Footsavers

こんにちは、ばしです。

 

目利きして、メンテして、履いて、転がして。

ビンテージ靴の世界に足を踏み入れて7年目。で、そのことをこんな風に記事にして4年目となります。日々、楽しく過ごさせてもらっています。とても楽しく、その割にはお金のかからない趣味です。で、そんな趣味の一番の喜びは何かといいますと、それは「メンテ」だったりします。

薄汚れた靴が綺麗になるのは嬉しいし、ほんとに楽しいです。で、それが年代物のビンテージで、手入れによってアッパーが本来のポテンシャルを取り戻した時などは、喜びも驚きも大きい。まあ、ビン靴でなくとも、どんな靴でもいつも楽しいのですが、メンテし甲斐のあるペアに出会ったときなんかが、この趣味にハマってよかった、と思う瞬間です。

今回もそんなやつ。
週末にメンテしました。

こいつ。

 

 

Footsavers

ガチなビンテージ靴が出品されてるのを発見。ひょっとして、俺、履けるかも。これ、メンテしたいな。てなことでポチっと行ってみました。アメリカから届いたUSメイド。

Footsavers。
ブランド名、なのかな。Bostonianの「footsaver」は何度か見かけたことがあります。このペアはBostonianの古いペア、ということでいいんですかね。セラー曰く、1940s-50s、とのこと。まあ、そんな雰囲気です。で、その割には状態は良さげです。

購入を決めたのはこのソールです。以前、1930s-40sとのふれこみのデッドでこんなソール形状のを見かけたことがあったんです。その時は値段が高い上にサイズも大きかったんで買わず終い。今回、年代と状態の割には比較的お買い得だったこともありゲットした次第です。

いや、まあ、お買い得でない靴、そもそもあまり買わないんですけどね。

 

お日様の下で晒してみました。

流石に古さを感じます。が、アッパーの状態はカラカラに乾燥しているわけでもない。

履き口は擦れてますが、ダメージではない。何より、はっきりくっきりのロゴが、履きこまれていないことを物語っています。

ライナーの印字はやや擦れています。セラー情報ではサイズは「9AA」、とのことだったのですが、「9B」ですよね。出品時の写りの悪い写真から「Bウイズ」と見立てていたのですが、ビンゴです、当たっててよかった。とはいえBウイズです。サイズ、どうかな。ギリ、イケるかも、と、ポチっといってみた次第です。で、どうでしょう、履けるかな。まあ、足入れはメンテのあとです。

で、このペア、やはり買って正解でした。
古いビン靴らしい、素敵なディーテール満載です。

メンテ前ですが、まずはご紹介。

 

ヒールカップ。

グラマラスです。ベリーベリーグラマラス。
私、靴に関してはお尻フェチです。多少の傷なんて、目に入らない。ベリーグッドです。

 

小窓にもFootsaver。いやはや、これは多分レアなやつです。いや、分かっとるし。

先ほどのソール。

素晴らしいコンディションです。

トップリフト。

オリジナルなのかどうかは分かりませんが、年代古そう。このヒールトップ、初めて見ました。で、ほぼミントコンディションです。

レザーソール。

2ネイル。で、ソールを縦に2:1で分割するラインが素敵です。メンテ前ですが、思わずキスしたくなります。

サイドビュー。

ヒドゥンチャネル(伏せ縫い)です。これは購入前には気づきませんでした。削れや欠けも皆無。素晴らしい。

爪先。

だし縫いは白。細かなステッチ。トゥに傷がありますが、革質の素晴らしさはこの写真からでも伝わるのではないでしょうか。

羽根周り。

細かなステッチ。文句なし。アッパーはところどころ白っぽくなってます。潤しましょう。それだけでそれなりに復活するでしょう。

タン裏。

フエルトです。ミントコンディション。
で、あれれ? インソック中央に何か・・・。

ヴァンプです。
小判型のヴァンプ、で、縦長に配置されています。初めてみる造作です。

 

随所にビンテージらしいディーテール。

モノは間違いなしかと思われます。手元に届く前は、乾き具合次第ではグリセリン保湿、とも考えていましたが、やめました。細かいステッチのペアの場合、乾燥する際に革が縮み、その際にステッチに沿って千切れることがあるらしい。今までそのような経験はないものの、折角手に入れたこのペアでそんなリスクは犯したくない。ま、そもそもそんな乾いてなさそうだし、いつも通りでいきましょう。

 

今回は靴が主役です。まあ、いつも靴が主役なんですけど、今回は特にそうなんで、いつも以上に写真のオンパレードです。

行ってみましょう。
いつも通り、まずは左から。

 

 

ステインリムーバー

ワックスの類はなし。

 

LEXOL

ルーティーンです。

 

デリケートクリームもどき

死ぬほどたっぷりと。

結構吸い込みました。内側にも。

文字が当初よりくっきりはっきりしました。どういう意味の文字列なのか、知ってる人はコメント欄へお願いします。

 

ブートブラックリッチモイスチャー

怖いのは渇きだけ、です。値の張るクリーム投入。潤え。

爪先は、こんな感じ。そんなことより、これ。

左足、外側の羽根。潤って、ハリが戻り、パンっと張ってます。革って、それなりに生きてるんですかね。びっくりしました。

 

TAPIRレダーオイル

吸い込む感じ。いい感じ。

 

 

コロニル1909ライトブラウン

おー、いい感じ。

ね。

爪先の傷もやや目立たなくなりました。まあ、目立っても気にならない質なんですけどね。道具だし、そりゃ傷くらいつくわな。あまり気にならないほうです。

 

パレードグロス

爪先にニュートラルを。コバ側面に茶を入れてみました。

 

右も同様の手順で仕上げてメンテ完了です。
靴紐はちぎれていたので新品に交換しました。

 

ビフォーアフター。

 

【BEFORE】

【AFTER】

アップで。

素晴らしい革質です。
とてもとても70年も前のモノとは思えない。

サイドビュー。

ほ、細いっ。もいっちょサイドビュー。

綺麗っ。革質、伝わりますでしょうか。

バックシャン。踵履き口、色入れました。少しはマシになった程度ですが、まあ、これで良し。

再度、サイドから。ソール、埋まっていた細かな小石も細いマイナスドライバーで全部除去です。その上で、ソールトニック&パレードグロス(ニュートラル)。底はキスできるくらいが好みです。

メンテ、こんなもんでいいですかね。

さて、あとは、履けるかどうか。です。

足、入れてみました。

 

おー!祝!履けました!

立ってみました。

先ほどの「ヴァンプ」がかなり効いてます。突き上げがすごい。靴下1枚分くらいに相当しそうな突き上げです。素足でなきゃ履けなさそう。

おおー! このアングル、足が長く見えます笑。
けどまあ、靴下履けないから仕事では履けなさそうだし、こいつ履くときはいつもこんな景色を眺めることになるんでしょうね。

 

 

素晴らしい。

見た目にも素晴らしいだけでなく、こんなにも古いペアが道具としての機能を以前と変わらずに維持している、ということが素晴らしい。奇跡のよう、といったら大げさかな笑。

ですが、ときにそう思わせてくれるのがビンテージシューズです。

これを趣味にできてよかった。

 

ビン靴の素晴らしさ、楽しさを、あらためて実感した1日だったのでした。

 

 

(おしまい)

 

2件のコメント

  1. ばしさん

    お疲れ様です。いかにもアメリカンヴィンテージ。カッコいいです。
    おそらく、矯正靴メーカーですよね。実用とスタイルがマッチしていて、すんばらしいと思います。Aウィズが履けるのも、うらやましい…。どこかのメーカーで、既成品だせばいいのに。あ、REGAL(笑)。

    1. しんのすけさん
      こんばんは。EARLY1950sでまともに履けるペアはこいつが初めてです。
      状態よかったものの、普通に履けてしまうのがほんと驚きです笑。
      仰る通り、この時代のものをリメイクしたら結構いけますよね。
      コロナだなんだと影響はあるのでしょうが、ジャケパンにはストレートチップは堅すぎるし、
      カジュアルにもきれいめには革靴が不可欠ですし、と、いうことになりますと、
      ロングウイングほか、ビン靴ライクなペアはオンオフ問わず大活躍だと思うんですけどね。
      あ、こないだから私もリーガルさんのことが頭から離れませんで・・・。
      新しい靴なんかなくとも、今こそ定番リーガルモデルの出番、のような気もするんですがね。
      応援してます、って、新品買わない私がいっても嘘っぽいのでやめときますが、
      折角ですから、ビン靴オマージュライン、アーチケリーさん以外にもあったら嬉しいですよね。
      3万前後のUウイングとかがリーガル価格なら絶対買うのにな笑。

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