イントレTROJAN

こんにちは、ばしです。

 

今回は「TROJAN」の2号です。

そう、前々々回の記事の最後に登場させたやつ。8月初めころにセカストで拾ってきたのですが、一昨日の日曜日にようやくメンテいたしました。

昭和の香り漂うイントレチャート。昭和を感じるだけあってジャパン・ビンテージです。TROJANトロージャンは大丸百貨店のオリジナルブランドなのです。

黒い布タグ、は、前回同様ですが、

前回の「TROJAN」とは書体が異なりますし、「®️」丸アールもない。

それぞれのロゴがいつの時点で商標登録されたか分かればおおよその年代が特定できそうですね。大丸さんに聞いてみようかな。ま、いずれにせよ前回よりも今回の方が旧いことは間違いないな。なんてったって、

「高級手縫」!です!

高級かどうかはよくわかりませんが、手縫いとありますのでハンドソーンウエルティッドなのでしょうか。あとで見てみよう。こいつ、いつ頃の年代なのでしょう。大丸のオリジナルブランドであるトロージャンのスタートは1959年とのことでしたので、ま、それ以降な品です(笑)。

そんなことで、ディテイルを見てみましょう。

スタイルはイントレチャートのキャップトゥ。

編み込み方はその昔に爺さんが履いてたようないかにも日本製の古靴、って印象です。

内側。編み込んだだけでなく、内側のメッシュ素材と2層構造になっているようです。

タンは内側のみ縫い付けられてます。

中敷き、穴が見えます。
やはりハンドソーンのようです。

アウトソール。ヒドゥンチャネルに矢筈仕上げ。
まさにジャパン・ビンテージって雰囲気です。

ソール全景。カラス仕上げ。

「25」とあります。

ええ、私には小さい。履けなくもないのですが、フットプリントが25センチ相当のそれで、私の足だと居心地が大変悪いです。トップリフトの文字は「Shorko」とありますが、なんて読むのかな。まあ、そのうちなんかわかるかも、わからんかも。

 

よし、弄ってみましょう。
いつも通り、まずは左足から。

 

 

ステインリムーバー

さくっ、と。

行かんかな・・・。

 

LEXOL

矢筈なコバ回りを歯ブラシで掻き出す。

トゥが結構ぼろいな。

 

 

RenoMat リムーバー

ワックスをしっかり除去です。

ま、あまり変わらないかな。

 

 

デリケートクリームもどき

保湿。

メッシュ部分もてのひら全体で。

 

 

TAPIR レダーオイル

油分補給。

メッシュ部分はやめときました。

 

 

コロニル1909(ムショク)

いつもの仕上げクリームで。

出し縫い糸のピッチが細かいです。
が、それよりも荒れたトゥが気になります。右足を同じ手順で仕上げたら、トゥにワックス入れてみよう。

 

入れてみました。

どうでしょう。
そうこうしておりましたら土砂降りのにわか雨。まあ、直ぐにやむでしょう。

その間に、

履き口。ところどころ切れて白が顔を出してます。

コバインクの黒で誤魔化しましょう。
そうこうしてる間に雨もやみました。

靴紐通し直したら、メンテ完了です!

 

【BEFORE】

【AFTER】

おお、すっきり綺麗になりました。

 

【BEFORE】

【AFTER】

ソールもきれいにしました。

昭和なイントレチャートなのですが、
そんなに古臭い感じがしないように思えます。
なんでかな、

思いますに、

爪先がラウンドトゥであること。旧い英国靴みたい。次いで、履き口と甲側のそれぞれのパーツのバランスが良いことと。これ以上ヴァンプが短いと一気に爺さんの靴の仲間入りです。そして何より最大の特長は、内羽根のアデレードの面積が小さめ小ぶりなこと、ではないかな。サンクリスピンのペアでこんなアデレードなのを見たことがあったような。

そうそう、こんな感じ。
こちらから写真拝借しました。内羽根キャップトゥも羽根部分が小さくなるだけでぐっと印象が上がります。

もう一つの特徴としまして、踵周りから羽根部分までがつながってるんですよね。メッシュ靴ではあるのですが、このあたりが見た目にも安心感みたいなものを感じてしまう。メッシュ靴というよりは、スムーズレザーとメッシュのコンビ靴、といった方が適切なのかもしれない。

と思ったら、こんなのも発見。

アレンのWINHALL。こちらから画像拝借しました。メッシュでないWINHALLは以前持ってました(過去記事こちら)が、羽根周りは同様に似たような雰囲気だったな。で、メッシュだとより似た雰囲気です。羽根~履き口~踵までつながるスタイルはまさに瓜二つです。

 

あらためて、今回のトロージャン。

どうでしょう。

こいつもなかなかにカッコいいのではないかな。この手のメッシュの古靴って、いかにも昭和な古臭いやつを多く見かけますが、こいつは今の時代に履いてもそんなしっくり収まるのではないか。

まあ、とはいえ、スーツやジャケパンに合わせるとそれはそれでやはり古臭い印象にはなってしまいそうです。チノパンとかデニムとか、カジュアルに合わせたほうが素敵かも。

トロージャンは、「スーツは誂えるのが当たり前」だった時代に、「吊るし」=レディメイドを日本で初めて展開したブランドなのだそうです。こいつは、そんなスーツの足元用に併売されていたわけですが、これってスーツ同様にレディメイド、なのかな。

底に「25」との数字はありましたが、他には文字の類は全くないし、ハンドソーンだし。スーツは誂えではなくレディメイドとしても、靴はビスポーク、もしくはパターンオーダー、とかだったりして。

 

まあ、興味は尽きませんが、

小さいし自分で履けないし、さくっとメンテして転がす・・・つもりだったのですが、もうすぐ夏も終わりです。今年の夏用として売り出すにはタイミングを逸してしまいました。転がすのは来年の春にします。大丸さんに問い合わせたら何かわかるかも。ですが、年代が旧すぎ、恐らく当時を知る人は定年退職されてほとんどいないでしょうね。

冒頭のロゴの件ですが、特許庁のホームページで商標登録の状況など無料で調べれるみたいですね。百貨店のオリジナルブランドですから、旧いものでも記録がきちんと残ってそうです。今度やってみよう。

しかしまあ、毎度のことながら、ジャパン・ビンテージの年代判定は一筋縄ではいきませんね。それも楽しみの一つではありますが。まあ、焦らずとも時間はたっぷりありますので、しばらく手元に置いて、自分なりにあれこれと考察などを加えてみようかと思う次第です。

 

(おしまい)

 

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