Diplomats Penny Loaferのメンテ(後編)

こんにちは、ばしです。

 

前編」からの続き、後編です。

アンノウン扱いのぼろいローファー。

DiplomatsなるMASONの一ブランドであることが明らかに。その後がっちりメンテナンスしました。前編では「丸洗い」して「マスタングペースト」を塗布し、翌日に「追いオイル」したところまででした。

この状態で週末まで放置。
さてさて、どうなったかな。

メンテ再開です。

 

 

☆☽☆☽☆☽☆☽☆☽☆

 

 

5日後の先週土曜日。

途中、水&木曜と丸2日間ツリー抜いてましたので、内側奥までしっかりと乾燥している様子です。追いオイルしたマスタングペーストはといいますと、

すっかりガッツリ浸透したみたい。

たっぷり塗り込みましたので、浸透しきらなかった余分なのが固まってます。白い塊がマスタングペーストの残骸です。

爪先の削れは当初のままですが、箇所・範囲が明確になりました。やはりダメージは表面的・表層的で、うまくやれば復活しそうな雰囲気です。ちなみに、判りづらいですが、上の写真はシューツリーを抜いた状態です。形もすっかり整いました。

よし。見た目も復活させよう。
シューツリーを入れ直して作業再開です。

 

LEXOL

白い塊だけでなく、アッパー全体にうっすらとオイルが残っていますので全部除去します。

縫い目は特にしっかりと掻き出す。

ハブラシで除去できないものは硬めのブラシで。モカ部分とビーフロールの縫い目など、力を入れてしっかりと擦って除去します。

なんだか色艶もよくなったように思える。

次いで、このダメージへの対処です。

 

サンドペーパー

この凹凸部分を耐水のサンドペーパーで削ってなだらかにします。目の粗さ違いで3種、#320⇒#600⇒#800のスリーステップで行ってみた。

だいぶなだらかになりました。

深い部分が稲妻のようです。完全には削り切れませんがこのままで。おおむねオーケーとしましょう。

まずまずではないかな。
さて、次のステップへ。

 

サフィールクレムで補色

ベネトレイトブラシで黒をしっかりと押し込む。爪先だけでなくアッパー全体にサフィールクレムを厚めに入れて、ボロ布で拭った上でいブラッシングしてみた。

 

どうだっ!

甲やサドルはいい感じ。
なのですが、

爪先は色が薄い。

地色が透けてます。補色しきれていない。茶芯ぽいといえばそうなのですが、やはりここは真っ黒の方が良いな。ということで、

 

 

コロニル1909(黒)

補色効果はこちらの方が高いかも。順番逆だったかも。まあ、構わんでしょう。正しい順番なんてきっとない。

お。黒くなった?

お。黒くなった!
ビフォーと比べてみよう。

うーむ、なんだか別の靴のようです。

近くで見ますとスカーフェイスなわけですが、こんなに間近で他人に見られることはまずない。機能面でも使用には問題なさそうに思えます。

あ。糸がぴょんと飛び出ています。

モカや出し縫い付近など、他にも糸がぴょこぴょこと飛び出している。全てライターで炙ったらアッパーのメンテは完了です。

どんっ。

おお~。いいねえ。いいですね。
これこそ古靴弄りの醍醐味であります。
惚れ惚れとする仕上がりではないかな。
これだからやめられない。

 

【BEFORE】

【AFTER】

黒くなり、ぼろさはすっかり失せた。

 

【BEFORE】

【AFTER】

形もキレイに整って、なんだかもう別の靴を見ているようです。これこそが本来のこいつの姿なのでしょう。この変化を見るにつけ、やはり革靴にシューツリーはマストアイテムだと思う。普段からツリーで型崩れを予防することの大切さをあらためて実感します。

 

【BEFORE】

【AFTER】

全体的にシャキッとしただけでなく、反り返っていた爪先も整いました。ここがリシェイプできない場合は磔(はりつけ)て矯正するつもりでした。以前一度だけやったことがあります。

爪先を針金で板に固定して乾燥させる。こうすることで反り返った爪先も本来の形に整った(過去記事「磔(はりつけ)WEEJUNS」参照)。

今回はそこまでする必要はないようです。アッパーがかなり分厚かったので、元の状態でしっかり固定されているようです。これもまたビン靴ならではのことなのかもしれない。

とりあえずアッパーとソールはこれにてオーケーとしましょう。無事に整いました。けれども、

内側が見た目にイマイチです。丸洗いしましたので清潔にはなっているはずなのですが、足を入れるには少しばかり勇気が必要です。

もとから付いていたソックシートを元通りに貼り付けて終了、とするには少しばかり気が引けます。なんせ、ローファーは素足で履くことの多い私です。肌触りもよろしくなさそう。折角の機会ですのでリフレッシュさせよう。ということで、毎度の如く、中敷きを自作してINすることにしてみました。

 

作業は木曜の夜。

うん、いいですね。

ツリー抜いても綺麗なシェイプです。整いました。丸洗いしてずぶ濡れの状態から、シューツリーを入れた状態で乾燥させますと、乾燥の過程で若干縮む。結果、綺麗に形が整う、というものです。

今回のような型崩れの補正だけでなく、履いてるうちに革が伸びてサイズが少し緩くなった、そんな場合もアッパーが若干縮んでいい感じにタイトになります。

 

このペア、サイズは【US8D】です。

ローファーは【US7.5D】がマイサイズですので、丸洗いでややタイトにしたところに薄手の中敷きを足すと程よい感じになるのではなかろうか。なんせ、足を入れるのはイヤなもんで勘を頼りにいってみよう。確証はないものの長年をかけて培った自身の見立てを信じてやってみます。

今回はこんな感じにしてみた。

薄手のコルクシートをフルソックサイズで。その上に前半分だけヌメ革を貼る。ブルックスイングリッシュの履き口の補修の際に購入した革がまだ沢山残ってます。

そうそう、こいつです。薄いからちょうど良いのではないかな。後ろ半分は、クッション性アップのために踵だけコルクを二重にして、その上から元あったソックシートを貼りつける。

ヌメ革貼りました。コルクシートのままでは破けてしまいますので表層に薄革、との構造です。

踵はコルクを2枚貼り合わせる。

その上から、元のソックシートを貼る。コルク部分とヌメ革の端を覆うように貼り合わせます。

そのまま突っ込んでみた。

裏面に糊づけてIN、と思ってましたが、タイトめジャストな寸法となりズレることもなさそう。

内側。とても清潔になりました。ソールの縫い目が見えなくなりましたが構わないでしょう。履いてたらどうせ見えんし。であらためて、甲革の切り口のなんと分厚いこと。ひび割れても、削れても、それらをさらにサンドペーパーで削っても、こんだけ分厚いと何の心配もないね。いい靴拾ってこれて良かった。グッジョブ、俺。

最後に、再度シューツリーを入れて圧をかけ、しっかりと圧着させます。一晩おけばもう十分でしょう。

 

翌金曜日。

しっかりと貼れてます。リシェイプについても、シューツリーを抜いても形はくずれることはない。

しっかりと整いました。
これはもう履くしかないね。
早速履き下ろしてみた。

 

サイズ感ですが、大変グッドです。

追加の中敷きの厚みが思いのほかいい塩梅だったようです。具体的に申しますと、爪先周りは適度にゆとりがあり窮屈さはゼロ。踵周りはいい感じに小さめで、全長・幅ともに問題なし。甲周りは、ややタイトめジャストサイズ。痛みは皆無ですが、サドル部分でがっちりと固定されています。

この日はいつも通り仕事ですが、素足で登板させてみた。ここ最近「東京クールビズ」が何かと話題です。具体的には「Tシャツと短パンもOK」とのルール変更だそうですが、これに対して一部賛否両論があるらしい。私見を申し述べますと、暑さ対策で「短パン」を導入するのは問題ないでしょうが、その手前にもうワンクッション、

「素足で長ズボン」

というものを推奨したらどうかと思う。素足で靴を履くことに抵抗がある人もいるでしょうが、踝を出すだけでとても涼しくなります。下手すりゃ「靴下に短パン」よりも「素足で長ズボン」の方が体感的には涼しいかもしれない。見た目にも安全性の面からももっと推奨したらよいのにと思う。

もっといえば、「革靴に靴下履いてノーネクタイ」と「革靴に素足でネクタイ」とではどちらが涼しいか。思いますに、たぶんどちらも涼しさ(暑さ)の程度は同等程度かもしれない。ネクタイばかりが悪者にされてますが、素足になることにもっと積極的になってもよいのではないか。もうね、毎年この話してるようにも思うのですが、一向に進まんね。

ということで、

まずは隗より始めてみた。

ジャケパンにネクタイ締めて素足でローファー履いてみた次第です。この日の大阪は朝から22度。日中の最高気温は29度とこの時期としては例年より気温高めな1日でしたが、踝を出したお陰で快適に過ごせました。

 

それ以外にも、仕事で素足なメリット&靴を素足で履くメリットはもうひとつあります。それは、「靴下の色を悩まなくて良い」ということです。特に、ローファーなどのスリッポンはダービーシューズなどと比べて履き口が大きいため、靴下の色目が目立ちます。

この日みたいな場合、靴下が黒だと重いし、白だと学生みたい。だからといってパンツと同じベージュはどうかいうと、これもまた変だし、そもそもベージュの靴下なんて持ってないし。

その点、素足は良いです。

ナチュラルで何も問題が発生しません。特に、この日のようにパンツの色がベージュだと、肌の色目が馴染んで素足であることも分かりづらいので、仕事の場面でも比較的無難に過ごせます。

余談ですが、「アンクルソックス」なるやつはあまりおススメしません。僕は仕事であの靴下は履きません。靴の履き口から靴下の生地と色目が見えるのは中途半端この上ないし、スーツを着慣れていない若者みたいに見えます。大人の男にはそぐわない。なので、踝を出すなら素足が良い。足裏もひんやりして涼しさ倍増です。

涼しくて快適で、やりようによっては適度におしゃれにも見えるし、みんなもっと素足で革靴履こうよ。「もっと早くそうしておけばよかった」なんて思うこと間違いなしです。で、その場合はやはりローファーなどのスリッポンがおススメです。

 

僕は準備万端です。

夏のあいだ中、素足でローファーでもオーケー。まあね、他にも履かないといけない靴が多々ありますのでいつもそういうわけにはいかないのですが、ネクタイを締めない代わりにまずは靴下を脱ごうと思う。素足にローファーの機会が例年以上に増やしてみよう。今年の暑さ対策はこれで決まりだな。

 

夏よ。早く来い。

 

(おしまい)

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