こんにちは、ばしです。
自粛期間が明けて早や3週間。
リユースショップ巡りを徐々に再開しているものの成果はゼロ。
ですが、3週間で3足、ゲットしました。
で、3足とも、メルカリです。
1足目は前回のフローシャイム(「mercari-de-FLORSHEIM」)。
2足目は前々回のステットソン(「マイファーストSTETSON」)。
どちらも本格ビンテージで、どちらもお買い得でした。
で、3足目。
今回も本格ビンテージのお買い得なやつ。
こいつ。
WRIGHT イミテーション・ウイング
WRIGHTの靴。
ウイングチップ、です。
・・・いやいや。
騙されてはいけません。
フェイクです笑。
よおく見ますと、実際には切り返しはありません。
要はこれ、プレーンなアッパーにウイングチップのようなステッチとパーフォレーションとメダリオンを施した「イミテーション」です。
なぜそんな手の込んだことしたのかって?
作った人に聞いてください。
WRIGHT。
あらためてこんなシューメーカーです。
E.T.Wright
DAVIDさんのブログ「Vcleat.com」の記事によりますと、
E.T. Wright – Rockland Mass. Founded in 1876 by Elwin Temple Wright. Name purchased by Mason in 1998.
とのこと。
えーと、すごい雑な説明ですね。補足しましょう。
千葉の古着屋ガレージセールさんの記事からコメント拝借しました。
・・・ライト社は1876年創業の老舗ブランドでアメリカを代表するオーソペディックシューズ系のメーカーです。オーソペディックシューズというのは足にトラブルがある人向けに作成・調整された矯正靴の事。足が悪い方のために特殊な革靴を作っていたブランドなんですね。有名な所ではあのオールデンもそうですし、【FOOT-SO-PORT】も矯正靴を開発していたメーカーの一つです。一般的には知られていませんがアメリカ古靴好きの間ではかなり評価が高いです。
オールデン同様、熱狂的な古靴マニアが付いているブランドでもあります。
「オールデンよりライトの方が履きやすい!」という方もいますね。
はい、そういうことです。完璧です。
思えば、私の元にやってきた3足目のWRIGHTです。
1足目はこいつ。
昔の写真です。前の家の玄関で撮影したもので、写真これしか残ってません。見づらいですが、「↓」のでかいやつです。たしかUS10か10.5。私にはでかすぎて履けず、結局知人にあげてしまって今は手元にありません。見えづらいですが、Breatherラインで、今回の茶色のペアの色違いでした。
2足目はこいつでした。
こちらもBreather Wright。
6Dとレディスサイズ。すでに転がして手元にありません。
前々からマイサイズのライトを探してたんですよね。
今回は8.5C。で、トゥはこんな感じ。
ビンテージスチール付きでした。ラッキー。
で、スクエア気味です。中敷き1枚でちょうどかと思いましたが、入れたらきつい。結局なしで、このままでOKぽいです。
よし、儀式です。メンテです。
いつも通り、まずは左から。
ステインリムーバー
トゥに傷がありますが、それ以外はクラック等の類はありません。
ワックス、結構塗り込まれてました。
一度すっぴんにせねばなりません。
LEXOL
写真ありませんが、コバ周り、泡が結構茶色くなりました。
まあ、これでワックス一通りは落ちたかな。
デリケートクリームもどき
いつもの百均のヒト用クリームです。
アッパーだけでなく、中も保湿です。
踵内側と吐き口にも。あ、パイピング少し切れてますね。まあ、OK。
アップです。
中央に膨らみがあります。ヴァンプと呼ばれるこのふくらみが菱形なのがWrightの特徴です。
8.5インチと私には少し長めのサイズ感ですが、こいつがいい感じに引っ掛かりとなって、足がつま先側へ行き過ぎるのを防いでくれる感じです。目に見えて膨らんでますが、足を入れても違和感はまったくありません。
TAPIR レダーオイル
保革&油分補給。最近加わった定番の手順。
いい感じの艶感です。
コロニル1909で仕上げ
うん、さすがの仕上がりです。
ハイシャイン(鏡面仕上げ)でなくていいのなら、ワックスはいらないですね。
インソックのロゴも一応。擦れてますが、今回もBreatherラインですね。
右も同様に仕上げてメンテ完了です。
【BEFORE】
【AFTER】
見た目はほとんど変わりなし。少しだけ明るくなったかな。
ソール。ヒールトップは交換されてまだ間もなしです。土踏まずあたり外側。〇のマーク。ソールのこの場所に同様の形跡があれば、それはWRIGHTの靴です。
マサチューセッツ州発のシューメイカー
で、このライト社。先ほどもありました通り、マサチューセッツ州で創業されたのですが、同じ矯正靴メーカーのオールデンもマサチューセッツなんですよね。ライトは1876年創業、オールデンは1884年創業。ライトの方が古い。
で、再々登場するvcleat.comの記事を見ているうちに、マサチューセッツ州発のメイカーがとても多いことに気づきました。ピックアップしてみました。
Alden – Middleborough, Massachusetts in 1884.
Bates – Founded in Webster Mass 1885.
Charles Chester Shoe Company – Brockton, Mass. Folded in the early 1970s.
Douglas Shoes– Brockton Mass. Founded in 1876
E.T. Wright – Rockland Mass. Founded in 1876.
Edwin Clapp – East Weymouth Mass in 1853.
Etonic – Charles A Eaton Co, Brockton Mass. Founded in 1876.
FootJoy – Founded 1857 in Brockton, Mass.
Foot Pals – Wall Streeter Shoe Company, North Adams Mass.
Frye – Founded in 1863 in Marlboro, Massachusetts.
Howard & Foster – Brockton, Mass.
Knapp – Founded in 1921 in Brockton Mass.
Plymouth Shoe Co – Middleborough Mass.
Sperry Top Sider – Lexington, Mass. Founded: 1935.
Stetson Shoe – Founded in 1885 in South Weymouth Mass.
Walk-Over – Founded in 1899 in Brockton, Mass.
DAVIDさんの記事で紹介されている118ブランド中、なんと16ブランドがマサチューセッツ発です。割合にして13.5%。明らかに多い、偏ってますよね。
なぜなんでしょうね。
ひょっとして、コードバンで有名なホーウィン社がマサチューセッツとか?
と思ったのですが、イリノイ州シカゴで、距離も随分離れてます。
アメリカの地理や歴史は詳しくないのですが、マサチューセッツ州ゆえの何かがあるんでしょうか?
グーグルマップです。首都はボストン。
レッドソックスの街ですね。
で、面白いのが、州の中に「Northampton」て街があります。
で、北隣のニューハンプシャー州にも面白い地名が。
「Dover」「Portsmouth」「Manchester」・・・って、ここはEnglandですか笑。
と、思ったら、この界隈の6州を「ニューイングランド」と呼ぶんだそう。
なんか靴づくりと関係あるのでしょうか?
あらためて、なぜマサチューセッツに集中しているんでしょう?
おいおい調べてみましょう。
で、先ほどのリストを並べ替えてみました。
創業年順だとこんな感じ(不明分は割愛)。
1853 Edwin Clapp
1857 FootJoy
1863 Frye
1876 E.T. Wright, Douglas Shoes, Etonic
1884 Alden
1885 Stetson Shoe, Bates
1899 Walk-Over
1921 Knapp
1935 Sperry Top Sider
知らないシューメイカーもありますが、著名なところも多いです。
Bates、Edwin Clapp、FootJoy、Knapp、TopSider、Stetson、Walk-Over・・・。
19世紀後半~20世紀前半のマサチューセッツって、どんな街だったんでしょうね。人口もそんな多くはなかったでしょうし、石を投げたら靴関連の職人にあたる、みたいな。
タイムマシンがあれば行ってみたいな。
ということで、再度、全景。
まあ、そんな風に見れば、古臭い顔、かもね笑。
君は売らないやつです。
わが家にステイです。
早速、履いてみました。
うん、いい感じ。
イッツ・オール・ライト!
・・・いやいや。
騙されてはいけません。
フェイクです笑。
この写真、メンテナンスの前に履き下ろしちゃったときのものです笑。
こいつ。
非常に丁寧に梱包されて届きました。私も発送時はきちんと丁寧を心掛けているつもりですが、私よりも丁寧。で、ご覧の通り状態も良く、アッパーもきちんとメンテナンスされていました。
出品者さんも相当に靴好きなんでしょうね。同類のにおいがしました笑。
同じ「靴好き」としてはこういうの、ウエルカムです。嬉しいです。
なもんで、いつもならまずはメンテナンスのところ、いきなり履き下ろしてしまった次第です。
ワックスは入れない派の私ですが、こういうのは、ありだな。
気持ちは、伝わるものです。
大切に履きます。