こんにちは、ばしです。
ご存じの通り、ぼろい靴を見かけたらメンテしたくなる私。
特に、ダメージはなさそうなのに、単に放置されて埃まみれになっていると思しき靴は、不憫で、なかなかに捨て置けません。
で、ご存じの通り、そんなやつが2000円でお釣り、なんて場合、今まではとりあえず持ち帰ってたのですが、最近は一呼吸置くようにしてます。
毎月の売り買いの記録である「ゆく靴くる靴」の記事で触れております通り、2020年のテーマは、
◎2019~2020で収支プラマイゼロを達成する
◎自分なら履かない欲しくないのは拾ってこない
◎量より質にこだわる
◎本格ビンテージシューズをメインに扱う
◎売り越して靴棚から溢れた状態を納める
の5点です。
で、以前のように、古いから、安いからといってポンポンと買っていては一向に数が減りません。なので、世の中に少なからず存在するであろう、私と同じように「薄汚れたのを綺麗にして履きたい人」に買ってもらってメンテしてもらおう。
ということで、「目撃情報」などと言ってインスタで「この店にこんなの見つけた」などと紹介して、買い手探しのお手伝いを試みるわけですが、そう簡単にはいかない。
で、そんな人が見つからない場合はしょうがない。
誰かがやらねば。
てなことで拾ってきたのでした。
こいつ。
リーガル 2304(旧旧ロゴ)
・SIZE:26EE
・レザーソール
・旧旧ロゴ
・日本製靴製
・き、汚い
今回のタイトルに「その16」とある通り、拙ブログで扱うリーガルの古靴は16足目となりました。やはり、人気のリーガル。中古の流通量も多いことをあらためて実感する次第です。
うっすらと見える2304の数字。あ、この写真、メンテ後のものです。撮り忘れて。で、今はもう廃番になっているみたいです。
そんなリーガルの中古靴ですが、相対的に、最近のレギュラーラインのペアよりも昔のアッパーラインの方が安いことが多いです。今回のペアは日本製靴製なので、1990年以前のレギュラーラインですが、底はレザーソールです。
見た目ではわかりづらいですが、ソールにへたりはありません。インソックのロゴの状態からみても、そんな履きこまれてはいなさそう。上級ラインであるインペリアルグレードとはアッパーの革質は劣るでしょうが、どの程度改善するのか見てみたい。さっそくメンテしました。
丸洗い
汚いです。埃とか、なんか動物の毛かしりあせんが、ひどい。
推察しますに、それなりに履かれたあと、屋外の物置に長年つっこまれていたような状態です。ここまでのは、初めてです。そりゃあ誰も買わんわな。
なので、丸洗いです。
といっても、いつものようにバケツに浸けて2時間、なんてことは今回はなし。5分ほど浸けたらブラシで中の埃を掻き出して終了。なので、いつものような洗濯機で脱水もなし。ぼろタオルで水分をぬぐい、ツリー替わりに中に突っ込んで作業続行です。
ステインリムーバー
いつも通りの手順です。ですが、、、。
なんか、模様みたいになってます。
バットマンのマークみたいなこいつ、取れません。
次のステップへ。
LEXOL
これもいつも通り。
アッパー、そしてコバ周りを入念に。
トゥの模様はまだ取れません。次のステップへ。
TAPIR レダーオイル
ここもいつも通り。
ガラスレザーにオイルが浸透するかは疑問ですが、残った汚れも取り除いてくれるこいつで。
うーん、しつこいですね。
仕上げたら分からなくなるでしょうか。
次のステップへ。
サフィールクレム
いつはここでコロニルで仕上げなのですが、トゥの斑汚れが気になります。
黒のクリームいれてみましょう。
おお、なんかいい艶感です。
いや、違うな。とりあえず次のステップへ。
コロニル1909シュプリームクリームデラックス
いつもの定番。爪先は、、、。
うーん、まだなんか残ってますが、綺麗にはなりました。
とりあえず右も一旦綺麗にしましょう。
おお、だいぶましになったかな。
爪先は、、、。
うーん、やはり目立ちますね。
だめですな。
ということで、強烈なやつを投入しました。
Reno Mat
強烈過ぎるので扱いに注意が必要なこのリムーバー。
ガラスレザーに使用するのはためらわれていたのですが、他にいい方法が思いつきません。
やってみましょう。
やってみました。
まずは右から。
アップで。
おお!流石です!
ガラス面の塗膜も取れてしまい、見た目にくすんでしまわないかと危惧していましたが、杞憂のようです。
よし、爪先以外も全体的にレノマットしよう。
で、右もレノマット。
その後、再度TAPIRとコロニルを投入して、ひとまず、メンテ完了です。
どーん。
お、今度はよさげです。
【BEFORE】
【AFTER】
うん、まずまずです。
左のトゥ。
【BEFORE】
【AFTER】
流石、レノマット。
すっきり綺麗になりました。
見た目はね。
リ・シェイプ
リーガルさんのこの時代のPTB、学生の頃1足持ってました。
就活用だったのですが、ソールはラバーで、アッパーもソールも、分厚くて、硬くて、硬くて。
そんな苦い経験のあるリーガル靴。時代が新しいか古いかは別にして、「レザーソールか否か」が、「持ち帰るか否か」の私の中での基準だったりします。
「革底が絶対だ」とは言いません。ラバーでもちゃんとした靴はいくらでもありますし、ローテーションの上では必要不可欠です。ただ、相対的に革底のペアの方がより上位グレードであり、手間とコストがかけられていることは間違いない。
そもそも、ソールを交換して長く履くことを前提にしたつくりなのに、古いだけで痛みもないのに埃まみれになっているペアは、やはり、勿体ないと思うんですよね。
今回のペアも、古い上に乾燥気味で、かなりガチガチでした。
で、軽く餃子入ってました。あ、皺が寄った状態で固まったようになった靴のことを「餃子靴」なんて表現したりします。
この硬そうなアッパーを、多少なりとも柔らかくしたい。
で、形を整えたい。
とはいえ、グリセリン保湿しようにも、ガラスレザーは浸透しなさそう。
より、外が駄目なら中から攻撃しよう。
100均のヒト用クリーム。
デリケートクリームもどきのこいつを大量に投入してみました。
このペアは、アッパーの前半分のライナーは布です。布に染みた後、じっくりじんわりとアッパーに浸透してくれたら嬉しい。
指にとって、皺の部分を中心に、それ以外も奥までたっぷりと塗り込みます。
半分残っていたのを使い切りました。
ですが、100円の半分なので50円。うん、コストパフォーマンス高いです。
その後、シューツリーにさらに靴下を被せたものを両足ともにINです。
何度か試みている「リシェイプ」です。
(リシェイプ関連記事)
「マイファーストWEYENBERGのメンテ」
「ぼろっチーニーをメンテナンス」
このまま一晩放置しました。
翌日。
部分的に塩が吹いたみたいになってます。
アッパーには再度コロニルを。
コバ周りにはパレードグロスの黒を。
最後に、レザーソールのメンテ。
ソールトニック+クリームナチュラーレ+ムショクのパレードグロス。
指にとって、塗り込んで、布でしっかり磨いたあとでたっぷりとブラッシングです。
メンテ完了です。
ツリー抜きました。
うん、形はまあまあましになったかな。
靴紐は新しいのに交換のつもりが、手持の予備を使い果たしてしまっていました。元からついてたカジュアルなやつをそのまま使いましょう。
うん、紐があると引き締まって見えますね。
グッドです。
ビフォーアフター。
【BEFORE】
【AFTER】
お、少しシャッキリしましたね。
履けば多少はへたりますが、シューツリーを使っていれば維持できます。
やはり、シューツリーは偉大です。
【BEFORE】
【AFTER】
平置きした際の爪先の浮き加減がかなり改善されました。
これはやはり、レザーソールだからでしょうね。
リーガルさんのレギュラーラインによくある硬化ゴムみたいなラバーだと、なかなかこんな風に復活させるのは難しいかもしれません。
まあ、見た目には一定の古さは感じますが、まだまだ履けるでしょう。
履くだけなら、天候も選ばないラバーがいいでしょうし、履き心地もときに革底よりも優れてます。
履くだけなら、ね。
手入れした成果、メンテナンスの効果を実感できるのはやはりレザーソールです。なので、年代の古い靴の場合は特に、レザーソールにこだわってしまいます。
それに、革底ならピカピカになった靴底にキスできますが、ラバーはちょっと、ね。
で、こいつ。
税込み1430円でした。
履けるようになったし、私にはでかいし、転がします。
1430円 + 送料800円 + 梱包資材150円 + 手数料265円 =【2650円】
2650円以上で売れたら、損はありません。
メルカリに出品中です。
悩んだ挙句、4500円で出品してみました。
4500円 ー 1430円 ー 送料800円 ー 梱包資材150円 ー 手数料450円 =【1670円】
おお、良い感じです。4500円で売れたら1670円儲かります。
近所のイタ飯屋「トキアプロフーモ」のBランチが食べれます!
しかし、まあ、見た目にロゴもレトロですし、たぶん、値引き要請くるでしょうね。
いくらで売れるかな。
何食べれるかな。
売れるのかな・・・。
まあ、半日以上楽しめたし、売れさえすればよしとしましょう。
まあ、最悪、売れなくても、元はとった気分です笑。
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