こんにちは、ばしです。
一昨日のことです。
また一つ、歳を重ねてみた。
ええ、ハピバってやつです。娘が同じ誕生日なもので、彼女が生まれて以降「おまけ」的扱いの私でありましたが、そんな娘がこの春に嫁いだので今年は久々に家内と二人。駅前で焼き鳥食ってショートケーキでハピバスデ。四半世紀ぶりに自分が主役の誕生日を過ごしました。
しかしまああれですね、誕生日って年に一度、まるで時計で計ったかのようにやってくるね。最近は「べつに毎年でなくとも良いのになあ」などと思わなくもないのですが、時の流れる速さは誰の前でも等しい。
思えば55歳を超えたあたりから自分が何歳か分からなくなってきました。今回で何歳になったかなええと、、、。あ、いや、ここ最近は訊かれることもないし、年齢をあまり意識しなくなりました。なので、ええと、となる。いっそのこと「〇歳」はやめてビン靴風に【FJ】でどうだろう。それでええやんとも思ったり。
お陰様でココロもカラダも大変元気です。元気でいる秘訣。それは新しい出会いや発見があるから、であろうと思う。刺激があるからいつも新鮮な気持ちでいられるように思う。そして、だからこそ、そんな風に気力&体力を充実させておくためにも「セカスト巡り」が欠かせない私なのでありますっ。
前置きはこのくらいで。
先日、こんなの拾ってきました。
ネクタイです。
ネイビー地のクレストタイ。
トラッドな雰囲気が大変好みです。
英国製でオール・シルク。
剣先にダメージ等もなし。
グッド・コンディションです。
こいつ、どこの何者かと言いますと、
なんと!
タグに「NEW&LINGWOOD」とあります!そう、あのニューアンドリングウッドです。靴は持ってますがネクタイは初めてです。そんなのが300円+税と激安だったので迷うことなく持ち帰って来た次第です。
拙ブログではしばしば登場するニュー社。その概要については今年最初の記事「J. Gane & Co シングルモンク(前編)」に詳しいのですが、あらためてさくっと振り返っておきましょう。
NEW&LINGWOOD
●貴族等の子息が通うイートン校指定の洋品店として1865年に創業 ●教師・学生にテーラーとして制服を供給しつつシャツに靴下ほか関連する用品全般を扱う ●1922年ジャーミンストリートにもショップをオープン ●第二次世界大戦のロンドン大空襲により焼失するも終戦後すぐに再建&営業を再開 ●1972年苦境に立たされたPOULSEN SKONEを傘下に収め高級靴をコレクションに加える
要は高級老舗テーラーなわけですが、長い歴史の中で経営が厳しくなった靴屋を参加に収めつつ現在にいたる、ということのようです。そしてその靴屋というのが説明文中にも登場するこちら。
POULESEN SKONE
NEW社とダブルネームのポールセンスコーン。1980s~1990s頃のペアと思われます。この年代のポールセンスコーンにはクレバリー監修によるエドワードグリーン製なんてのもあるそうです。
スワンネックが特徴的なセミブローグ。このペアはクロケットアンドジョーンズ製です。ちなみに、NEW&LINGWOODとPOULSENSKONEの関係性はあらためて以下の通りです。
1850s頃に端を発する系譜。
同時期の日本は江戸時代の後期で、1853年にペリーが来航、200年以上続いた江戸時代の「鎖国」体制が崩壊の危機に瀕していた激動の幕末期です。1865年創業のNEW社は約百年後の1960sに靴メイカーを、1990sにはシャツメイカーを傘下に収め、今では名実ともに英国を代表するクラシックウェアブランドなのだそうです。
そんなNEW社のネクタイ。
タグの最下段の文字に注目。
ESPECIALLY FOR MARUZEN TOKYO
とあります。丸善が別注したネクタイのようです。丸善。そう、あの本屋の丸善です。その昔、丸善にはアパレル部門があったらしい。三交製靴が手がけた「マナスルシューズ」が靴ファンの間で有名ですが、古くは大正年代初期にバーバリーのコートなどを輸入販売していたそうです。
ちなみに、丸善の創業は1869年。このネクタイは1860s創業の日英の老舗企業のコラボともいえますね。
そんな丸善のアパレル部門が手掛ける品々は「高級インポートファッション」の代名詞といえるものだったそうですが、1990年代に撤退となったらしい。
バブル経済崩壊による高級アパレルの販売不振が要因とのこと。本業である書籍・文具へ経営資源を集中させる中で順次縮小・撤退となったそうな。ということは、このネクタイもまた1980s~1990s頃の品である可能性が高そうです。
ちなみに、
等間隔で配置されたこいつ。
元はこれらしい。
1916年創設の世界で最も古い歴史を持つイギリス陸軍の機甲(戦車)連隊「ロイヤル・タンク・レジメント(Royal Tank Regiment:RTR)」のエンブレムなのだそうです。なるほど、中央の船みたいなのは戦車のようです。で、その下の文字。
「FEAR NAUGHT」
恐れを知らず。恐れるものなし。そのような意味かと。RTRのモットーなのだそうです。なかなかに強烈なモットーです。
FEAR NAUGHT。涼しい顔でいながらもカラダはヒリヒリするような刺激的な響きです。指先や毛先にまで血が巡り力が漲る感じ。ああ、いいね、僕もこの新しい1年をそのように過ごしてみたいな。
そんな思いを胸に誕生日である6月10日。
胸元にはネイビーのクレストタイ。
足元にはクォータブローグ。
1980s-90s製の靴とネクタイ。
どちらもNEW&LINGWOOD。そんな出で立ちで新しい1年をスタートさせてみた。うん、我ながらなかなかに素敵な1年の始動であると思う。
毎年誕生日には記念に古靴を買いますが、今年の自分への誕プレはこいつにしよう。素敵な一年になりそう。FEAR NAUGHT。これでもう、今の僕に怖いものなど何もありません。
家内を除いては。
(おしまい)













