未使用デッドなサドルシューズの正体

こんにちは、ばしです。

 

冒頭からすみません、

今回の記事、長いです。2記事に分けても良い文章量なのですが、内容的に何処で切るべきか判断がつかない。なもんで、長いまま行きます。また、そんな長いくせに最終的な結論は出ず終いで中途半端な終わり方になってますが、ご容赦のほど。

 

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さて、今回は昨日の記事の続きです。激安なデッドなやつを保護してきたわけですが、その正体はこれでした。

 

 

Callaway by NORDSTROM

そのまま訳しますと、「ノードストロームによるキャロウェイの靴」ということになる。で、「GOLF FOOTWEAR」とありますが、

スパイクはなし。最近よくあるスパイクレスなゴルフシューズでもない。普通のタウンユース、もしくはゴルフ場への行き帰りに履く用、といったソールでありアッパーです。こいつ、一体いつ頃のどんな由来のモノなのでしょう。正体を明らかにしたい。

 

ということで、調べてみましょう。

まずは、ダブルネームの両社の概略の確認です。ウイキほか様々なサイトからの基本情報を仕入れてみました。まずはこちらから。

 

 

Callaway キャロウェイ

カリフォルニア州サンディエゴに本社をおくゴルフ用品メーカー。1982年にゴルフクラブメーカー”Hickory Stick USA”をキャロウェイ氏が買い取ったのが始まり。世界の名だたるトッププロと契約している世界的に人気のあるゴルフギヤメーカーであると同時に、ゴルフウエアなどのアパレル事業にも注力している。

だそうです。ゴルフはたしなむ程度でそれほど詳しくはないですが、そんな私でも知っている日本でもかなりメジャーな存在です。たまたまですが、私がここ数年愛用してるゴルフシューズもキャロウェイです。

スニーカーライクでなかなかグッドな履き心地です。そういえば愛用中のパター・オデッセイも今はキャロウェイの一ブランドなのだそう。おお、色々お世話になってます。

方や、

 

 

NORDSTROM ノードストローム

1901年に靴専門店として誕生した西海岸のシアトル発祥の百貨店。顧客満足度を大切にする経営で世界的に有名。現在、109の正規店舗と「ノードストローム・ラック(Nordstrom Rack)」というアウトレット56店舗を展開する、アパレルを中心とした全米有数の老舗百貨店である。

ノードストロームってちょこちょこ耳にはしてましたが、そんな大きな会社だったんですね。靴屋が発祥というのはなかなか面白い。ただ、「元は靴屋でした」というレベルではなく、1960年前後には10万足を扱う靴専門店チェーンとしては全米最大規模の会社であったらしい。

その後、服飾系の会社を傘下に収め総合アパレルデパートメントストアへ業態転換していったとのこと。で、ここで重要なことは、前身はあくまでも「靴専門チェーン」であること。いわゆるリテーラーであり、靴メイカーあるいはファクトリーではない。製造はいろんなところに委託していたのでしょう。

 

そういえば、

以前、ノードストロームとジョンマーのダブルネームのペアを持ってました。こいつは1971年製の「Nordstrom Best」のロゴ入りのジョンマー。ノードストロームは当時から様々なシューメイカーとのコネクションを持っていたようです。

 

で、あらためて。

「Callaway by NORDSTROM」

です。NORDSTROM by Callawayではない。製造を依頼した側の名前が先ですよね。であるならば、「Callaway by NORDSTROM」とは「キャロウエィがノードストロームに依頼したもの」ということになる。あれれ?それで正しいのか?

普通は、例えば「TAKASHIMAYA by 〇〇(高島屋別注の〇〇 )」みたいにショップ名等が前に来ることが多いですよね。もしくは「〇〇 for TAKASHMAYA」みたいな。今回は逆です。「キャロウエィが元々靴屋であったノードストローム百貨店に依頼した」ということのようです。元は靴屋であったとはいっても、当時も今もメイカーではなくあくまでもリテーラーなわけで、自社で製造しているわけではないはず。

 

ということは、であるならば、

「Callaway by NORDSTROM by ★★★★★」

というのが実態なのではないか。なのに、「by NORDSTROM」のみ。それで済むということは、米国内では「ノードストロームは靴に関しては信頼できるリテーラー」と認識されているということでしょうか。同社が企画し販売しているものだからファクトリーはどこであっても安心、ということか。

もしくは、ファクトリーがどこなのかについては、アメリカ人には言わずとも分かる、ということなのでしょうか。あるいは、ノードストロームで売ってる靴のそもそも製造元がどこかなんて重要ではなくて、「キャロウェイブランドの靴」であることがセールスポイントなのか。

 

いや、そもそもこの靴がノードストロームで販売されていたと決まったわけではない。いろんなショップに流通している可能性もなくはない。なぜなら、「for NORDSTROM」ではなく「by NORDSTROM」です。あくまでもキャロウェイの靴です。

うーむ、よく分からない。私には。キャロウェイもノードストロームもどんな存在、位置づけのブランドなのか、実感はないしあまり興味もない。私にとって重要なこと、それは、「この靴を作ったファクトリー」がどこであるのか。いつ頃に製造されたどこの何者か、ということです。それが知りたい。

 

調査です。

まずは製造年代。こいつ、いつ頃のものなのか。キャロウエィが1982年ということでしたのでそれ以降であることは確定。あとは、、、

ソールの値札。

中にも同じ値札。

で、この値札の「RACK」の文字に注目。これってアウトレット業態である「ノードストロームラック」の「ラックRACK」ではないのか。多分間違いないでしょう。やはりというか、当たり前ではありますが、ノードストロームで企画されてノードストロームで販売されていたようです。

「99.95」とあります、らひょっとしてこれが定価でアウトレット価格が44.90ドル、ということなのかな?あるいは最初から44.90ドル? 日本のアウトレットモールなどでは、アウトレット品といいながら実際はアウトレット用に企画製造したものであったりすることもあるようです。こいつもそうなのかな。ワカラナイ。

いずれにせよ、ノードストロームのアウトレット、その業態はいつから?調べてみたところ、「ノードストロームラック1号店」のオープンは1975年とのこと。なんだ、そんな前なのね、キャロウェイ創業より後かと思ってたけど、7年も前です。年代を絞り込む要素にはならず。

 

 

であるならば、ほかの、というか、唯一の手掛かりといえばこれ。

内側の印字。

この文字が白いことと「LEATHER UPPER & LININGS. REST MAN-MADE」の文字。おそらく手掛かりはこれしかない。

 

印字の色について。

例えばフローシャイムなんかでも「黒」「青」「白」と3色あって、白が一番年代的には新しい。ほかのメイカーは分かりませんが、1960s頃の旧いペアの印字はだいたい黒が多いような印象です。

今回は「白」。色から推測するのであれば、年代はやはり新しいものと考えるのが妥当なように思える。

 

次に、印字された文言について。

「アッパーとライニングが本革で残りは人工です」との意味で、このような趣旨の表記をしばしば見かけるわけですが、「REST MAN-MADE」という言い回しは初めてです。実物もウエブ上の写真でも、ここに【REST】の文字を見るのでは恐らく今回が初めてです。うーむ、これが最大の手掛かりになるかもしれない。

 

さて、ここからの作業は、

①可能性のあるシューメイカー候補を挙げる
②そのメイカーの印字内容をネットで漁る
③ラバーソールのサドルシューズの印字内容をネットで漁る

といった地道な作業になります。やってみました。まず、

 

①可能性のあるシューメイカーの候補ですが、

当初候補に挙げたのは、

「ALLEN EDMONDS アレンエドモンズ」
「Walk Over ウォークオーバー」
「SEBAGOセバゴ」
「COLE HAANコールハーン」
「L.L.BEAN エルエルビーン」
「MASON メイソン」

といった、概ね20世紀創業の比較的歴史が浅く、かつ、今も現存するもしくは21世紀初頭まで生き残っていたシューメイカーたちなのでした。

ただ、実際問題としては、これはもう、【Walkover一択】でしょう。コールハンのサドルシューズなんかもよく見かけますが、実はウォークオーバー製であることが大半です。

そういえば、1足持ってました。

古いウォークオーバー

GWのお伊勢さん参りの際の足元はこいつでした。

サイズ8.5Dのこいつ、内側の印字は黒。で、書体も書かれている内容も異なる。こいつは1980s頃のペアです。ウォークオーバーは1990年代半ばにブランドが一旦クローズとなり、その後2010年にイタリア資本により米国製造にて復活を遂げています。

てなことで、

 

②Walk Ovetの印字内容をネットで漁ってみたのですが、

うーん、なんかイマイチです。比較的古そうな、私のペアと同年代頃のペアについては、上の黒の文字と同じスタイルのモノが大半です。まあ、当然といえば当然か。で、ひょっとしたら現行ウォークオーバーの印字かも、と思ったけど、どうやらそちらでもないらしい。

 

だとすればどこ?
あるいはこのどちらでもない?
であるなら、何者?
うーむ、なんとか明らかにしたいです。残る手段は、

 

③ラバーソールのサドルシューズの印字内容をネットで漁る

ことなわけですが・・・、現時点ではギブアップです。ebayあたりを検索するのが結構効果的なような気もしているのですが、力尽きました。この件は継続して、気長にリサーチしていきたいと思います。よろしければ皆さんもぜひご一緒に謎解きをお楽しみくだい。で、何かわかったらぜひ教えてください。

 

 

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とりあえず現時点では、

「1980s後半~1990s前半の米国製」

というのが私の見立てです。今回はここどまり、ただ、「ノードストロームラック」はハワイにもあるそうな。意外とここ数年に日本人が買い求めてきたもの、という可能性もなくはない。まあ、それならそれで構わないのですが、そうだとすればキャロウェイかノードストロームに直接訊けば分かるのかも。でも、それだと面白くないかも。

 

最後に、

こいつ、履いたらちょうどっぽかった。

なもんで、ひょっとしたら【レディスの9D】かとも思ったのですが、寸法を見る限り普通にメンズのUS9.0のようです。ソールの所為か、この手のサドルシューズは未使用時点ではどれもタイトなフィッティングなのでしょうか。ということは履いてるうちに緩くなるかも。

どうしよう。
折角いい感じなのに。
いえいえ。
年に数度の登板です。
なかなかにそうはならない。

良くも悪くも。

 

(おしまい)

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