マイファースト CESARE PACIOTTI

こんにちは、ばしです。

 

先々週のこと。

奈良にある「石上神宮」に参拝してきたのですがその帰り道のことです。これを「お陰様」というのでしょう、早速出会いがありました(「念願の石上神宮に行けた件」参照)。神宮から車で10分ほどにある「セカンドストリート天理店」にて。

初めて訪れた店でいい感じのペアに遭遇。古靴漁りは小休止中な私ではありますが、神社参拝後すぐの出会いはありがたく頂戴せねば神様に失礼と言うものです。濃茶のが自分用でタンカラーのが転がす専用、とのことで2足ゲットいたしました。何がいい感じかと言いますと、

お尻の形がサイコーです。

これまでの経験によりますと、有名無名に関わらず、バックシャンがグラマラスな靴は造りがしっかりとした上質なペアであることが多いです。自宅に持ち帰ってこの濃茶の方からメンテナンスに着手いたしましたのでご紹介です。

 

 

 

CESARE PACIOTTI チェザーレ・パチョッティ

パチョッティです。

1990s頃によく耳&目にしたイタリアの高級靴ブランドです。英国や米国の本格靴はもちろんそれまでの伊靴とも趣を異にするこちらの靴はこれまで買ったことなかったのですが、今回初めて持ち帰って来た次第です。理由は様々あるのですがそれは後回し。初見のブランドですのでまずは概要の確認と行きたいところですがそれも後回し。

 

まずはディテールの詳細から。

濃茶のシングルモンク、と言ってよいのかな。
甲の皺と右足腰裏のダメージから使用感が漂っている。
けれどもそのほかはダメージで皆無です。

エプロンフロントの縁にはパーフォレーション。

羽根の縁から履き口にかけてもパーフォレーション。に、加えまして、白いギザギザが連なってっております。白い穴と白いギザギザ、なかなかに凝った意匠です。ストラップにもギザギザ。濃茶とのコントラストも秀逸で、これ、かなりカッコいいと思う。かなり気に入りました。

ギザギザの向こうにはダメージは軽微だし、まあ、見なかったことに。内側の印字は白文字で「0  8663  8」とあります。サイズ【UK8】のようです。私にはハーフサイズ大きめですが、中敷きで調整可能な範囲であります。

ストラップのバックルはシルバー。

ストラップの端はこの細い隙間に差し込みます。これもなかなかに凝ったデザインとなっていてなんだか嬉しい。

アウトソールは柔らかでスポンジっぽい黒いラバー。なのですがヒールは革の積み上げ仕様と言う分かったようなよく分からん仕様でありますが、かなり軽いです。

内側。オールレザーライニングです。それなりに使用感はあるのですが、流石高級イタ靴ブランドです、きちんと手とコストをかけられたペアであります。

そんなのが税別1900円です。これは買い、といってよいのではないか。何より、ここ数カ月優先的に漁っていたパチョッティのペアです。

ついに見つけたマイファースト・パチョッティ。なぜ漁っていたのか、これまでスルーしていたペアと何が異なるのかは最後に触れるとして、早速メンテ開始です。

いつも通りまずは左足から。

 

 

LEXOL

いつも通り汚れ落とし。

このアッパーは顔料系?ガラスレザー?よく分りませんが、汚れも傷等もありません。

 

 

RenoMat リムーバー

いつもの小瓶が写ってませんが、強力リムーバーでさらに汚れ落とし。

かなりマットな雰囲気になりました。

 

 

デリケートクリームもどき

DAISOのヒト用クリームで水分&栄養補給。

それなりに浸みこむようです。

甲の皺部分は内側からもたっぷり塗り込んでおいた。

 

 

TAPIR レダーオイル

油分補給&しつこい汚れ落とし。

おお、しつこいのが随分おちたかな。

 

マスタングペースト

馬油です。ホースクリーム。それを精製したやつ。かな。

浸透力がサイコーなこいつを指でしっかりと塗り込む。

おお、ギトギトです。

両足ともにギトギトにしました。
ここまでが4/19(日)大安のことです。
このまま1週間寝かせてみる。

 

 

☆★☆★☆★☆

 

 

1週間後の4/25(土)。
たまたまですがこの日も大安。

甲にかかるテンションを強めるべく、水曜日頃、シューツリーに靴下履かせたのでした。それ以外にも、屈曲部からぐんぐん油分を吸うので追いオイルも何度か施しました。

消耗の程度の薄い箇所は浸透しないまま残ってます。

左右ともに爪先やサイドはあまり浸透せぬまま、ギラギラしたままです。

甲から小指付け根付近にかけての屈曲部は何度塗り込んでも浸透してマット調になります。

踵周り。想像してた以上に浸みてます。特に履き口付近、ドッグテールは何度も塗り重ねました。

ダメージを未然に防ぐ目的から履き口のパーフォレーション付近も念入りに塗り込んでおきました。油分補給はこれで十分でしょう。仕上げていきましょう。いつも通りまずは左足から。

 

 

LEXOL

クリーナーで余分なオイルクリームをしっかりと除去します。

よく分りませんが浸透したことでしょう。

パーフォレーション。ところどころ埃で黒ずんでます。ピンセットで除去しといた。

 

 

コロニル1909(ニュートラル)

いつもの万能クリームでさくっと仕上げ。

ええまあよろしいのではなかろうか。

ツリー抜いてみた。甲の皺の伸び具合はまあまあかな。もっとビシッと伸ばすには一旦丸洗いしてからのリシェイプとの手順が必要そうです。まあ、そこまでしなくても良いかな。

最後にコバ周りにインクを入れて、右足も同じ手順で整えたらメンテ完了です。

 

 

【BEFORE】

【AFTER】

うん。まずまずかと。

 

【BEFORE】

【AFTER】

形が整うことでパーフォレーションのデザインも一層引き立ちます。ではツリーを抜いたらどうなんだ、との話なわけですが、替わりに足が入ることでいい感じになれば嬉しい。

うん。まずまず、よろしいのではなかろうか。

低く構えたエプロンフロントでポインティッドなトゥ。イタ靴なわけですが、1960sの米国ビンテージ靴っぽくもあるかな、と。そういえば以前持っていたペアに雰囲気が似てるかも。マイファーストROBLEE、すでに転がして写真しか残ってませんが、比べてみた。

低く構えたスタイルが似ている。

 

まあ、似てると言いましてもこの手の靴は多々あるわけでして。ですが、パチョッティはイタ靴です。なのに米国ビン靴な雰囲気なのはなぜ。と思って調べて見たらなるほど。

チェザーレ・パチョッティ氏は靴づくりの道に入る以前の若いころは音楽の道を志していたらしい。当初はクラシックを学び、その後、ローリング ストーンズ、ジミ ヘンドリックス、ザ・ドアーズなどに嵌まり、自らもドラムを演奏してた同氏は、ロンドン、パリ、ニューヨーク、極東などを旅する中で芸術的でコスモポリタンな感性を開発した、とのことらしい。

ここであらためて、後回しにしていた同ブランドついてその概要を確認してみます。

 

 

Cesare Paccioti

●1958年1月1日生まれ ●1970年代後半にイタリアの靴の産地・マルケ地方で父が営んでいた靴工房を妹ともに継承 ●従来の靴づくりにファッション要素を取り込んだデザイン性の高い靴をリリース ●結果、ジャンニヴェルサーチやドルチェ&ガッパーナ、ロメオ・ジリなどの靴のデザインから製造までを請け負うことに ●この初期の成功を土台に1980年、自社生産のブランド名をそれまでの「Paris」から「Cesare Paciotti(チェーザレ・パチョッティ)」へ変更 ●大胆で際立つスタイルによって当初はメンズフットウェアに革新をもたらし、その後ウィメンズコレクションを投入、瞬く間に成功を収める ●2025年10月12日、故郷のチヴィタノーヴァ・マルケ(Civitanova Marche)で家族に見守られながら息を引き取る(享年69歳)

 

何歳ころの写真か不明ですが、かなりシブいイケてるお方でありますね。ですが、なんと昨年秋にお亡くなりになられたそうです。ご冥福をお祈りします。

パチョッティと言えばデザイン性の高さで著名ですが、靴づくりで有名なマルケ地方の工房がルーツだとは知りませんでした。地に足の着いたモノづくり✕エッジの効いたデザインにより、ヴェルサーチなどの個性的なブランドからも製造を請け負っていたんですね。知りませんでした。

 

「パチョッティの靴」と言えば、

「ダガー」と言われるソード・短剣のロゴ。

このイメージです。レディス靴の踵に大胆にあしらわれたこれこそがブランドアイコンなわけですが、パチョッティの象徴ともいえるこのロゴは1990年代以降から広く浸透して行ったらしい。

なるほど、メルカリ等で見かけるパチョッティのユーズドのペアにも確かにある。私がセカストで見かけたパチョッティのペアのほぼ全てにもこのロゴがありました。正面に、サイドに、タグにアウトソールにと、どこかしこにさりげなくあしらわれている。

 

今回の私のペアはどうかと言いますと、

どこにも見当たりません。

再掲。あるとするならばこの金属のバックル部分の可能性が高そうですが、その様子は皆無です。

私はそもそも、ブランドロゴが目に付く部分にこれ見よがしに付いているものは好みではありません。付いてない方が嬉しいのですが、私がここ最近目にしたパチョッティのペアのほぼ全てに目につくところに「ダガー」があったのでスルーしてきたのでした。

 

また、結果的にそうなっただけなのですが、

このロゴは1990年代以降から広く浸透して行ったらしい。ということは、(その誕生がいつかは定かではないのですが)このロゴのないペアはチェザーレ・パチョッティ名義でリリースされたモノの中でも初期のものである可能性が高い、といえるのだそうです。

うん、それはいいですね。

ビンテージ靴フリークといたしましては、どうせならそのブランドの初期のモノであったほうが尚更に嬉しい。ソックシートのロゴの刻印のスタイルや、柔らかいラバーソールとレザーの積み上げヒールの組み合わせ。

これらは流通しているユーズドのペアとの比較においては「ダガーロゴ以前」のモノのようにも思われる。まあ、今回のこいつが100%そうだという確証はないのですが、その可能性こそが今回こいつを「マイファースト・パチョッティ」とすることにした最大の理由なのでした。

 

最後に、

なぜ今パチョッティなのか、に触れておかねばなりません。その理由とは、同氏が亡くなられたから。というわけではありません。そのことはこのペアをお購入したあと、つい最近知った次第です。パチョッティの靴を探していた最大の理由とは、

パチョッティのネクタイを入手したから、です。

リーガルの茶のPTBに合わせてみたのですが、どうせなら足元もパチョッティが良いな。そんな思いからパチョッティの靴を漁り始めたとの経緯であります。なんだけれども、

このネイビーのネクタイにこの靴って、どうなのでしょう、似合うのでしょうか。なんかテイストが違うような気がしなくもない。

サイズ感は中敷き追加してまだ若干のゆとり、と言った感じです。大きいわけではないのですが、履き口に若干のゆとりがある。どうせなら埋まって欲しいわけでもあり、甲の皺の改善と一石二鳥狙いで丸洗いして縮める、というのもありなわけですが、まあ、無理はすまい、申すまい。

こいつ、仕事向きではないのかな。

とりあえず当面は厚手の靴下履くなどして誤魔化しながら登板させてみようと思う。さて、どんな格好に似合うのでしょうか。これまで好んで買うことのなかったスタイルなので、今更ながらに戸惑ってしまう。

いや、

むしろ仕事で、思い切ってジャケパンの方が合わせやすいだろうか。ネクタイは先ほどのパチョッティでないほうが良さそう。手持ちの他のメイカーのモノか、もしくは別のパチョッティのネクタイを調達するか。いずれにせよ、夏までには出番を作りたいものです。

嗚呼、またやることが増えた。

(おしまい)

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