中古のダービーシューズをメンテナンス

こんにちは、ばしです。

 

今回はこいつ。

リユースショップで拾ってきたお安いやつ。

少し無理して自分で履くつもりだったのですが、やはり無理でした。ええ、サイズが。で、友人に「おくりつけ詐欺」することにしたのでした。

(参考記事「友に古靴をおくる」)

 

ソールはやや軽量なタンクソール。
中央にサイズ表記が。

サイズ40。25.0-25.5センチ相当。

幅は余裕あるくらいなのですが、爪先が少しばかり窮屈です。US7.0EE相当サイズっぽい。このウィズであれば41なら余裕だったんでしょうけどね。こいつ、税別1000円のが4割引となっておりまして救出してきた次第です。安い理由は後にして、

そもそもなんでこんな最近のペアを拾ってきたのかといいますと、

このアッパー。

分厚く柔らかです。価格帯など全く不明、カジュアルな雰囲気でそれほど値の張るものではなさそうに見えるのですが、どうしてどうして、弄りたくなるアッパーのクオリティです。

日本製の中古靴は水分補給と油分補給を施すことで見違えるものも少なくない。こいつもそうかもしれない。

こいつ、どこの何者かといいますと、

 

 

whoop’-de-doo’

「フープディドゥ」と読みます。カジュアルでお高くない若者の向けのペアをリリースしている靴ブランド、との認識でしたが、こんなのも出してるんですね。

随分前にここのスニーカーを1足転がしたことがあります。

ソールが半透明の白いレザースニーカー(過去記事)。

今どきっぽくありつつも結構きちんとしたペアだったと記憶しております。ただ、しばしば中古を見かけるここの靴は、爪先が必要以上にとんがったようなものばかりで、最近のチャラい靴との認識だったのですが、どうしてどうして、かなり本格的に頑張っておられる東京・浅草のシューメイカーなのだそう。

同社ホームページ

今どきの若い人向けから割と本格的なものまで、いろんなスタイルのペアをリリースされているようです。「コンセプトがないのがコンセプト」 とのポリシーであった創業者の加藤冨士逸(フジイツ)氏は、創業35周年となる昨年2022年に74歳で他界されたとのことですが、今後もなかなか面白そうな日本の靴ブランドみたいですね。

 

ただ、

出し縫い糸は白。

白である必要あるんかな。ラバーのタンクソールは黒。コバはブラウン。アッパーの茶色とは異なる色目です。結果、「白」「黒」「茶」「バーガンディ」の4色遣いになってます。カジュアルといえばそうなのでしょうが、この手の多色使いはともすれば安物っぽく見えがちです。

特に、大人の男の足元には色数はそんな沢山は要らない。せいぜい2色で十分です。むしろそれ以上は良くない。てなことで、当初の予定通り、色目の変更から行うことにしたのでした。

 

早速いきましょう。

 

コバを削る

色を塗り込む事前作業として、しっかりとサンドペーパーをかけます。

白くなりました。

まあ、十分でしょう。

 

黒いクリームを塗る

コロニルの黒を塗り込んでみました。

うーん、あまり黒くなりません。
追加で色を入れましょう。と、その前に、

出し縫い糸にも黒のコロニル。

染みるかな?ちゃんと黒くなるでしょうか。

おお、まずまず、黒くなりました。

多少雰囲気変わったかな。

コバはもう少し黒くしたい。

 

ビーズワックスポリッシュ

黒いワックス入れてみた。

うーん、いまいち黒くならないな。
しょうがない。

 

コバインキ

なんだけれども、茶色なんですよね。
黒をまだ買ってないという笑。
ま、とりあえずこいつで。

おお、だいぶ濃くなりました。

そもそも塗り込む順番が逆のような気もするのですが、まあ、細かなことは気にしない、気にしない。で、これだけ濃ければ茶色でもおかしくはないかな。

さて、アッパーに移りましょう。

 

ステインリムーバー

いつもの手順で。

ワックス等の類はなし。

 

デリケートクリームもどき

いつもの百均のヒト用クリームを塗りたくる。

空調の効いた店内で永らく過ごしていた所為か、見た目以上に乾燥してます。乾いてぱりぱり、といったことはないのですが、かなりグングンと吸い込みます。

手触りもすべすべで結構よさげです。

 

TAPIR レダーオイル

油分補給。

おお、いい感じです。

 

コロニル1909シュプリームクリームデラックス(バーガンディ)

同じ色目のクリームを入れてみました。

わお、素敵であります。

かなり引き締まった雰囲気になったような。

アッパーもかなり光ります。

トゥのボリューム感と厚手のミッドソール&タンクソールが大変マッチしてるのではないかな。

 

よし、右も同じ手順で。

と思ったその時、

おお、隙間発見。安かったうえにさらに値下げ、の原因はこいつでしょう。まあ、履くのに支障はなさそうですが、なんか手当は必要だな。

とりあえず先に仕上げました。

自分で履くのならこのままでいいんですが、タダとは言え人に履いてもらおうというものですので、処置は必要です。

とりあえずセメダインで接着です。

見た目の前に機能面の強化です。奥の方から剥がれるとさすがにまずいので、接着剤をしっかりと突っ込んでぶち込む。

このまま乾燥させます。

乾燥後、はみだしたノリを除去しました。ふちの部分は接着しづらいんですよね。

こいつを突っ込もう。

つまようじで塗り込む。

だいぶ盛れてきた。

ドライヤーの熱をあて、その後放置です。

再度サンドペーパー&コバインキ。

見た目は、うーん。
ですが、まあ、これでええやん。
しっかり接着されて機能的には問題ないですし、
誰も他人の足元なんて見てないし。
てなことで、

メンテ、完了!

 

 

【BEFORE】

【AFTER】

おお、ぽってりボリューミーで素敵です。

 

【BEFORE】

【AFTER】

やはり色を入れて正解だったと思うのですが、どうでしょう。

やはりコバインキは黒がいいかも。
AMAZONで購入しまして、今日届く予定です。もう一度サンドペーパーかけ直して、黒を入れ直してから送りつけよう。

そんなことよりもこのアッパー、かなり素晴らしいです。本格的なアッパーに軽量でごつめのラバーソール。オフのデニムスタイルにはばっちしでしょう。仕事のジャケパンスタイルにでもしっかりと収まりそうな、そんなスタイルではないか。

最近のこの手の日本製の靴って、ほんとによくできてますよね。

2足並べて記念撮影。

右は月初に手に入れたダブルエイチのバタフライローファー。メイカーは異なりますがおそらく同じカテゴリーのペア、といっていいでしょう。ブランド力等の違いから新品の値段も随分と異なるわけですが、安くとも選択肢としてはありではないか。

まあ、お値段安いがゆえの「ソールの剥がれ」ではありますが、それでもかなり頑張っているといっていいのではないかな。

フープィデドゥの値の張るラインはアッパーに「栃木レザー」を使用しているのだそうです。栃木レザーがどんなのか知りませんし、このペアがそうなのかも分かりませんが、いい歳した大人が履いても全く問題ないクオリティなように思えます。

そしてなにより、形が良い。
タンクソールとマッチしてます。
かかとにループを付けたら「WHのダービーシューズ」みたい。

WHの新作はラバーソールが意匠変更されるようですので、タンクソール好きな私としてはこの2社の従来仕様のユーズドから目が離せない感じです。

私の目に狂いはなかった。

といってよいかな。まあ、何と言いますか、店頭に並んだ中古のペアをその状態のまま見るのではなく、「本来の状態はどんなか」「手を入れたらどのくらい蘇りそうか」と見立てることについては、経験が比較的豊富な分だけ外さない、といった感じです。

 

自分で履くつもりだったこいつ。

キャップトゥ2足と一緒に友人宅へ送ります。彼の足元での活躍を祈念しております。で、次回はマイサイズに出会えることを祈念いたしまして、旅立ちにあたっての私のご挨拶とさせていただきます。

ありがとうございました。

 

(おしまい)

 

【7/29(土)追記】

黒のコバインク購入しました。

サンドペーパーがけからも一度やってみました。

個人的にはこの方が好みですが、

どうもこうも、
まさに好みの世界、といった気がします。

 

(おしまい)

ファッション(古着)ランキング

2件のコメント

  1. こんにちは!
    ソールが剥げるトラブル、結構ありますね!
    クラフト社から出ている、サンドスティックと言う物が便利です。
    厚みが1mm位あり、両目サンドペーパーになっているので、作業しやすいと思います。
    ボンドを塗る時も、ティッシュの空箱の様なボール紙が便利です。ある程度強度があり、隙間の中もしなやかに滑ります。
    是非是非お試しを!

    1. としさん
      こんにちは。「サンドスティック」ですね。
      ありがとうございます。試してみます!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です