こんにちは、ばしです。
先週2足届いたカナダ靴・ダックス。
土曜日にキャメルスキンのPTBをメンテ。
もう1足を翌日曜日にメンテしました。
こいつ。
Dack’s Black Pebbled Calf Short Wing Tip
手持ちのカナダ靴はガンボートスタイルの「ごつい」やつ、もしくはエキゾチックレザーなのが多いですが、今回はスマートな出で立ちの3穴ショートウイング。キレイなスタイルのペアです。
中敷きは擦れて何も表記見えず。内側の印字、サイズ表記は「395」。US9.5Cです。US8Dの私には大き目サイズ。今年はマイサイズ以外は買わない、はずなのに、購入に踏み切ったのには理由が三つ。
ひとつめの理由は、セラーによる実寸の情報。
Sole length: 11.75′
Insole length: 10.5′
Width (at widest point): 4.25′
とのこと。アウトソール11.75インチということはセンチ換算で30センチを切ってます。US9.5のサイズ感にしてはどうやら小さめの作りの様に思えます。中敷き1枚でちょうどいいサイズなのではないか?
ふたつめの理由は、これ。
シューツリーつきです。こんな風に扉の取っ手みたいの付きのツリーを持っておりません。ビンテージっぽくて非常に良い。欲しい。
で、みっつめの理由は、価格。
今回、靴本体&シューツリー&送料込みで74カナダドル。7000円でお釣りです。おお!安い!
日本ではリセールバリューの高くないカナダ靴とはいえ、これなら、万一サイズが大きくても、買った値段で誰か引き取ってくれるでしょう。てなことで、えいやっ、と、行かせて頂きました。
(注:カナダ靴がすべてこの価格帯なわけでありません。私が特に相場より安くゲットしているということは補足しておきます。)
こいつで13足目のカナダ靴です。すでに5足手放しましたが、それらも含め、品質はどれも素晴らしかった。今回もカナダ靴らしい、ビンテージらしい造作です。
ソールはハーフミッド仕様。
レザーソールには5ネイル。
トップリフトはビルトライトです。カナダ靴でよく見かけますね。
あ、内側にも釘が。
7本打たれてます。
マクヘイルの内側も似たような造作でした。
そっくりです。年代が近い? 単にカナダ靴によくある仕様?
よくわかりませんが、釘ダクは大好物です。意味なく嬉しい。
さてさて、アッパーはどんなかいな。
さっそくメンテです。
いつも通り、まずは左から。
ステインリムーバー
箱を開けた瞬間の匂い、ワックスと若干のカビっぽさ、が、いつもよりも強いのが印象でした。
ワックス、結構べったりでした。中も同時に拭き取りました。
LEXOL
いつも通りの手順で。
いつも通り、コバ周りを入念に。
RenoMat
強烈過ぎるのでたまにしか使ってませんでしたが、このところルーティンの手順に加えました。とはいえ、決して力を入れ過ぎてはいけません。地の色まで剥げかねません。軽く撫でる程度でも十分効果があります。
すっかりすっぴんになったかな。
デリケートクリームもどき
デリクリ、前日のキャメルスキンの手入れ時に使い切ってしまいました。
まあ、100円だとケチらずにたっぷり投入できます。
ブートブラックリッチモイスチャー
こいつも最近加わったマストアイテム。
写真は拭き取ったあとなので分かりづらいですが、手触りがモチモチになります。
TAPIR レダーオイル
いつもの手順。
柑橘系の香りが病みつきです。
コロニル1909 シュプリームクリームデラックス
いつもの定番クリーム。
もとがべったりでしたので、しばらくはワックスは入れずにおこう。
少し異なる角度から。トゥのメダリオン、カリオストロの紋章のようです。いや、そうではなく、とっても細かいです。ここまで細かいのはあまり見たことがありません。
ソールもいつも通りメンテしました(ソールトニック→レダーオイル→パレードグロス)。
メイカー名がどこにもないと思っていたら、ソールにありました。筆記体で「Dack’s」。分かりますかね。
そんなこんなで左足メンテ完了です。
右も同様に仕上げてコンプリートっ。
ビフォーアフター。
【BEFORE】
【AFTER】
見た目変わりませんが、ワックスはなくなりました。
【BEFORE】
【AFTER】
メンテがどうこう、というよりも、単純に美しいフォルムです。3アイレットゆえ羽根周りは小さめ。ディンケ・リオ(←そのうち買うやつ笑)を細身にしたらこんな感じ、といった印象です。で、爪先のメダリオンの穴の直系がすごく小さい。なもんで、ぱっと見、メダリオンが無いように思えますが、それがまた良い。
サイドビュー。
羽根から履き口に続くパーフォレーション。
ドッグテイルの踵までぐるりとつながっています。
凄く丁寧で美しい。ビン靴を買ってよかったと思える瞬間です。ヒールカップは小ぶりな印象です。踵の小さめな日本人向け、といえるでしょう。すなわち、私向きということです。
ハーフミッドの爪先、補修痕があります。
爪先だけ?いや、オールソールか?まあ、どっちでもいいです。いずれにせよ、メンテされながら大切に履いてもらっていた証です。こういうのは引き継いだ後も特に大事にしないといけない奴です。
スタイルは欧州風。質感(=ごつさ)は北米仕様。それがすなわちカナダ靴。ベリーグッドです。さてさて、あとはサイズ感です。
昨日履き下してみました。
見た目はグッド。爪先、羽根付け根、履き口を飾るパーフォレーションが効いています。
サイズ感は、やはり少し大き目です。9.5Cほどではないです。9Cくらいのサイズ感でしょうか。特に、足指側の遊びが大き目です。甲の高さは問題ないので、厚手の中敷きだと甲がタイトになってしまいそう。
ということで、DAISOで薄手の中敷きゲットです。別に緑が好きとか、「お茶」に惹かれたという訳ではありません。
薄手で、クッション性の高くて、けれども反発は強すぎず、柔らかくて簡単に沈み込みタイプのもの、をチョイスしてきました。
まずは左足にだけ入れてみました。
羽根が広がる、ということは無さそうです。爪先側は欲を言えばもう少しタイトの方が良いのですが、そうすると市販の中敷きでは無理そう、お手製が必要です。まあ、ひとまずはずこれで様子見ましょう。
半日後。
朝の時点では足指の遊びが気になりましたが、なんとなくいい感じ、違和感なくなってきました。時間の経過とともに足もむくみ、夕方ころには違和感も随分なくなりました。まあ、とはいえ、すこーしだけ大き目ではあるんですけどね。。
手持ちのカナダ靴、こいつで8足です。
日曜日には他のペアもメンテ&記念撮影しました。
どーん。
上段左から、Scott McHale、John McHale、Slater、Prices。
下段は全てDack’s。Camel Skin、今回のペア、U-uing Tip、Calf Brown Derby。
もいっちょ。
あらためて、なかなかに個性的なペアのオンパレードです。
今回のペアが一番オーソドックスといえそうです。
カナダ靴。
アメリカ靴よりも個性的でお買い得なカナダ靴。
他とは違った面白みがあります。
未だの方、
是非一度お試しあれ。
(おしまい)