ALFRED SARGENT for PEAL&CO by BROOKS BROTHERS(zazaコレクションその6)

こんにちは、ばしです。

 

昨年秋のこと。

拙ブログがご縁でZAZAさんから貴重なビン靴を十数足引き継がせて頂きまして、順次手入れして履き下ろしてます。今回はその第6弾です。

(参考「zazaコレクション」記事一覧

いや、「順次」などと言いながら、冬場は、ね。靴メンテは屋外派の私は寒いとなかなか作業が進みません。なのですが、そんな冬ともサヨウナラ。麗らかな春の陽気の先週日曜日に1足メンテいたしましたのでご紹介です。英国製の本格的なやつです。

こんなペア。

 

 

ALFRED SARGENT for
PEAL&CO by BROOKS BROTHERS

えらい長い記事タイトルになりました。

けどまあ、端折りようもありません。1791年にロンドンで創業し英国王室のロイヤルワラント(御用達)も授かった歴史ある高級ビスポークブーツメーカー、それがピールアンドカンパニー。名門ですが1965年に閉店することに。

それを惜しんだブルックスブラザーズがその商号や木型を引き継ぎ、高品質なドレスシューズブランドとして現在にまで名を残しています。BBが引き継いだ後のピールの靴は主に英国メイカーがその製造を担っていて、今回はアルフレッドサージェントの手による1足です。

2000年代に二度の経営危機に見舞われたサージェント。一度目は2009年。幸いにもフランス・ボーエン傘下として継続しましたが、2020年に二度目の危機が。コロナ禍の影響もあり今回は倒産の憂き目に。

今度こそクローズか、と思われたのですが、最終的に機械や型紙、ラストはクレバリーにより購入され、クレバリー支援のもと「Paul Sargent」として復活しているらしい。おお、良かったね。なんでもAlfred Sargentの工場はCleverleyの既成靴の重要な生産拠点だったらしく、クレバリーもサージェントの工場の存続を望んでいたとのこと。

こいつはどの時期のサージェント製なのでしょうか。BOWEN傘下時代?その前? サージェント製のピールは1990sから2010s初頭半ばまでのものが多いようですので、こいつは「その前」だと思われます。

どうせならオリジナルな時代のモノが良いですよね。大手の傘下に入りますと、ほかのグループ企業と材料の共通化などが図られるため、部材の仕入れ先が変わることかがあるらしい。

結果として履き心地などが微妙に変化することがあるなんて話を以前聞きました。まあね、少しだけ違いの分かる僕には分からない程度かもしれませんが、気持ち的にその方が嬉しい、そのメイカーやブランドの最盛期のモノだとありがたい。

ライニングの手書き文字。

「99」は木型です。BBのピール名義の靴はサージェント製以外にもエドワードグリーン製、クロケットアンドジョーンズ製、チャーチ製などがあるようです。写真のように印字の最初に「99」もしくは「87」など二桁の木型ナンバーのあるものがサージェント製なのだそう。

2段目の真ん中の「9」がサイズかと。これはUS/UKどちらでサイズ表記されているのでしょうか。ブルックスイングリッシュはUS表記だったように記憶しておりますが、ピール名義はどうなのでしょう。ま、どっちにしてもそのままでは私には大きいので中敷きで調整するわけですが、USの方がありがたくはある。上手くいけば良いな。

zazaさんがメンテされてましたのでコンディションは良好です。ご覧のとおりアッパーにキズもなければ履き口に切れなどのダメージも皆無。

レザーソールにはハーフラバー。爪先にはスチール。私同様にzazaさんもリペアはBONTAさんに依頼されてるとのことなので、これもそうであるように思われます。

楔型のトップリフトに釘打ちのヒール。これは恐らくオリジナルのままかと。いかにもサージェントの靴、であります。

このまま履き下ろしてもよいくらいなのですが、一応、儀式です。今回はさくっと。いつも通りまずは左足から。

 

LEXOL

コバ周りをケア。

歯ブラシで埃などを掻き出す。

 

 

RenoMat リムーバー

強力リムーバーで汚れ落とし。
布にとり優しく撫でる。

zazaさんは私同様ワックスはあまり使わない派ですので、その前の持ち主か、あるいはシューシャインでか、ハーフラバー時にBONTAさんでか、軽くワックスが塗られていたようです。

 

 

デリケートクリームもどき

百均のヒト用クリームで保湿。

リッチデリケートクリームを切らしてしまい安物を、替わりにたっぷりと塗り込んでみる。

 

TAPIR レダーオイル

油分補給&保革。なのですが、このオイル、余分な汚れやワックスも除去できます。今回も思いのほか落ちました。

右がRenoMatによる汚れ。
左がTAPIRによるもの。
RenoMatは強力過ぎるので力を入れないこともあってか、しっかり力を入れても問題ないオイルの工程でもかなり汚れが落ちることが少なくない。

それなりにスッピンになったのではないかと思う。これ以上はやりようもないし、必要性も感じないのでこんなもんで、最後にさくっと仕上げましょう。

 

 

コロニル1909(ニュートラル)

いつものクリームで仕上げ。

爪先、十分光ってます。
今回もワックスはなしで。

右足も同様の手順で仕上げたらメンテ完了です。

 

【BEFORE】

【AFTER】

整いました。

鏡面とは程遠いけれど、爪先もまあまあ光ってる。ウサギのぬいぐるみと記念撮影、ではない。ピースしてみた。

 

【BEFORE】

【AFTER】

まあ、ぶっちゃけ見た目にはあまり変化はない。

トゥキャップの切り返しは三連ステッチ。

羽根下の切り返しは二連。

アウトソールは分厚めなダブルソール。

クラシカルな印象とは裏腹に、かなりかっちり頑丈な作りです。弄っているだけで安心感を感じる。それこそまさに老舗の本格靴。早速履き下ろそう。と、その前に。

サイズ調整です。百均のカップインソールを入れてみる。そこそこ厚手なのでちょうどよい感じになるのではなかろうか。履いてみる。

うむ。ちょうどよい。

昨日早速履き下ろしました。

この日は電車通勤。自宅から駅まで自転車は使わず15分ほど歩きましたが、足の塩梅は緩すぎず窮屈すぎず、サイズ調整は思いのほか上手くいったようです。表記としてはマイサイズよりサイズなのですが爪先が長すぎるということもなく、事前に想像した以上に歩きやすくてラッキーであります。

本格仕様のキャップトゥにはスーツを着たくなったりもするのですが、いつもジャケパンにネクタイな私です。スーツなんか着た日には周囲から

「どうした、なにがある?」

などと訊かれそうなので今回もいつも通りジャケパンにしといた。代わりにといてはなんですが、せめてネクタイはメリハリの効いたレジメンで気合入れつつバランスをとってみました。

キャップトゥを履くと気持ちも引き締まりますね。

黒だとなおさらです。黒のキャップトゥは何足か持ってます。似たような靴ばかり何足もあってどうするんだ、などと言われることもあるのですが、いえいえ、似たようでいて非なるものなのです。で、中でもサージェント製のこいつはかなり出来が良いとの印象です。

ピール名義のサージェント、他にも履いてみたくなりますね。次は茶色で1足、漁ってみようと思う。純粋にマイサイズのサージェント製ピールを履いてみたい。こいつを履いてそう思った次第です。ゲットして、黒と茶で並べて記念撮影してみたい。

さて、どこで漁るのが良いだろうか。国内?海外?ネット?セカスト?ビンテージショップ? まあ、気長に、とはいえ年内を目標に釣り糸を垂れてみよう。

素敵な獲物を釣り上げたいものです。

 

(おしまい)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です