青タグアレンをメンテナンス

こんにちは、ばしです。

 

2月と3月にポチっとしたカナダからのペア。
いつもなら船便で6週間で届くのに、なかなか届きません。
2月のペアは少なくとも4月前半には届くはずが、GWになってもまだ届かん。

おお、これもコロナの影響?
それとも、何かのトラブルか?

4月中頃に100足越えが発覚してから3週間。
自粛モードも限界となったGW明けに、前々からウォッチしていたやつをポチっといったのでした。

こいつ。

 

ALLEN EDMONDS , LEEDS

ずっと気になっていた青布タグのアレンエドモンズ。少し擦れてますが、まずまずな状態といっていいんでしょうか?

やはり布タグはドキドキしますね。
TOMOJIN369さんのブログに布タグアレンの年代判別について記事があります。

これによりますと、「STYLED BY」の文字は筆記体のものとブロック体のものがあるらしいです。筆記体なら1936~1940s。今回のブロック体1940s頃。で、1951年以降は色がからに変わるらしい。

内側の印字はこんなです。

8C 96579
6749 B/C

「8C」はサイズですね。普段8Dの私。外羽根ですし、たぶん大丈夫でしょう。
「96579」は品番でしょうか?
「6749」は、アレンの場合4桁の数字下一桁が西暦の一桁とのことです。
「B/C」は、コンビネーションラスト、ということでいいでしょうか?

まあ、不明点もありますが、こいつは上記より1949年製の可能性が高そうです。
70歳のじいさんです。

アッパーの状態はまさにお爺さん。
おんぼろです笑。

特に、外側の皺?クラック?が、写真で見ていた時から不安でしたが、メンテでどの程度蘇るのか、興味半分、試してみたい気持ち半分で、思い切ってみた次第です。

ヒールトップ。

オリジナルではなさそうです。

バックシャン。

釣り込みの後が見えます。
リペアされた様子もなし。
インソックはこんな感じ。

中央には「osteo path ik」の文字。その下の「Leeds」はモデル名。
アレンでLeedsといえばPTB = 外羽根のプレーントゥですが、こいつは外羽根のキャップトゥです。アレンは同じモデル名を異なるモデルでも繰り返し使用することがあるみたいですね。Dicksonしかり、Brentwoodしかり。

アレンは古いカタログがWEBにアップされています(https://issuu.com/allenedmonds)ので、確認してみましたところ、1956-57年のものが最も古く、残念ながらそれ以前のものはありませんでした。

まあ、古い、ということが確認できた、ということですかね。

そんな古いやつがどの程度蘇るのか、早速メンテです。

 

 

ステインリムーバーで汚れ落とし

先日、フローシャイムのぼろいのをメンテした際、ぼろぼろと銀面が剥がれました(過去記事「リメイク・フローシャイム(前編)」)。
そうなってはまずい。それは望んでません。ということで、今回はやさしく、やさしく、何度も擦りました。

まずは左から。

うーん、不安です。不安ですが、皺の部分以外はトゥもヒールカップもものすごくかっちり、しっかりしてます。70年前のものとは思えないどころか、最近の靴よりもよほどしっかりした造作です。

 

LEXOLでさらに汚れ落とし

皺の部分とコバ周りを中心に、これも優しく、何度も丁寧に。

コバ周りは泡に茶色が浮き出てきました。

この部分が最も状態がよくありません。
メンテでどの程度改善できるでしょう?

右も同様に、ステインリムーバー、LEXOLで汚れ落とし。
こんな風になりました。

うーん、なんとかんとも。

外側のクラックは、左に比べて右はまだ軽微そうです。

よし、がっつり行きますね。
今回は、古サービス!
もとい、
フルサービス!です!

 

 

グリセリン保湿

水で濃度30%に薄めたグリセリンをコットンパフにとって全体に塗布します。

ちなみに、グリセリン保湿は「やめた方がいい」との意見も多々あります。ステッチが細かすぎる場合、革が伸縮する際にこのステッチに沿って引き千切れるリスクがあるから、というのが理由です。

幸いにもこれまで、ちぎれた経験はありませんが、履き口のステッチは写真の通り細かいです。念のため、履き口部分は避けて。

これまでの経験だと、乾いている場合は直接コットンに触れていない部分にも染み広がっていきます。とりあえず、この状態で2時間放置しました。

2時間後。

コットンが少し乾きましたかね。
剥がしてみました。こんな感じに。

がっつり色が変わった、という風ではありません。

もともと、アッパーの表面はカサカサな感じでしたが、硬く固まった風ではありませんでしたので、こんなもんなんでしょうかね?
とはいえ、それなりに保湿しましたので、次の作業は1日置いてからです。

 

翌日。

まあ、落ち着いた感じです。

「おんぼろい」から「ぼろい」に格上げです笑。
さらにレベルアップさせるべく、次のステップです。

 

 

サンドペーパーがけ

クラック部分の程度の改善を試みます。
がっつりと削って滑らかに、というところまでは望みません。今よりもましになれば、程度の改善と、今以上にひどくなることの防止が目的です。

1000番、1500番、2000番のサンドペーパーの内、1500と2000を使用します。あまり力を入れ過ぎず、こまめに何度もなでるように擦っていきます。
まずは1500番。次いで2000番。

 

割れてささくれた状態になっている銀面が、ささくれ部分でひっかることが無い程度に滑らかになればOK、との目安でやってみました。

あんまりやり過ぎると、銀面ごとはがれてしまって、色も艶もなくなってしまいます。程度の酷い箇所だけ、最低限な感じで。

つま先も目立つ部分は同様に。で、左、完了です。

うーん、どうなのでしょう。
右も同様に。

さてさて、これでいいのかどうか、分からぬまま次のステップへ。

 

 

TAPIR レダーオイル

油分補給&保革です。色が一気に濃くなりました。で、クラック部分というと・・・。

色の濃淡がついて、クラックの箇所がよりはっきりしました。

 

思った以上にまだまだ酷そうです。ですが、乾いたらまた雰囲気変わるかもしれません。今の間にソールとコバ周りを綺麗にしましょう。

 

拒メンテ・コバメンテ

コバはアッパーの色に近い明るめの茶に塗られてました。
締まりがなくてカッコ良くない。なもんで、1000番のサンドペーパーかけて、コバインキ塗りましたがあまり綺麗ならず、最終的に黒のサフィールクレム塗り込みました。

茶のアッパーの場合でも、コバは黒いくらいに濃茶が好みです。

 

【BEFORE】

 

【AFTER】

うん、まあまあ良くなったかな。オイルも多少乾いたでしょうか。
次のステップです。

 

 

コロニル1909 ライトブラウン

いつもニュートラル(無色)ばかり使ってますが、補色も兼ねて、茶のクリーム買いました。

外側の状態の悪かった部分、こんな感じに。

だいぶ目立たなくなりました。まあ、程度の酷かった左はこんな感じですが、これ以上削るのはためらわれます。

靴紐も新品に交換しました。

うん、いい感じではないでしょうか。
ビフォーアフターだとこんな感じ。

 

【BEFORE】

【AFTER】

まあ、最低限の仕事はできましたかな。

【BEFORE】

【AFTER】

これ以上削る勇気はありませんでした。まあ、下手に削るよりも、割れたらチャールズパッチの刑に処すことにしましょう笑。

再度、全景。

羽根部分もハリを取り戻してパンパンに膨れてます。クラックを除けば、アッパーの革質は素晴らしいです。シューツリー外して普通にこの状態です。
とてもとても70年前のものとは思えません。
グッド!です!

まあ、爺さんだし、このくらいはOK、ということにしときましょう!

かかと周りは文句なし!

内側も保湿しました。いい感じ。

てなことで、メンテ終了です。
早速履いてみました。

むっちむちです。細いです。
最初素足で足を入れたのですが、タイトで、滑らなくて、急遽靴下履いてみました。履けなくもないですが・・・、これはいただけません。

最初から少しばかり気になってたんですよね。この、インソックのシェイプ。
中敷きが土踏まずでぎゅっ、と、絞り込まれてます。
再度、外観。

若干スペードソールっぽい!なんて、喜んでる場合ではありませんでした。
さてさて、どうしましょう。
いつもなら履けないならすぐにでも転がすところですが、なかなかお目にかかれない青タグです。
また、窮屈なのは、最近3キロほど太って、足が太ったせいでもあります。

ということで、こいつのメンテはさらに続きます。
マスタングペースト、もしくはそれに準じるものなどを購入して、少しずつ、少しずつ、幅を広げていく予定です。

同時並行で、体重も足もダイエットを施します。

 

絶対、履いてやる。

かっこいい雄姿を、いつか必ず・・・。

お楽しみに~。

 

おしまい。

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