Florsheim 31884のメンテ(前編)

こんにちは、ばしです。

 

このところまたちょろちょろ拾ってきてはメンテしてます。今回もそんな中から1足ご紹介。

5月最後の週末にこんなの拾ってきました。

右足内側に見える青い窓。

レギュラーラインのフローシャイムです。古靴好きな人には一目でわかる通り、年代はさほど古くはない。レアでもないし、フローシャイムの中でもさほど人気が高いものではない。私自身、このペアを探していた、ぜひとも欲しかった、というわけでは全くありません。

セカスト羽曳野店で拾って来ました。

私の記憶が正しければ、このペア、初めて遭遇したときは確か【税込15000円くらい】だったはず。その値札を見て、いやいや、それはないでしょう、高すぎます、明らかに値付け間違ってるよね、売れるわけないよね、せいぜい6~7千円でしょう、そう思ったことを記憶しております。

その後、50%オフの値札が張られたところまではフォローしてました。それが半年くらい前でしょうか。先日久しぶりに同店を覗いてみたところ、前回見たときと同じ場所に鎮座しております。でしょうね。あの値段じゃそりゃ売れないよね。そう思って手に取ってみましたところ、なんと、

売値が5900円に値下げされた上に50%オフの札まで付加されておりました。いやはや、人気のないレギュラーラインのモデルとはいえ、これはあんまりです。ユーズド品の値段なんてあってないようなものとはいえ、この値段の乱高下、この扱われ方はあまりに不憫です。

よし。一肌脱ぎましょう。

綺麗にメンテして、一、二度履いたうえで新たな持ち主に届けることにしようと思う。てなことで、嬉々として持ち帰って来たのでありました。まずはさくっと、

 

コンディション&ディテールのご紹介。

品番は「31884」。アルファベット二文字は「KG」。1976年もしくは1986年の11月製、となる。白文字だし、「FREXIBLE FIBER INSOLE」は1970s後半に登場、といったことから、この個体は「1986年11月製」であろう。

そう思ったのですが、インスタにアップしたところ海外の方から「1976年製だよ」とのこと。根拠はよくワカラナイのですが、まあね、本国の方がそうおっしゃるのであればきっとそうなのでしょう。

スタイルは米国ビン靴らしいエプロンフロントなダービーシューズ。素敵なのですが、今どきのスタイルでないことも人気がいまひとつの理由であろうと思われます。

とはいえこのモデル、「Florsheim 31884」で検索してみると結構ヒットします。国内外どちらでもユーズドがそれなりに流通してるみたい。当時はフローシャイムの中でも定番のモデルだったのかもしれませんね。

使用感あふれるアウトソールですが、「へたり」はありません。

釘穴なし=1970s以降のトップリフトも削れの程度は軽微と言えるかな。

靴紐。ビン靴らしい厚みのあまりない平紐です。オリジナルの靴紐かと思われます。

タン裏はベージュ色のフエルト。擦り切れとかはありません。使用頻度少なめの個体のようです。

まあ、見た目はそんな風には見えないのですが。甲周りの皺ははっきり&くっきりです。

まあね、シューツリー無しの状態で、比較的長期間空調の効いた店内にもおりましたからやむなし。状態は悪くはないけど必ずしも良いわけではない。ということは、潤いが戻れば見た目もそれなりに元気に復活するかも知れません。ということで、先週末からメンテナンスに着手いたしました。

いつも通りまずは左足から。

 

 

 

LEXOL

コバ周りを歯ブラシで汚れ落とし。

アッパーも軽くLEXOLしましたが、あまり変化はない。

 

 

RenoMat リムーバー

皺の奥が黒ずんでいたので、強力リムーバーを歯ブラシにとり優しく擦ってみました。化学反応で落としますので、強く擦る必要はないわけですが、

なんだか別物に変身しました。

うーむ。同じ靴には見えません。向かって左のように元は濃茶だったわけですが、これはワックスなりクリーム也が塗り込まれていた、ということでよいのでしょうか。

正直なところ、ちょっぴり不安なのです。
何が不安かと言いますと、

ググってヒットする31884はどれもダークブランばかりなんですよね。上の写真の右下が特に顕著なのですが、

こちら、ビンテージ靴ショップ・CHETTさんより写真拝借いたしました。この全体的に均一な光沢のあるダークブラウンは靴クリームやワックスのそれではないように思えます。

明らかにおかしいです。

思いますに、CHETTさんのものがオリジナルに近い状態で、使用&経年により上記写真の向かって左=右足の状態となり、さらに強力リムーバーのせいでこんな風にしてしまった。

要は、濃茶はオリジナルなわけで、塗布された染料か何かが知りませんがその塗膜が弱くて、必要以上に引っ剥がしてしまったのではないか、そんな風に思えてならないのです。

とはいえ、やっちまったものは元に戻りませんので、とりあえず前へ進もう。

 

 

デリケートクリームもどき

水分&栄養分を補給。

いやはや、参ったな。

 

TAPIR レダーオイル

油分補給しつつ追加で汚れを落とし。

 

 

マスタングペースト

がっつりと油分を浸透させよう。

別に茶が濃くなくてもおかしくはないわけですが、これは「FLORSHEIM 31884」といってよいのかどうか。とりあえず右足も同じ手順でマスタングペーストまでやってみた。

うーむ。CHETTさんのと比べてみよう。

いやはや、やはり同じ靴には見えませんね。

馬油がテラテラと光ってます。

すっきり綺麗にはなっている。

これはこれでありなのでしょうが、

「31884」としては売り出しにくいかな。

明るい色目のまま自分で履くしかないのだろうか。濃茶で補色した方が良いのか。あるいはマスタングペーストが浸透したら色目も少しは落ち着くのか。

まあ、今考えてもしょうがないです。とりあえず1週間ほど様子を見ましょう。明日土曜日に続きの作業を行います。

仕上がりの様子は日曜の記事にて。

 

(次回につづく)

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です