マイファースト ARTIOLI

こんにちは、ばしです。

 

今年は年始から古靴漁りは小休止中。

厳密には全くのゼロではなく数足買ってしまったりしているわけですが、とはいえ、それもごくごく僅かです。昨年1年間で73足買いました(過去記事「ゆく靴くる靴(2025年12月&2025年の総括)」)ので、それを思えば無いに等しい、ゼロみたいなもんです。

休止の理由は、なんせ、増えすぎまして。かつ、未メンテなペアもまだまだ残っており、買うよりもメンテして履き下ろすことに軸足を移しております。なのですが、パトロールは欠かしておりません。

先日のこと。メルカリで出品中のペアに一目惚れしてしまいました。そいつはビンテージではないしユーズドでもない。おお、それって古靴とはいえないよね。「古靴漁り」は小休止中だけどこいつは古靴ではない、ない、ない・・・、などと言い訳をしながらポチっと行ってみましたのでご紹介です。

 

 

ARTIOLI アルティオリ

アルティオリ、と言うそうな。

初見のメイカー、ということも購買意欲に拍車をかけた面も否めませんが、まずはどんなメイカーなのか確認です。少し引用文長めです。

 

“アルティオリ(ARTIOLI)”は、1945年、ミラノの北西に位置するトラダーテにて、セヴェリーノ・アルティオリが自身の名を冠して設立したイタリアのシューズブランド。創業者であるアルティオリ氏が最初に構えた工場は、従業員わずか7〜8名という小さな工房程度の大きさであったが、数年後には100名を超え、現在では36,000足を生産する規模にまで成長した。企業として大きくなっても尚、職人による手仕事の工程を数多く取り入れ、すべて自社工場内で生産している。

“アルティオリ”の名が世界に広まったのは’60年代〜’70年代にかけてのこと。現在の経営者であり2代目のヴィート・アルティオリ氏の経営手腕によるところが大きく、現在までに6万6000モデルを世に送り出し、年間1000モデルを製作する。現在は、息子であるヴィート・アルティオリ氏が社長に就任し、孫のアンドレア・アルティオリ氏がCEOを務めている。

(中略)

フレッド・アステアやフランク・シナトラといった往年の大スターから、ロバート・デニーロなどのハリウッドスター、ケネディ家、マイケル・ジョーダン、アメリカのブッシュ大統領やイラクのフセイン元大統領も顧客として知られている。中でも創業者セヴェリーノ・アルティオリ氏が、直接 故ヨハネ・パウロ二世に「マッケイ製法」の靴を献上した話は有名である。

 

だそうです。

こちら(https://shoes-box.net/A14292861962)の記事より引用させて頂きました。戦後創業と比較的新しいブランドなのだそう。イタリアの高級靴ということですが、恥ずかしながらこれまで存じ上げませんでした。

どの程度高級かと言うと、エルメスやその傘下であるジョンロブパリの製品をOEMで請け負っていた時期もあったのだそうです。イタ靴でロブパリといえばボノーラだけかと思ってましたがそうではなかったようです。またひとつお利口になったわ。

ただ、そんな風に高級だから買ってみた、と言うわけではありません。そのような話は買った後で知った次第です。出会って程なくしてこいつを買おうと決めた理由は5つ。

 

一つめ。

未使用品であること。
カラスのソールは真っ黒なまま。
傷一つありません。

ソール中央には「ARTISAN PROCESSINNG」の文字。「Artisan Processing(職人加工)」とは、機械による大量生産ではなく、熟練の職人技術や手作業(ハンドメイド)を用いた製造プロセスによるものであることの証です。少しだけ違いの分かる私にその良さがわかるかどうか、は、不明ですが、なんか嬉しい。ちなみに、

内側。ライニングはオールレザー。
底には縫い目がしっかり。マッケイです。
マッケイ・ヒドゥン、でしょうか。
未使用品なんで他人のフットプリントなし。

 

二つめ。

箱付きであること。真っ赤な箱です。
サイズ表記は「7」とあります。UK7.5がマイサイズな私ですが、スリッポンやローファーはハーフサイズダウンで行けるはず。

三つめ。

靴袋つきであること。なのですが、入れてみたら片方しか入らない。元は2つついてたのかな。まあ、構わん笑。

余談ですが、Artioliの前の4文字。「Sito」あるいは「Nito」とも読めるため、フリマサイト等ではそのように出品されていることも少なからず見受けますが、正しくは「Vito」。アルティオリ家の二代目であるヴィート・アルティオリ氏のフルネームが記載されているようです。二代目時代の品、ということなのかな。年代はよくワカラナイ。

 

戻りまして、4つめ。

オリジナルのシューキーパーつきであること。プラスチックではありますがオリジナルです。これはありがたい。

そして、最後にして最大の理由、

 

5つめ。

とてもとてもデザインが美しいこと。

ウイングチップスリッポン・スタイルなのですが、滑らかに曲線を描くWの切替し&ラインが、なんというか、とても色っぽい、艶っぽい。そして甲にあしらわれた穴飾り。何もなければきっと寂しい。タッセルなどは武骨でこの繊細なスタイルには似合わない。

これ以外ない、そんな唯一無二なデザインではなかろうか。と思う。ほかにはきっとない。そんなやつは手に入れたい、足を入れたい、となったわけです。

しかし、あれですね。

オリジナルのシューキーパーとはいえ、木製ではなくプラスチック製というのは高級靴にしてはややお粗末か。それに、中敷きのタグにもこのシューキーパーにも「STAR ARTIOLI」とあります。「STAR」とあるのはセカンドラインらしい。

なあんだ。いや、そもそもセレブが愛用しているのはビスポークのアルティオリです。ファーストかセカンドか知りませんが、こいつは既製品です。そもそもが雲泥の差があると思われるわけですが、

そんなことはどうでも良い。

そもそもビンテージならいざ知らず、現役メイカーの高級靴のビスポークなんて、私には分不相応です。一点豪華主義にもほどがあるってもんです。そんなことより何より、兎にも角にもこのデザイン、このスタイルが素晴らしい。と、購入を決めたわけです。既製靴だろうがセカンドラインだろうが唯一無二なことには変わりはない。未使用品とはいえビン靴ではありませんので、「デッドを履き下ろせない病」の私も今回はきっと履き下ろせる、

はず。

ただ、

カビ。かな。

折角のグラマラスなお尻には不似合いですが、全体的に少しばかりカビっぽいようです。箱に入れられたまま靴棚か倉庫で長らく保管されていたのかもしれません。新品の靴をほとんど買わない私には「プレメンテ」というものが一般的にどのようなものか知りませんが、履き下ろすにあたっては儀式です。カビや埃を除去して水分油分栄養補給しよう。

いつも通り、まずは左足から。

 

 

ステインリムーバー

ワックスなどは塗り込まれてはいないでしょう。
サクッと汚れ落としカビ落とし。

あらまあ、意外と、意外と。

カビは除去できたでしょうきっと。

 

 

デリケートクリームもどき

百均のヒト用クリームで念のため保湿。

滑らか、ツヤツヤなアッパーです。

 

TAPIR レダーオイル

念のため油分補給。

ギトギトです。光り過ぎ。

 

コロニル1909(無色)

いつもの仕上げクリームで落ち着かせる。

うん、良きかな。スッキリしたと思います。
プレメンテ、これにて完了です。

 

【BEFORE】

【AFTER】

おお、すっきりました。

 

【BEFORE】

【AFTER】

うーん、セクシーです。
明らかに英国や米国のものからは感じられない艶やかさ、艶めかしさが漂っている。そう思うのは私だけでしょうか。

黒が黒い。

滑らかな曲線と丁寧なミシンのステッチ。
アッパーの肌理も細かい。斜め横の椅子を選ぶのはこの角度からの君がとても綺麗だから。

薄いシングルソールと絞り込まれた土踏まず。で、ようよう見てみますと、

コバの真ん中あたりが凹んでます。矢筈仕上げ、ではないですが、手が込んでます。この仕様って何か名称とかあるのでしょうか。ご存知でしたらコメント欄よりご教示いただけましたら幸いです。

ところで、付属のシューキーパーですが、内側に「41-42」の刻印が。サイズ調整が可能なシューキーパーとはいえ、UK7.5-8.0サイズと共用で行けるということはゆったりした造り、なのかしら。足を入れて確認してみると、

やはり、ゆとりあります。UK7にしてはゆとりあり、というか、甲が高めなように思える。センターエラスティックなこともあり尚更、とも言えそうです。

薄手の柔らかなアッパーは素足でも心地よさそうなのですが、

し、皺が凄い。

履いてるうちに皺だらけになりそう。きっとセレブはレッドカーペット以外はさほど歩かないんでしょうね。セレブでない私は普通にたくさん歩きますので、甲周りをタイトめくらいにしておきませんと皺だらけになりそう。中敷きでかさ上げして履こうと思う。また、

真っ黒でマッケイのヒデゥン仕上げと思われるこのアウトソールですが、

玄関先で少し試し履きしたたけでこの有様です。
アウトソールがこんな風にキズだらけになるのを見るのが辛くて履き下ろせない私です。こいつには黒のハーフラバーを施した上で履き下ろそうと思う。久しぶりにBONTAさんに依頼しよう。で、どうせなら他に用はなかったかな。

 

箱付きデッドなレザーソールは他にもあります。

右は「BAGATTO」こいつもイタ靴です。
箱が赤と緑でまさにイタリアンです。

我が家に来て二年半経ちますがこいつも履き下ろせてません。このソールが傷だらけになるのが耐えられなくて。

もう1足。

右はFREEMAN。米国製のウイングチップスリッポンと記念撮影。

我が家に来て間もなく丸5年のこいつはアルティオリ同様アウトソールも真っ黒です。こいつにもハーフラバー? いや、こいつはまだしばらくはこのままで。

まあ、慌てずともよい。

 

あれこれ考えてるとまた動けなくなります。

下手な考え休むに似たり、です。早々にBONTAさんへ行って、早々に履き下ろさねばと思う。夏までにはデビューさせよう。ネクタイの季節が終わるまでには出番を作ろうと思う。どんな雰囲気になるのでしょう。

 

ちょっとドキドキします。

 

(おしまい)

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