こんにちは、ばしです。
先々週に誕生日を迎えた私。
この十年ほど、毎年誕生日には記念の本格靴を購入しておりましたが、今年は何も準備をしておりませんでした。とりたてて欲しい靴があるわけでもなく・・・、
いや、厳密にはあるわけですが、がちなビン靴は値段が高い上にそもそも都合よくマイサイズに出会えるわけでもない。
円安も酷くて、とてもじゃないが海外からは買えない。今年は古靴漁りは控え気味なこともあり、自分への誕プレはNEW & LINGWOODのネクタイでいいかな、なんて風に思っておったのですが、
神はそれをお許しになりませんでした。
先週金曜日のこと。
昼休みに出先で立ち寄ったセカストの雑多な靴コーナーにて。靴好きであれば誰がどう見ても本格的な素晴らしげなペアです。なのに、値札は3900円とな。佇まいに似合わぬ値札です。早速持ち帰ってきました。
ボリューム感のある爪先。適度にくびれの効いた土踏まず周り。ダブルウエルトに分厚いアウトソール。一目見てタダモノではありません。こいつ、何者かといいますと・・・、
三陽山長 勘四郎
三陽山長です。
前からずっと欲しかった三陽山長。なぜ今まで1足も持っていなかったのか。その理由は、「値が張るから」であります。中古でも高いです、ヤマチョー。
そんなやつが税別3900円だなんて、こんなのこれまで出会ったことないです。これはもう、マイファースト三陽山長となるべくして陳列されたモノに相違あるまい。
初見のメイカーですので、さくっと概略のご紹介から。
三陽山長
始まりは2000年10月、前身である<山長印靴本舗>が誕生し、それから約1年後の2001年7月に三陽商会が商標を取得し、紳士靴を中心にレザーアイテムを取り扱うブランド<三陽山長>としてスタートしました。
ブランドコンセプトは創業当時から変わらない「日本人の為の日本人による靴」であり、日本人の足型にあったラストを制作すること、そして「技」「粋」「匠」を理念に掲げ、徹底した品質主義に徹底的に拘ります。
例えば、靴底の縫い目(ステッチ)を隠す仕上げの”ヒドゥンチャンネル”。これは直接履き心地には影響しない、靴を美しく魅せる為の日本特有の「技」です。この様な、日本人らしい「粋」な仕様が施された靴が<三陽山長>の靴です。
そんなシューメイカーです。ちなみに、前身である『山長印本舗』は伝説のシューズプロデューサー・長嶋正樹氏が創設メンバーといったことからも気合の入りようみたいなものが感じられます。
もひとつちなみに、長嶋正樹氏はトレーディングポストを立ち上げた方で、あちらこちらから引っ張りだこなメンズシューズ業界の重鎮な方です。1足持ってます。
丸井のオリジナルブランドである「VISARUNO」が同氏に別注?監修?を依頼した大変上質なストレートチップ。二十年ほど前に、私にしては珍しく新品で購入したもので、冠婚葬祭専用の1足です。英国的な雰囲気のかなり美しいペアで、大切に履いてます。
横道に逸れました。戻りまして、
そんな長嶋氏が関わった三陽山長。日本人に最良の紳士靴をと、こだわりのモノづくりを行う同社は、「友二郎」「勘三郎」「源四郎」「友之介」といった和なモデル名でも知られています。
今回のこいつは「勘四郎」というモデル名だそうです。
下段の「R2003」というのが木型ナンバーなのだそう。サイズは「8」。UK?US?詳しいことはワカラナイわけですが、そのままでもしくは中敷き追加で履けるサイズ感のいずれかであることは間違いない。
アウトソールはビブラムのリッジウェイソール。見たところ減りも軽微に思われる。
ここにも「8」。
内側。フットプリントが見えます。
が、さほどは行きこまれた様子はない。
見た目に重厚なつくりです。
グラマラスなヒールカップ。
流石、といってよいのではないかな。
左足トゥに小傷がありますが、ダメージの類はこれだけです。税込み8万円近くの本格靴が3900円。39000円のはずが値付けの間違い?とも思いましたが、雑多な靴コーナーに安価な靴と一緒に並んでおりましたので、どうやら間違いはなさそう。
であるならば、どこかダメージなどがあるのかしらと様々確認してみたのですがどこにもおかしなところはない。いや、厳密には値札がおかしい、狂ってるわけですが、それ以外におかしなところはない。ない?
強いて挙げるならば、そんなやつにタイミングよく出会ってしまう私自身の引きの良さも少しばかり狂ってると言えるかもしれないな。
いや、今回は特別です。
靴の神様からの誕プレであります。
ありがたく履かせて頂こう。
その前に、さくっとメンテしました。
LEXOL
まずは内側。雑多な棚に並んでいた所為で中もホコリが積もってます。レクソルで綺麗にしといた。
もろもろ調べてみたところ、恐らくここ10年以内のペアと思われます。傷みも渇きもないし、さくっといっとこう。
とりあえずコバ回り、しっかりと埃を掻き出す。
TAPIR レダーオイル
黒いワックスが軽く塗られていたようですが、
汚れ落としと油分補給を兼ねてタピールでさくっと。
コロニル1909ムショク
いつもの仕上げ用クリームで整える。
分厚く、きめ細かなアッパー。
素人目にも大変上質です。
いやはや、こんなラッキーなことあるのね。
右足も同様の手順でさくっと弄り儀式は終了です。
【BEFORE】
【AFTER】
とても素敵な色艶です。すぐに履き下ろす予定なのでソールは手を入れず。まあ、特段汚れ等あるわけでもなくて。
【BEFORE】
【AFTER】
キズ、うまく隠せないんでこのままで。
けどまあ、履けばそれほど目立たんでしょう。目立ったとしても、この迫力の前では皆ひれ伏すでしょう。
丁寧なモカのステッチ。
出し縫いも正確で美しい。
きめ細かなアッパー。ステッチは、ほんと正確に綺麗に縫われてます。
特徴的な意匠とステッチワーク。
ボリューミーでいながら繊細なバックシャン。
ぽってりしたトゥの雰囲気なのですが、踵周りがやや小ぶりなことと、何より土踏まずあたりが絞り込まれていることもあり、カジュアルなスタイルなはずなのにクラシカルな佇まいでもある。オン・オフどちらの場面でも足元はこいつに任せたらオーケー。というか、これ以上のものが一体どれだけあるというのか。
昨日早速履き下ろしてみた。
うーむ。良いね。良いです。
サイズに関しては、私にはこの「サイズ8」は若干大きめ。7.5がマイサイズなのかも。つまりこいつのサイズは「UK表示」ということなのかな。とはいえ、いつもの百均の中敷きいれたらタイト過ぎる。
結局以前自作して他の靴に入れてた革とコルクシートの薄手の中敷きを入れてみましたのですが、これがまた微妙です。甲が低めで踵がやや小ぶりなので、中敷きありだと夕方頃には少し窮屈に感じて結局中敷き外しました。こいつはサイズ調整なしで履くのが良さそうです。
とりあえず中敷き入れて過ごしてみる。タイトフィットが好みの私には程好いかな。リッジウェイソールは分厚くてかつ大変実用的。梅雨と四季のある日本の気候に持ってこいな仕様と思われます。
折角なんで、ソールのビブラムマークとスマイルマーク、黄色でカラーコーディネートしてみた。どちらも周囲からは全く見えないわけですが。
この日はこのような出で立ちでした。スーツにも合わなくはないのでしょうが、やはりジャケパンが似合う靴のように思う。それはすなわち、私向けのペアである、ということに他ならない。
圧倒的な存在感。
まさに大人の男の足元に相応しいペアといってよいでしょう。おお、嬉しいな、嬉しいぞ。転がせばかなり儲かりそうですが、こいつはステイです。息子が履きたいといえば彼にプレゼントしても良いかな。ちょうど来月は息子の誕生月でもあるし。
思いますに、若い男性にこそいい革靴を履いて欲しいな。スニーカーもマーチンも良いのだけれど、良い革靴を履いて革靴の良さを知ってもらう。それは日本の靴業界の未来にとってもプラスになると思う。なんだけれども、
当面はオッサンが履くとしよう。
(おしまい)

































