こんにちは、ばしです。
今回は前回からの続きです。
アレンのTunnel Strap Slip-on「Hardwick」をメンテしました。思いますに、このスタイルって米国独自のものなのでしょうか。英国製でも日本製でも見かけたことがないような気がする。何か理由があるのでしょうか? よくワカラナイ。
このモデル、シンプルな見た目とは裏腹に凝った造りです。アッパーは両サイドで継がれてますので一枚革というわけではなく、ホールカットほど贅沢な革の使い方ではありませんが、プレーントゥ程度には大きめのパーツを使用する贅沢な部類のつくりのスタイルと言えそうです。
米国ビン靴以外にはほとんど見かけないちょっと変わったデザインでもあり、特徴的な分だけ周囲の視線が注がれるかもしれません。手入れし甲斐があるスタイル、とも言えそうです。メンテナンスにも気合が入ります。まあ、楽しく取り組みましょう。
いつも通りまずは左足から。
LEXOL
汚れ落とし。
黒のワックスまたはクリームの類はある?ない? レノマットの協力リムーバーを投入したいところなのですが、生憎切らしてしまっております。汚れ落としは今回はこれだけで。
デリケートクリーム
スタンダードプロダクツのデリクリ投入。
それなりに浸みる、かな。なんか、ワックスの類が残ってそうな気がしなくもないですが、また別の機会にがっつりやりましょう。
クリストフポーニー・レザークリーム
油分補給。
おおなんかいい感じでしょうか。
コロニル1909(ニュートラル)
いつものクリーム投入。
まあ、整ってはきたかな。あ、いや、
ほんの少し傷があります。
白く削れてます。
黒を入れよう。
サフィール・ビーズワックス
爪先だけ黒のワックス投入。
右足も同じ手順で仕上げて完了です。
【BEFORE】
【AFTER】
おお、いい艶感です。
【BEFORE】
【AFTER】
コバにもコバインク入れました。やはりここが整ってませんと引き締まりません。黒だと余計にそのように感じられる。
アウトソールにもクリーム入れて磨きました。
オリジナルのままで「へたり」もありません。
Allen Edmondsのロゴ。
で、その横に〇い刻印が。なんなのでしょう? 薄れて読みづらいですが、〇の中の文字ははおそらく「FR」=「Factory Reject」。今でいうところの「B品」「アウトレット品」のようです。まあ、B品とはいえ、何がどこがどうB品なのかわからんモノも少なくないです。違いが少しだけわかるオトコには全くワカラナイ。中古だしね。
初めてこのスタイルを見たときは「変わったデザインだな」と思ったのですが、もうすっかり見慣れてしまってなんとも思わない。それどころか、好きになってしまってちょろちょろと買い足してきた、との経緯です。
黒の2足で記念撮影。
右は前回でもご紹介したネトルトン。8C表記なのですが、8Bもしくは7.5Cくらいのサイズ感です。
見た目にはそれほど細くは見えないんですけどね。デッドだし、革質も良さげですので、履けないのがいまだに悔しい。
もう一足持ってます。
右の茶はJ&M ARISTOCRAFT。茶色なこととウイングチップの切り返しが昆虫の口のように見えることから「コオロギ2号」と命名しました。ええ、「2号」というからにはその前に「コオロギ1号」を持ってまして。手放したあとで後悔して似たようなモデルを購入したとの経緯です。
サイズは、黒が8.0D。茶が8.5C。なるほど、茶のジョンマーの方が全長がやや長いです。なんだけど、足入れ部分の大きさ・長さは黒のアレンの方が大きい。
本来であれば黒の方が引き締まって見える分だけ小さくみえるのですが、後ろから見ると黒のアレンのほうが大きく見えます。履いてみたらどんな感じでしょう。
何十年も前の靴を手入れして履く喜び。これがなかかなに堪らない。一度それを味わうと、もう一足、二足、となる。私の場合、この十年ほどで弄った古靴の数は五百を越えました。ここまでくるとビョーキなのかもしれません。
まあ、そんなこんなで、
折角なんで手持ちの3足で記念撮影。
プレーンな爪先が2足。ウイングチップが1足。黒のウインチグチップ・スタイルのも欲しいな。ネトルトンが売れたら探そうと思います。で、キャップトゥ・スタイルのものはないのでしょうか? 今まで一度も見たことありません。
いや、もしあっても要らないかな。
このスタイルには、爪先はプレーンかウイングチップのいずれかが似合いそうです。試行錯誤の過程では存在したかもしれませんが、きっとしっくりこなくて自然淘汰されたのでしょう。
当面はこの2足で。
来週あたり履き比べてみます。
楽しみ。
(おしまい)