、そのうちボロっと崩れそうです。近々交換することになりそう。
で、問題は、どんなヒールトップにするか。です。折角のビンテージです。交換するヒールトップも、全く同じとは言いませんが、ビンテージヒールにしたい。その際は、扱いのあるリペアショップで交換してもらうことになるのでしょうが、どこにあるんだろう。大阪のそんな店を早めに探しておかないと。
で、きっと靴の購入価格より高くつくんだろうな。けどまあそれもビン靴漁りの愉しみのひとつ。手がかかる子の方がかわいい。
なぁんて言ったら、きっと嫁に叱られるんだろうな。
けどまあ、叱られてもいいかな、と、思わせてくれる素敵なペアです。
バックシャン。
履き口にもダメージなし。タン裏のフエルトも綺麗です。
1960s。
確かにすばらしい。
嵌りそう。
あ、もとい。
すでに嵌っとるし。